見出し画像

私はちょっとバカなアスペ

私はだいぶおとなになるまで、かなりバカだった。
私がカウンセラーになったいきさつはここを読んでほしいんだけど

30代後半で心理学の勉強をするまで、私はほんとになーんももっていない人間だった。
人に話せるような人生も送ってなかったし、人とコミュニケーションをとれるような趣味もなかったし、自慢できることもなかったし、育ちもよくない。

子どものときから自分は基本的にバカだと思って生きてきた。
その要因のひとつに、聞く力が弱いってのがあったと思う。
発達障害の人のなかには、耳から情報を取り込む力の弱さ、という特性をもつ人がいる。
簡単に言うと、相手の話す説明の速度で理解が追いつかない、って感じ。

私は学校という場所に所属してから、授業というものがあまり理解できなかった。
先生が話す速度についていけない。理解がおいつかない。
えなになにせんせいなにいったの?と思っているうちに、授業はどんどん先に進んでいく。

noteかきながらちょっと思い出した。
私が小学2年生のとき、授業中、先生が
「それでは一番前の席の人から宿題の~~~~~をしてください」と言ったの。
私は先生の指示を聞きとれなくて、それなのに一番前の席で、どうすればいいかわらなくて、固まっていたら
「まつしまさん、なにをしているのっ、早く~~~しなさい!先生のはなしをまったく聞いてなかったのね!」と先生にガチ怒られた。
なによりクラスみんなの前で怒られたことに、心も体もしぼんだ。
私はこのとき、私はみんなと同じことができないバカなんだなって確信した。

とにかく先生の話す授業についていけない。
班のみんなで意見を出し合って答えをだすやつも、私は話し合いについていけない。
当然、クラスの子からはバカあつかいされる。

私は授業についていけない頭の悪さがあったけれど
なぜか授業内容がプリントになって渡されると、授業の内容を理解できた。
紙に図や色をつかって説明されていて目でみてわかるものは、すんなりと理解できた。
本を読むことが好きだった。本は自分のペースで理解ができるし、そもそも文字で伝えるものなので理解しやすい。

私がおとなになって映画をみるようになったが、映画の展開についていけなかった。
目で見る情報と耳から入る情報に時差があり、映画館では???となってしまう。
でもDVDをレンタルしてうちで映画を見れば、何度も巻き戻してみることができた。
私は舞台芸術も好きだが、舞台は巻き戻しができないから、しんどい。

私はなにももたない、背中を丸めたおとなになった。
いろいろあって、心理学の勉強をはじめた。
私はバカなはずなのに、心理学の本や、分厚い難しい本も、理解できた。
わからない専門用語がでれば、すぐに本やネットで調べた。すぐに理解できた。
わかりたい、知りたい、という気持ちが前のめり。
本を読むと、文字がそのまま、私の頭のなかに入ってくる感じ。
さらに本のまとめをノートにかくと、その書いた文字が頭にそのまま入ってくる。記憶の定着が早い。
40歳になるころ、このときはじめて、私はバカじゃないかもって思った。
私には、私に合う勉強のやり方があるんだと、はじめて知った。

私はカウンセラーになった。
聞くチカラは弱いが、なぜか「聴くチカラ」は強かった。

私の面談には、日々、発達障害やグレーゾーンの女性が来談する。
私は自分の経験から、誰しもが言葉や語りかけだけで物事が通じるとははじめから思っていない。
来談者の特性を理解し、必要があれば、図や絵、色、大きい文字などを使いていねいに状況を説明する。
私がそうしてほしかったように。

あなたはけしてバカではない。
あなたにあったやり方があるだけ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?