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#21 地域包括支援センターと検索すると… その2

 前回に引き続き、GoogleやYahooで「地域包括支援センター」と検索すると、自動入力候補として表示される内容について、印象が生まれる背景を個人的にまとめてみました。


【「偉そう」】

 「偉そう」と感じさせる態度は、相談員にとって致命的です。相手にそのような印象を与えた時点で、信頼関係は崩れてしまいます。
 地域での相談業務は、地域住民の方々と同じ目線で対応する必要がありますが、病院や施設などの「事業所内」での経験が長くなると、とかく上下関係が強い職場文化に染まってしまうことがあります。
 地域包括支援センターの相談員はある程度経験がないと勤まらないので、相談員になる前に組織などで中堅のような立場にあり、中には上司として部下を指導しながら業務をしていた方も多くいると思います。前職で「先生」と呼ばれるような仕事をしていた人もいます。自然と「先生」という態度が抜け切れないこともあります。「上司」としての態度も含め上から目線の態度が出てしまい、「偉そう」と思われてしまうと推測します。
 相談者が「偉そう」と感じた場合、直接その相談員に指摘するのは難しいかもしれませんが、事業所へフィードバックや苦情として届け出ることは有効です。それにより、事業所が態度改善に向けた対応を取ることも期待できます。
 ただ、相談者が行動に至ることは稀であり、結果として「偉そう」な相談員が誰からも指摘を受けず、長年勤めていることもあるんだろうなと思ってしまいます。
 個人的にはそのような相談員を見かけたら、「反面教師」として我が振りを見直すようにしています。

【「きつい」現実】

 最後に、Yahooの検索結果に出てくる「きつい」という表現についてです。
 地域包括支援センターで働くことが精神的・肉体的に負担が大きいのは事実です。業務は単一ではなく多岐に渡って常に判断を求められるため、精神的に厳しい状況に置かれることが多いです。さらに、相談件数や予防プランの数が増加し、人員不足による業務過多が進行している現実があります。
 国の方針で地域包括支援センターの役割が拡大しています。毎年毎年、よくもまあ思いつくなーと思うほど、業務が拡大しています。一方で、毎年のように「地域包括支援センターの業務負担軽減」が議論されているようですが、現実的ではない軽減策がほとんどで、結果として相談員の負担は増す一方です。
 ただ、そのような中でも、異動・退職希望が少なく、入れ替わりが少ない事業所もあります。理由は様々ですが、仕事柄「きつい」と感じるのは自然なことで、これを理解し、覚悟を持って働いている相談員が多い事業所が、結果として異動・退職することなく、相談員が比較的長く勤めています。
 また、「きつい」からこそ少しでも様々な機関と連携し、関係機関の手助けを受けながら仕事をすることを共通認識としてきちんと持っている事業所は、異動・退職が少ないように見受けられます。
 そのような意識がある方は、ぜひ「同士」として地域包括支援センターで働いて欲しいです。

【結論】

 「地域包括支援センター」に対するネガティブな印象は、相談員の技量不足やコミュニケーションの問題に加え、相談者の期待値と現実のギャップが原因となっていることが多いです。
 しかし、これらの問題の多くは改善可能なものであり、適切なフィードバックやOJTの強化、そして業務負担の軽減策が求められています。
 結果として相談員一人一人が、地域住民に寄り添い、信頼を築く姿勢を持つことが、地域包括支援センターの評価向上につながると思います。

 次回から、地域包括支援センターにて対応した事例についてまとめます。

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