いたずらカラスと なきむしこねこ【幼児向け童話】
AC-illust
カラスは なつのおひさまから かくれるように カラスが いつもやすんでいる おきにいりの ちいさないけがある おおきなこうえんの 大きな木のかげで やすんでいました。
するとそこへ まっくろないろの こねこがなきながら あるいてきました。
「なんだようるさいなぁ。あのちびねこか」
いたずらなカラスは、やすんでいたところを じゃまされたので こねこにいじわるを しようと おもいました。
「どうしたんだい?ちびねこちゃん」
カラスは こねこに こえをかけたのです。
「おかあさんと はぐれちゃったんだ」
そういうと こねこは また おかあさんをよぶように おおきなこえで なきだしてしまいました。
「うるさいなー。おまえは おとこなのか?おんななのか?」
カラスは こねこに ききました。
「おとこだよ」
こねこは なきながら こたえました。
「おとこのこなら あんまり ないてると かっこわるいぞ。おれが この木のうえから おまえの おかあさん さがしてやるよ」
カラスは そういって 木のうえから きょろきょろと こねこの おかあさんを さがすふりを しました。
「おい なきむしねこ。おまえと おなじようないろをした ねこが あのどうろの むこうがわに みえるぞ。いってみろ」
カラスは うるさいこねこを とおくへ おいやろうとして どうろのむこうに ねこがみえる と うそを ついたのです。
「カラスさん ありがとう。いってみる」
こねこは よろこんで どうろへむかって はしりだしました。
「よしよし。 あいつ おれのうそをしんじて はしっていきやがった。これで ゆっくりやすめるな」
そうおもった カラスのみみに どうろのほうから クルマのきゅうぶれーきをかける おとと ププーという くらくしょんが きこえてきたのでした。
「なんだ?うるさいなー」
カラスは どうろのほうを みました。
すると どうろのまんなかで うずくまってるこねこが みえたのです。
「あいつ あんなところで なにやってんだ?はやく どうろ わたればいいのに」
すこしのあいだ こねこの ようすをみていた いたずらカラス。
こねこが どうろのまんなかで うずくまったまま うごかないので しんぱいになってきました。
からすは そらをとんで どうろをわたるので くるまの こわさを しらなかったのです。
あんまり こねこがうごかないので カラスは こねこの ところへ とんでいきました。
どうろのよこにある 木のうえにとまり カラスは こねこをみていました。
「あの なきむしねこ。 あんなところで なにやってんだ?なんで うごかないんだ?」
こねこは うずくまったままうごかない。
さすがに しんぱいになったカラスは くるまが あかしんごうで とまったときに こねこの そばへいきました。
「おい なきむしねこ。なんで こんなとこで うごかないんだよ。はやくどうろわたっちゃえよ」
「だって こわいんだよ」
「おまえが さっさとわたらないからだろ」
カラスが そういったとき どうろの しんごうが あおいろにかわって くるまは またうごきだしたのです。
いきおいよく こねこと カラスに ちかづいてくる くるま。
そしてカラスと こねこのよこを いきおいよく とおりすぎて ゆきました。
そらをとぶカラスは どうろと くるまの こわさを はじめてしりました。
あまりのこわさに カラスはとびあがり どうろのよこにある 木に とんでにげました。
「おっかないなぁ くるまって。いつも そらを とんでるから わからなかった。あいつが こわがるのも わかるな」
カラスは くるまのこわさをしり くるまがこなくなるときを まちました。
そのあいだにも こねこは どうろのまんなかで うずくまったまま うごけずにいました。
すると どうろのしんごうが あかいろになり くるまが とまりました。
いたずらカラスは こねこのそばにいき こねこのしっぽを くちばしでつかみ どうろの よこの木のしたへ こねこを つれていってあげました。
「カラスさん ありがとう。すごく こわかった」
こねこは そういうと また なきだしてしまいました。
「いいか ちびねこ。もう どうろには でるんじゃないぞ」
「うん。もう ぜったい でないよ」
カラスは こねこを あぶないどうろから とおざけようと かんがえました。
「おい。ちびねこ。おまえとおなじ まっくろいねこが むこうに いたぞ。 いってみろ」
カラスは こねこを どうろから とおざけるため やさしい うそを ついたのです。
「ほんと?カラスさん ありがとう」
こねこは どうろとは はんたいの カラスが やすんでいたばしょのほうへ はしってゆきました。
「まったく せわのやける ちびねこだぜ」
そういって カラスは こうえんのなかの おきにいりの ばしょにもどりました。
カラスは木のうえから くろいこねこが こうえんのなかを はしっていく すがたを みていました。
「やっと うるさい ちびねこが いなくなったな。これで ゆっくり やすめるぜ」
こねこをみていたカラスは ねようとしたとき いけのところで こねこのすがたが とつぜん きえてしまいました。
「あれ?あいつ きゅうに みえなくなったぞ。まぁ いいか…。しずかになったし」
ねようとするカラスに いままでとちがう こねこの なきごえが きこえてきたのです。
「あいつ…もしかしたら いけにおちたのか?」
じぶんのいった うそをしんじて ははおやをさがしまわる こねこがしんぱいになった いたずらカラス。
こかげから いけのほうへとんでいくのでした。
カラスは いけにおちている こねこをみつけました。
いけのそばに おりたカラスは そばにおちていた木のえだを こねこにくわえさせました。
なんとか いけからはいあがったこねこ。
「カラスさん ありがとう」
「まったく おまえはどんくさいやつだな。いいか おまえは おれみたいに とべないんだから まわりを よくみてあるかないと だめだろ」
こねこに おこる カラス。
「きをつけるよ。カラスさん」
たすけてくれた カラスのいうことをきく こねこ。
「いいか おまえは ここにいろ。おれが おまえの おかあさんを さがしてきてやるから ここから うごくんじゃないぞ」
「わかった」
にかいも たすけてくれた カラスのいうことをきく こねこ。
カラスは そこからとびあがり そらから こねこのははおやを さがしはじめるのでした。
すこしして くろいねこが はしりまわっているすがたを カラスはみつけました。
カラスは くろいねこのまえに おりました。
とつぜん そらからおりてきた カラスに くろいねこはびっくりしました。
「びっくりしたー。おどかさないでよ カラスさん」
「ねこさん ねこさん。もしかしたら こどもをさがしてる?」
カラスは くろいねこに はなしかけました。
「さがしてる。カラスさん くろいこねこ みかけなかった?」
「やっぱり…。こっちにいるよ おばさん。ついてきて」
「あ~ よかったー」
そういって くろいねこは カラスのあとを ついていきました。
いけのそばに すわっているこねこをみつけた ははおやの くろいねこは こねこにかけよりました。
「もう。おかあさんのそばを はなれちゃだめっていったでしょ。こんなに ぬれちゃって どうしたの?」
こねこの おかあさんは こねこのからだを ぺろぺろなめてあげました。
「ぼくが おかあさんをさがしてたら いけにおちちゃって カラスさんが たすけてくれたんだよ」
「あらあら カラスさん ありがとう」
「カラスの おにいちゃん やさしいんだよ。ぼくが おかあさんを さがしてたら いっしょに さがしてくれたんだ。さっきも どうろで こわいくるまで うごけなくなったぼくを たすけてくれたんだよ」
こねこに やさしいカラスのおにいちゃん といわれて こねこに うそをついたじぶんが はずかしくなったカラス。
そらに とびあがり いえにかえるのでした。
いえにかえって カラスのははおやに こねこにうそをついたことは ないしょにして こねこのことを はなしました。
「いいことしたね。おまえがやさしいこどもで おかあさんうれしいよ」
ははおやに ほめられたカラスは もう うそをつくのはやめよう と おもいながら こねこと ははねこを おもいだしていました。
おしまい😾
著 安桜芙美乃
オリジナル童話です♪
うそをついたカラスが、自分のしたことで子猫を危険な目にあわせたこと。
子猫の母親に感謝されたこと。
自分の母親に誉められたこと。
そしてなにより、子猫に優しいカラスのお兄ちゃん、と言われたことで、自分がついた嘘を恥じるカラス。
そして、自分が怖い目にあって、自分以外の立場と痛みを知るカラスのお兄ちゃんになったのであります♪
めでたしめでたし♪(*^-^)
最後まで読んでくださりありがとうございました♪
私を泣かすには十分な歌です
【母さんの歌】
また来てね(@^^)/~~~♪