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読書感想5:『謎の香りはパン屋から』
簡単レビュー
謎と気持ちのよさが結びついた、新鮮なミステリー。気軽ながらも深い。読めば、パン屋に駆け込みたくなる一冊です。
1. 本の基本情報
• タイトル: 謎の香りはパン屋から
• 著者: 土屋うさぎ
• 出版社: 宝島社
• 出版年: 2025年
• ジャンル: ミステリー
• ページ数: 240
2. この本を読んだ理由
きっかけは、表紙のイラストを見て、日常にありふれたパン屋さん。
そのパン屋でどんなミステリーが起こるのか?
表紙に惹かれて、思わず手に取りました。
また、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作として評判を集めているのも決め手になりました。
会社の昼休みに読むのにちょうど良さそうだと思い、手に取りました。
3. 本の概要
大学1年生の市倉小春は、漫画家を目指しながら、大阪府豊中市のパン屋〈ノスティモ〉でアルバイトをしている。
そこでは毎日、焼きたてのパンの香ばしい香りが漂い、常連客や個性豊かなスタッフが行き交う。
しかし、そんな日常の中で、小さな“謎”が次々と現れる。
親友の由貴子が突然ライブビューイングをキャンセルした理由、いつも決まった時間にやって来る常連客の意外な秘密、焼き立てパンの減り方が不自然な日の出来事……。
小春は、観察力と洞察力を活かし、そんな何気ない違和感を紐解いていく。
パン屋での仕事を通して、人々の気持ちに寄り添いながら、隠された事情や思いを見つけ出していく小春の姿は、やがて周囲の人々の心をも動かしていく。
パンの香りが広がる日常系ミステリー。
温かく、ちょっぴり切ない、心に染みる謎解きの物語。
4. 感想とまとめ
会話のテンポがよく、とても読みやすい。
日常にありふれた風景から生まれる謎を解き明かすのが魅力的だった。
まるで数学の証明のように、理詰めで謎を解き明かしていく展開が面白い。
作者はもともと阪大の理系学部出身で、その経歴に妙に納得してしまった。
しかも、難解な推理ではなく、わかりやすく読めるのがいい。
最後はほっこりするような結論で、読んでいて安心感があった。
ミステリー初心者の私にもとても読みやすかった。
全5章あり、それぞれが短編小説のようになっているので、どこから読んでも楽しめる。
気軽に読み始められる一冊です。
5. この本をおすすめしたい人
• ミステリー初心者
• ほっこりした気持ちになりたい人
• カフェやパン屋が好きな人