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体の変化は“年齢だけのせい”ではない〜老化ではなく「○○」が大半〜

「人は年齢とともに老化し、体力や健康が衰える」と多くの人が信じていますが、これを本当に 「老化」 と言い切ってしまうのは疑問です。

たしかに、人間の体には 基礎的な老化現象 があります。たとえば、細胞の修復能力が徐々に低下したり、筋肉の質が変化することは、避けがたい現象です。

しかし、その変化は 比較的緩やか です。

それにもかかわらず、「年齢を重ねたら体が動かなくなった」と感じる人が多い理由は、むしろ 「退化」 によるものが大半を占めています。


その衰えは「老化」なのか?それとも「退化」か?

20代中盤を過ぎると、多くの人が体力の低下を感じるようになります。しかし、その原因を単に「老化」と片付けるのは早計です。

たとえば、学生時代は 体育の授業部活動、友達との遊びなどで自然に体を動かす機会がたくさんありました。

ところが、社会人になると 運動する時間が激減 し、デスクワーク中心の生活を送る人が増えます。

この 「運動量の減少」 こそが、体力の低下の主な原因です。


学生時代と社会人の運動時間の格差について


学生時代の方が運動時間が長く、社会人になると運動時間が大幅に減少する
──この傾向は、多くの調査データに裏付けられています。

なぜこのような格差が生じるのか?
背景要因を探りつつ、健康維持のために社会人が取るべき対策について考えていきましょう。

学生 vs. 社会人の運動時間データ

以下のデータは、学生時代と社会人の1日の平均運動時間を比較したものです。

重要ポイント
学生時代の運動時間は1~2時間/日
社会人の運動時間は30分未満/日

社会人になると、運動時間が半分以下、場合によっては4分の1以下になることが分かります。


運動時間格差の主な原因

🔍 学生時代に運動時間が多い理由
1. 体育の授業が必修
学校教育の一環として、日常的に運動する環境が整っています。
2. 部活動・サークル活動が盛ん
特に中高生は、部活動に数時間を費やすケースも多く、運動が生活の一部です。
3. 通学での運動
徒歩や自転車での通学は、自然と運動時間を確保する手段になっています。
4. 自由時間が多い
学生時代は社会人に比べて自由な時間が多く、運動に充てる時間の確保が容易です。


社会人になって運動時間が減る理由
1. 長時間労働
日本の社会では、週40時間以上の労働が一般的で、帰宅後の自由時間が限られます。
2. 通勤時間の増加
社会人の多くは、公共交通機関や車での通勤が主流で、学生時代のように徒歩や自転車での移動が減ります。
3. ストレスや疲労
仕事の疲れから、運動よりもリラックスや休息を優先するケースが増えます。
4. 運動環境の変化
部活動や体育の授業といった「半強制的な運動機会」がなくなり、自ら運動時間を確保しなければなりません。


運動時間の格差がもたらす影響

身体的な影響
筋力・体力の低下
運動不足により、筋力が低下し、基礎代謝も減少します。
生活習慣病のリスク増加
肥満、糖尿病、高血圧といった生活習慣病のリスクが高まります。

🧠 精神的な影響
ストレス解消の機会が減少
運動はストレス解消に効果がありますが、運動時間の減少でその機会が減ります。
メンタルヘルスの悪化
運動不足は、うつ病や不安障害のリスクを高めるとされています。


最新の研究データ

最新の研究によると、社会人が週に150分以上の運動を行うことで、心血管疾患や糖尿病のリスクが30%以上減少することが分かっています。
しかし、現状では、日本の20~30代の社会人の約60%が運動不足であり、推奨される運動時間に達していません。


「老化」と「退化」の違い

退化の仕組み──運動しなければ誰でも衰える

筋肉や体力は 「使わなければ衰える」 という特性を持っています。
これを 「可塑性(プラスティシティ)」 と呼び、年齢にかかわらず、筋肉や神経は適切な刺激を与えることで再び成長する可能性を持っているのです。

学生時代と社会人の違い

これを見ても、年齢そのものが体力低下の原因ではなく、 運動量の減少が主な原因 であることがわかります。

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