Cake.jpの「自律型開発組織」を支える文化
こんにちは、 @ar_tama です。ケーキ・スイーツの通販を主とするCake.jpという会社で、CTOをやっています。
さて、去年の12月にこんな内容の登壇をしました。
※ 書き起こしはこちら
ここでは2つ目のトピックとして「チームの設計・チーム内のコミュニケーション設計」を取り上げましたが、今回はこれらの試行錯誤を下支えしてくれている、Cake.jp開発組織の文化を象徴する「輪読会」と「小話会」についてご紹介します!
輪読会
輪読会それ自体はすでに多くの会社で行われている取り組みですが、Cake.jpではメンバーからの次のような声を聞いて始めました。
(お子さんが生まれるなど)家庭環境が変わり、自発的・持続的なインプットの習慣が途切れてしまった
技術書を読んだほうがいいことは分かっているけど、読んでも活かし方が分からずなかなか気が乗らない
そのため、以下のような流れで開催しています。
業務時間中に指定の範囲を読み、感想や疑問などを予め共有メモに残す
当日はメモを順番に読み上げ、ディスカッションを挟みながら進行する
有志による輪読会と位置づけると、どうしても課外活動的になってしまい、実務の忙しさによって自然消滅…ということもしばしば起こり得ます。
また「持ち回りでサマリを発表し合う」形式の輪読だと、発表者でないターンは「お客さん」マインドになってしまい、本から得られる経験量が目減りしてしまうのが懸念です。
これを避け、インプット〜業務での実践サイクルをみんなで習慣化することを目的として、業務時間内の実施と図書費用の補助を徹底しました。
扱う書籍についてはビブリオバトル形式(読みたい本を持ち寄りみんなで決める)でやっています。
章立てや本のボリュームにもよりますが、1年で3~4冊程度のペースで続けており、例えば以下のような本を読んでいます。
エンジニア
デザイナー
個人的には、輪読によって得られる一番のメリットは語彙が揃うことだと考えています。
同じ課題に日々取り組んでいる仲間と、同じ本を読み感想を交換する過程で
自分たちのプロダクトに当てはめるとどういう状態か
状況を改善するためには、どのようなステップを踏んで実践すべきか
といった、より実務に近い部分での共通認識が醸成されていきます。
結果、「この設計はあの本で言うところの◯◯に該当していそうです」など、共通の語彙・認識を踏まえたコミュニケーションが取れるようになり、目指すべきクオリティのラインが揃っただけでなく、実際に改善や意思決定のスピードが早まったと感じています。
小話会
いわゆる「知見のシェア会」です。ウィンセッション(OKR)の一環で実践している会社もあるようですね。
私たちはもう少しライトに、「ちょっとしたいいこと」を気軽にシェアする場として始めました。
うまく書けたコード
書くのに苦労したテスト
ちょっとしたtips、おもしろネタ
勉強になったレビュー・ディスカッション
コミュニケーションスタイルが基本的にフルリモートベースのため、こういった共有の場を作ることが、ナレッジの属人化・サイロ化を防いだり、メンバーそれぞれの関心や取り組んでいることがらを知る機会にできたりすることを狙いとしています。またこれらは結果的に、発信・提案のハードルを下げることにもつながるのではと考えています。
最近はこの場がいい意味で拡大解釈されつつあり、業務に隣接した領域で「自分なりに調べてまとめたこと」を共有しFBを得る場、としても機能し始めていて、みんなのコミットメントの高さを感じずにはいられません…!
おわりに
これら2つの取り組みを中心として、Cake.jpの開発組織はユーザーに価値をまっすぐ届けられる、自律的な組織としてめきめき成長しているのを日々感じています。
とはいえまだまだ課題は山積み!人も時間も足りないよ〜!ということで、この勢いを更に加速してくれるメンバーを募集しています🥳
「ちょっと興味あるから話だけでも」という方も大歓迎です。お気軽にお声掛けください!
技術的な取り組みの詳細については、冒頭でご紹介したスライドや、こちらのnoteをチェックしてみてください!
私たちが取り組む「目標設定」を通じた成長支援についてはこちらに!