三杯目「居場所」
街の匂い。
海の香り。
森の空気。
風が運んでくるものから、僕らはどれだけの情報を手に入れているのだろう?
視覚や聴覚に由来しない、居場所を辿る手立て。
ここに僕の思う“珈琲”の香りが閉じ込められている。
扉を開くと、古い喫茶店、街のスタンド、華やかなカウンター席……いや、大好きだったおばあちゃんの家。
古いカップが奏でるマーチ。
十五時の鐘が鳴り、鳩が歌い出す。
毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
優しい朝を迎えましょう。
フォローもぜひ。
(四月一)
君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない