誰かの推しになれるかな。【ことばを考える】#10
こんにちは。AQUAです。
今回もやっていきます「ことばを考える」第10回。
今回は、なにかを成し遂げてかけがえのない存在になりたい人に届ける、このことばです。
今回は、思ったより長くなってしまいました……。
20世紀におけるファッション界のリーダーであり、女性の社会進出においても大きな功績を残したココ・シャネルの著したことばです。
今なお続く一大ブランドの創始者でもあり、多くの人々にとって、さまざまな影響力をもっている彼女の遺したことばには、マインドや人生を変える大きな力があるとおもいます。
人と違うことのアドバンテージ
人と違うことを、多くの人は嫌うと思います。
特に日本人はその傾向が強く、そういった論調がしばしば身の回りで聞こえてきます。
「普通になりなさい」「普通はこうする」
家庭の場。教育の場。仕事の場。
おそらく、日本で暮らしていて聞かないことはないのではないでしょうか。
「みんな」と違うことをしていると、鬼の首を取ったように騒ぎ立て、違うということで攻撃対象にしてしまいがちです。
あなたもやったことないですか?
正直に告白すると、わたし自身もやったこと、あります。
何かの型にはめるかのように人を見て、それをさも教育が成功したかのようにおもいあがってしまう。
でも、そういうを繰り返すのは、みんながただただ生きづらくなるだけじゃないでしょうか。
金子みすゞではないですが、「みんなちがってみんないい」です。
それぞれの個性だと捉えれば、それぞれ違いが面白く感じられる。
たとえば、見るからに仕事ができない人が職場にいたとしましょう。
その職種において基本的ともいえる作業ができない。
書類の管理ができない。
値入や粗利などの基本的な計算ができない。
指示されたことをよく忘れてしまう。
経験もないのに自己流にやって大きな失敗をしている。
そんな同僚を見て、なにを思うでしょうか。
「わあ、またやってる」だったり、「給料泥棒め」だったり、負の感情が湧いてくる人も少なくはないんじゃないでしょうか。
しかし、わたしはこう思うようにしてます。
「また面白いことやってるなあ」とか、
「ないかここから学ぶところはないかなあ」とか。
少しでもポジティブに変換できるように考えるようにしています。
わたしも、人間だし、元々が根暗めの陰の者なので、負の感情やネガティブなことばを吐いてしまうこともあります。
しかし、その仕事ができない同僚をみていたら、自分自身がなにか変えられるものがあるかもしれないと思うのです。
例えば、効率が良いと思っていることが、まだまだ改善の余地があるかもしれない。
基本的な計算方法は変わることはないけれど、それを教えるにあたってもっとよい方法があるのかもしれない。
前提知識が間違っているのかもしれない。
個々人の考えや思想と、「常識」とのすり合わせがうまくいっていないのかもしれない。
たったひとつ、その仕事ができない同僚をみているだけでも、いろいろなことを考えることができるのです。
そう考えると「みんな」と違うやつは、おもしろく感じてくるんじゃないでしょうか。
かけがえのない存在とは
かけがえのない存在、と簡単に言いますが、意外と難しい。
みんな、ある意味では、かけがえのない存在ではあるのです。
同じ遺伝子配列で、どれだけ大きくても3mを越えないし、1tを超えるような巨体もいない、大体同じような背格好ではありますが、細かくみるとみんながみんな違う形態をしている。
だからこそ、誰かを特別に思ったり、思われたりするのでしょう。
生物的に、つがいをつくり、子をなすことが宿命であるというのもありますが、異性だろうが同性だろうが、特別に思う人がいない人はいないんじゃないだろうか。
たとえば、職場での特別だと思う人。
あの人の仕事の仕方は尊敬できる。
あの人のやりかたを参考にしたい。
いつも淡々と確実に仕事をこなしてくるあの人には頭があがらない。
いつも職場の雰囲気を明るくしてくれるあの人はすごいと思わされる。
そういう人が一人はいるんじゃないでしょうか。
でも、その人は傍|《はた》から見ると、実は「変わりもの」なのかもしれない。
誰かと違うことで、特別にみられるという視線を集めている。
そういう人は、その職場にとってかけがえのない存在になっていることでしょう。
たとえば、日常のなかでの特別に思う人。
推し。
好きなアイドル。
おもしろい発信者。
人生を変えられたことばの発言者。
わたしの推しである人も、ある意味で「変わり者」でした。
変わった行動もするし、とがった発言もよくしていた。
しかし、芯の通った女性であり、そこに惹かれて推し始めました。
それこそ、シャネルのことを尊敬している女性でもありました。だから、なんどかシャネルのことを聞くことや読むこともあった。
やっぱり、彼女は、他の誰かとは違って、かけがえのない存在でした。
わたし自身も誰かの推しになりえるのだろうか。
自分自身、変わった人間であることは、承知しています。
周りから少し浮いた存在でもあるし、他の人が言っていることを素直に受け取れない人間でもあります。
昔に比べたら、だいぶ他者に対する攻撃性だとか、なんでもかんでも言ってしまうことは減りましたが、根幹で考えていることはさして変わっていない。
結びに
今回も読んで頂きありがとうございました。
ココ・シャネルのことばを紹介しました。
いつもは1000文字から1500文字ぐらいにおさえようとしているのですが、思った以上に長くなってしまった……。
もっと、推敲の技術を鍛えたいものです……。