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留学記2 教員不足が深刻すぎる!

皆さんこんにちは。
トビタテ留学生として、オランダに留学する、あぷりこっとです。
(サムネは、アンバサダー活動の一環として、訪問したイエナプラン校の学生さんと一緒に作った扇子🪭)

今日は、ブログシリーズ「2024夏、世界を知る旅✈︎」第2弾!

第1弾はこちらから↓



感銘を受けた論文の話。

教育学、文化人類学、心理学…… 私はISAKに進学してから、課題のレポートを書く過程で触れた学問たちに魅せられて、論文を頻繁に、読むようになりました

2月だったかな?
軽井沢の図書館で、こんな本に出会いました。

Rによる教育データ分析入門

これは「教育の在り方」を説く学問書ではなく、「教育が実社会にもたらす影響」をデータを元に分析している本です。


教育のネックなところ。

それはデータ化出来ないところです。


プロジェクトを起こし変化を起こした所で目に見える効果を数字で得られるわけじゃないし、唯一数字で結果が得られるのは、模試やテストの点数くらい。
そんな「教育学」という学問を、統計学の教授が数字で分析し、教育の社会へのインパクトを分析しようという新たなコンセプトを生み出した一冊で。

目から鱗。

本当に面白かった……!例えば、主体性教育によって生徒の自主性は本当に育まれるのか、とか。
今まで机上の空論でしかなかった話を、数字という明白な根拠をもとに、教育を、分析できるのかもしれない!
そう思うとワクワクしました。

この本で学んだ知見を活かし、今回のイエナプラン校の視察は、データ収集を軸とし、比較することで日本の教育との相違点を分析しようと考えています。

オランダ留学前に、日本の小中学校、高校、合計17校にアンケートを実施したので、留学時に訪問する予定の学校に同じ内容のsurveyを取り、比較。
レポートを書き、文部科学省にそのデータを提出します。


前回の記事で私が日本の受動的な教育にいかにして疑問感を抱き、留学に至ったかをお話ししましたが、

日本の教育システムが受動的になってしまういちばんの理由は。
教員不足

ここにあると、私は思います。

教員が足りないから、個別に対応できず、一方的な集団授業から逃れられることができない。授業に工夫を凝らす時間がない。

中京テレビによると、約5割の自治体が、教員不足に悩まされているのだそうです。


「個」にフォーカスする教育を目指す場合、当然、教員の数は確実に確保する必要があります。

ですが、部活指導、採点、授業、学級便りの作成、保護者との連絡……
教員の過重労働は未だに解決していません。

この中で、1学期の平均的な1週間の勤務状況を尋ねたところ、持ち帰り残業を含めた実質的な時間外労働の平均は月当たりの換算で、
▽中学校で116時間28分と最も多く、
▽小学校で91時間8分、
▽高校で80時間16分と、
いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を超える状態が続いていることが分かりました。

一日当たりの平均休憩時間は12分余りで、小中学校では「0分」という回答が4割に上りました。

教員の実質的な時間外労働 月80時間超。NHKより

一日あたりの休憩時間が平均12分。

以前、リタイアされた教職員の方をボランティアの形で教育機関に派遣し、教員の業務負担を軽減させるプロジェクトを運営し、教育現場の多忙さは身に沁みるほど感じました。

現在の日本の教員不足は、教員不足→労働量増加→教員の過労働に対するイメージ→教員不足の加速、という悪循環。


オランダはイエナプランだけでなく、オランダ全域で「学生の自主的な学習」を大切にする風潮があるのだそう。進級制度が普及していたり、進路を小学校5年生で決めるため、個人の興味関心を見つける点にフォーカスを置いていたり。

オランダの教育省に伺う予定なので、同様に教員不足が深刻化しているオランダでは、どのような取り組みが行われているのか。
教員が足りない状況で、どのようにして能動教育を実現しているのか。

また、

教員と生徒の比率と、学生の学力の関係性を調査したデータをまとめたこちらの論文を参考にしながら、私も自分が取ったデータを利用し、

日本の教員と生徒の比率に対して、イエナプランはどうなのか。
実際に能動的な教育を目指す際、どのような比率が理想なのか。

調べていきます!



次回は、私がオランダでイエナプランを学びに行った"本当の目的"と、実際に学んだことについて綴りたいと思います。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、皆様の毎日が穏やかな幸せで満ち溢れますように。
ではまた!



出典



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