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医療美容にアスペが半泣き敗北宣言 前編

レポート前編

2025年1月 アスペ52歳はとつぜん”キレイになりたい”と思った。
52歳の女なりに手入れはしてきたつもりだが限界も感じる。
シャワーを浴びたとき濡れた髪でおおわれた自分の顔を鏡で見るとどこの濡れ妖怪がいるのかってはなしになる。
ここはひとつ医療美容を投入し本気でとりにいこうと決めた。

この物語はアスペが医療美容を初体験した泣けるレポートである。
長文レポートなので前編・後編にわけて投稿する。

先に結論から言おう。
⦿私はガマンしてまでも美を追求できなかった美容敗者である。
⦿美容クリニックは大変親切で誠実である。

私が体験した医療美容は”フェイスライトダブル”
フェイスライトダブルという呼称は仮名であることを伝えておく。

美容クリニックのホームページをみるとありとあらゆる施術があり、ビギナーは目をしばしばさせる情報であふれていいた。
いろいろと検討した結果、フェイスライトダブルという施術に決めた。
だってTikTokが「医療美容ビギナーさんはこの施術から♪ぜーんぜん痛くないのおすすめ♥」っていってたから。
いやうそそれだけじゃなくてちゃんとした皮膚科のドクターもビギナーはフェイスライトをおすすめしていた。

私は駅周辺にあるいくつかの美容クリニックを調べ”Aクリニック”に施術の予約を入れた。
あーもー濡れ妖怪がきれいになっちゃうけどごめんて小躍りした。

1月某日。Aクリニックにて受付完了。
まずは医師の診察。医師が私の顔を観察する。
「黄疸がでてますね。肝臓の数値はだいじょうぶですか。一度内科で検査してみてください」
2月に健康診断があるので確認してみますと答えた。
医師の細やかで丁寧な診察に安心する。

診察は美容医療にすすむ。
医師から顔に糸を入れて吊りあげるアレや、注射して肌をふくよかにするアレもすすめられたが
私は確固たる「イタイコトハイヤデス」と小学生並みの理由で切る縫う刺す系の施術は丁寧にご遠慮した。
とにかく私は痛いことがイヤなのである。

先生、フェイスライトの痛みですが、ゴムをパチンと軽くはじいた感じだと聞きましたが、そんな感じですか。

んーパチンとはちょっと違うかなー。

えっ、パチンではないなら、どんな感じですか。

私が必死になってかき集めた事前情報と違うことに動揺する。

んーなんていうんだろう・・・パチンではないんですよぅ
んーなんていうんだろ
でも痛みでストップかける患者様はいませんねぇ

あ、そうですか、パチンではないけど、離脱者はいない、と。
わかりました、本日の施術をお願いします。

医師の診察が終わると、次に美容カウンセラーさんとのカウンセリング。
美容カウンセラーさんも医師と同じく、とても丁寧に関わってくれた。
美容業界でよく噂される5万円予算が50万円見積りになったとか、そういうのはまったくなかった。
きちんとホームページに記載されている金額のみの明朗会計だった。
しつこい営業もなかった。
とても誠実なクリニックである。Aを選んでよかったと今でも思う。

ただこのあたりで私のアスペが顔を出しはじめた。
美容クリニックの一連の流れがまったくわからない。
医師の受診からはじまり、次はカウンセリング、その次は?なに?
なに?なに?なに?
次の行動が見えないこと、先の見立てが立てられないことで動揺しはじめる。

52番さま(美容クリニックで患者は守秘のため番号で呼ばれる)
こちらにご案内しますー

えどこどこどこに行くの?次はなに?
クリニックのフロアは個人守秘のため壁が多く迷路みたいな感覚になる。
いったいフロアのどこを歩いているのかもわからない。
どこに行って何をするのかわからず、私はさらに動揺する。
動揺しちゃって真っ白なコートを2度 床に落とす。

こちらのメイクルームでメイクを落としてくださーい。
メイクおとしはこちらとこちらをお使いくださーい。
次にこれとこれを塗ってくださーい。
髪止めは外さずそのままでいてくださーい。
ご準備ができたらこのボタンをおしてくださーい。
いくつかのルールをなんとか記憶し準備をする。

誰からも急がされていないのに、勝手に焦る。
耳元でパチン!とイヤリングが外れた音がした。
動揺して手先がぶれてイヤリングを片方落としてしまった。
慌てて顔をふき洗面台周辺を必死に探すがイヤリングは見つからない。

えうそうそこんなせまいばしょでみつからないってなぜ。

探したいけど準備しなきゃ。ぷちパニック。
ここは一旦冷静になってイヤリングよりも準備を優先しよう。
私は深呼吸をして落ち着いた大人のふりをしながらボタンを押した。

後編に続く


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