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#20 地域包括支援センターと検索すると… その1
GoogleやYahooで「地域包括支援センター」と検索すると、「ひどい」「使えない」「偉そう」などといった興味深い言葉が自動入力候補として表示されます。地域包括支援センターに対するネガティブな印象を持つ人が多いようです。これらの印象が生まれる背景について、個人的な思いをまとめてみました。
【ひどい・使えない】
利用者本人がインターネットで「地域包括支援センター」と検索することもありますが、高齢であることを考えると基本的にはその家族が検索していると思います。つまり、家族が「ひどい」「使えない」といった言葉をつないで、地域包括支援センターを検索しています。
「ひどい」「使えない」という表現は、「対応が不十分」という不満を指していると思います。家族にとって、相談時の印象が「態度が悪い」「結果が期待外れだった」「たらい回しにされた」と感じることが、こうしたネガティブな検索候補に反映されていると思います。
地域包括支援センターの紹介として「よろず相談」と広報しているところもあると思いますが、実際のところ「法律」「医療」「経済的支援」など、制度上対応が難しいことは多々あります。ただ、直接対応できないにしろ、関係機関に連絡し、適切に引き継ぐことができれば、このような評価には至らないと思います。
【態度が悪い】
「態度が悪い」という印象は、地域包括支援センターの相談員のコミュニケーション能力に不満を示しているように感じます。相談員が敬語や傾聴の姿勢が未熟だと、家族は不快に感じることもあります。これは相談員の経験不足や人柄が影響しているように感じます。「ひどい」「使えない」よりも相談員として何かが決定的に欠落しているかもしれません。
地域包括支援センターの業務は多岐にわたり、特に新任者にとっては複雑な状況に対応するのが難しい場合があります。また、人員配置的に複数の相談員が自宅訪問するといった機会が少ないため、OJTの機会が十分ではありません。そういう点で、コミュニケーションを学ぶ機会に乏しいため、未熟な対応をしてしまうのではと推測します。
もちろん、元々人柄が良くない相談員がいるのも、たぶん事実だと思います。
【結果が伴わない】
「結果が伴わない」という批判については、本来なら調整できる状況なのに、相談員が未熟なために利用できる制度を知らなかったり、必要な関係機関との連携がうまくいかず、結果が伴わないこともあると思います。相談員が「未熟ゆえ」ということです。
ただ、相談者の期待が高すぎる場合や、相談内容がそもそも制度的に解決することが難しい場合もあります。例えば家族が知人などに相談し、実際に介護サービスを利用している情報を得て、自分の親も同じようなサービスを利用できるのではと期待している場合、実際は要介護度などの状況から同じようには利用できないこともあるかもしれません。
たとえある程度支援ができても、本人・家族の期待に達しない場合には「使えない」と評価されがちです。
【たらい回し】
「たらい回し」という印象もよく聞かれます。相談員が関係機関を適切に紹介できなかった場合や、説明不足で相談者に誤解を与えてしまうことが原因であることが多いです。
例えば相談内容から関係機関につないだ方が良い場合、相談員から関係機関に連絡して情報提供し、関係機関から家族などに連絡してもらうようにすれば、「たらい回し」と感じるリスクを減らせると思います。関係機関が家族に直接連絡することで、相談者が手厚いサポートを受けているという安心感を持つこともできると思います。
「〇〇というところに直接電話してください」と説明するから、「たらい回し」と言われるのだと思います。
次回も番外編「地域包括支援センターと検索すると…」を、その2としてまとめます。