本の学び
今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。
標野凪
ひっそりと佇む
山小屋のような
小さなカフェ
楓や楡(にれ)といった
ありふれた樹木
その葉の
隙間を通して
明るい日差しが
「喫茶ドードー」の
庭先まで
届いています
ここは
おひとりさま
専用のカフェ
店主は
寝癖なのか
天然パーマなのか
くるくるの髪に
黒縁の丸眼鏡
今日も
悩みを抱えた
お客さまを
引き寄せる
なぜだか
ここは
お客さまが
今いちばん求めてる
不思議な
メニューが登場する
おひとりさま
専用のカフェ
だからなのか
お店の雰囲気も手伝って
お客さまは
おもわず
心のぼやきを
こぼしてしまう
心のバランスを
とるために
花を活け
部屋を整え
心を
くつろがす
自分を癒すための
“丁寧な暮らし”
気晴らしで
はじめた
そんな
日常を切り取った
SNSの発信
一方
誰かが発信する
SNSの画像の
素敵な
ライフスタイルに
心が
押しつぶされそうになる
人もいる
”自分は駄目な人間なんじゃないか?”
そんな彼女も
やはり
心身共に
疲れ切っていた
ちょっと
ずれた?感性の
店主
でもなぜか
的を得てる
メッセージ
なるほど
目線を変えると
周りの人たちの
言動も180度
意味が変わって
伝わる
急激に育った木は
ヤワなんです
でも
時間をかけて変化
していった木は
強くなるんですよ
自分をいたわるって
そういうことじゃ
ないですか?
コロナ禍の不安
仕事の悩み
人生の岐路
みんな
不安を抱えてる
勇気がいるけど
不安に
ちゃんと向き合い
周りの人にも
助けられ
そして
気づきがあり
それぞれのペースで
前に進んでいく
不安に震える
彼女たちの思いに
わたしも
ぎゅっと
胸を掴まれたり
真夏のじりじりと
照りつける太陽
秋は
落ち葉の上に
寝転がったり
雪の日
自転車の
かじかむ手指
ともに季節を感じて
頭の中で
映像を描く
最後は
春風が吹き
すてきな映画を
観終わったような
心地よさに
包まれた
20代
30代
40代
50代
そして70代
どの世代の心にも
寄り添った物語
連作短編集です
じっくり
情景を味わいながら
読み進めたい本です
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