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#18 どうしたら動機付けができる?

 地域包括支援センター相談員として普段から心がけていることをまとめました。今回は、本人への「動機付け」です。どんなに良いサービスがあっても、本人にやる気が起きなければ意味がありません。とても重要なポイントだと思ってます。


【情報収集】

 「動機付け」を考える際、最初に行うことは本人に関する情報収集です。本人にとって意欲が出ることはどのようなことかを把握します。そのためには、本人の「能力」を適切に把握しなくてはなりません。
 本人のことを分析(アセスメント)する際、どうしても「できないこと」を聞きがちです。ただ、今回は「動機付け」がポイントですので、本人が好きなこと、今までの生活の中での成功体験などを把握することが目的となります。

【ストレングス】

 考え方としては「ストレングス」です。本人が持つ能力を評価することですが、地域包括支援センター相談員としては、できないことを補うことで生活が成り立つことが多々ありますので、マイナス面を確認する場面がどうしても多くなります。「プラス面を評価する」に発想を切り替えるには、日ごろからの意識がかなり重要になります。

【機会】

 プラス面の能力を把握し、それに合致するサービスなどを考え、「機会」として情報提供します。そのような情報をタイミングよく提案することで、本人の「動機付け」を支援することができます。
 「機会」を提案するには、相談員が色々な機会を知らなくてはなりません。あくまで提案できるのは相談員が把握している機会だけだからです。もちろん、場合によってはよく知らない情報を提供せざるを得ない場面もあると思いますが、相談員自身が信頼を持って情報提供できるわけではありませんので、意欲にはつながりにくいです。
 そのためにも、日ごろから地域のネットワークづくりに励み、顔が見える・顔が浮かぶ関係を築き、相談員が信頼を持って提供できる情報を磨いていく必要があります。

【正のフィードバック】

 提案したサービスを利用するなどして、結果として達成できた場合、適切な評価(フィードバック)をすることが大切です。マイナスではなくプラスの評価ができるような具体的な支援をしていくのが、相談員の醍醐味と言えます。
 評価する際は、必ず言葉にします。「褒める」ことを意識します。結果が出るまで待たなくても、途中、ちょっとした変化があった際に「褒める」ことで、本人の「動機付け」が強化されます。
 褒めるのは難しいです。大袈裟になってもいけませんし、タイミングを逃してもいけません。常日頃から「褒める」ことを意識しないと、咄嗟に褒める言葉は出てきません。

【ポジティブシンキング】

 正のフィードバックをするためには、相談員自身の考え方を常日頃からポジティブにしておく必要があります。
 評価する際、上辺だけの評価はほぼ確実に見抜かれると思っていた方が良いです。だからこそ、日ごろの生活の中でポジティブに考えられる評価を探すようにする習慣と、心の底から評価する態度を身に着ける必要があります。
 評価するときは瞬間的に言葉を浮かべることが多いため、普段の生活で負の評価・負の発言が多いと、なかなか正の評価を咄嗟に出すことが難しくなるため、そういう意味でもプライベートから意識する必要があります。
 だからこそ、利用者の「動機付け」には、支援者の「ポジティブシンキング」が重要だと考えています。

 次回は、相談員自身のことを「自己覚知」として考える技術をまとめます。


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