二杯目「真っ赤な蛇苺」
子供の頃のはなし。
僕はどこかの公園にいる。
四方に高いビルが聳える都市公園だ。
ピンク色のビニールシートには、母親がいて、みいちゃんがいて、みいちゃんのお母さんと、妹と、従兄弟がいる。
僕らは探検に出る。
小さな身体には、都市公園も巨大な平原のように感じられる。
草に顔を埋め、匍匐前進するみたいに進んでいく。
濃い草の匂い。
小さな虫たちの舞い。
そして、目に映る真っ赤な蛇苺。
セピアの陽だまりの中、その色だけが生々しくて、記憶を夢のように曖昧にする。
毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
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(四月一)
君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない