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想い···【4】 詩小説


春の陽射しに広げた手に

黄色く可愛い服を着た···

それでもあなたは私を見ることもなく

人々の目は散りゆく桜ばかりを見つめてた··

風に踊る桜の花弁はワルツを踊るように

人々の目を引き付け

私を見てくれる人は居ないまま

私の可愛い黄色い服も

やがて汚れて萎れていった···

私は萎れた哀しいたんぽぽ

想いも伝えられないまま

神様への願いも届かないまま

綺麗な姿は仮初めに消え

私は花として物悲しい最期を迎えようとしていた


花を無くした私はたんぽぽ

やがて丸くて真っ白な

真珠のような真綿に包まれ

私は今、儚い一生を終えるの···


次回、想い···『愛の神託』ラストです。

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