『時つ風(ときつかぜ)』とは、ほどよい頃に吹く風のこと
Official髭男dismの『choral A』から短歌を詠みました。最近CDを買ったので、車でよく聴いています。
降り続いた雨は止み、濡れた綿毛が乾いて風に飛ばされます。数時間か数日か数年か、雨降りから時間が経っています。
その綿毛がひとひら、てのひらにたどり着いた場面を音楽にしています。
はっきりと、元気出せ立ち上がれとは歌わないのです。
そのかわり、冒頭からズバンと管楽器が入ります。髭男の音楽が、弱った心臓の鼓動を励ますように、いきいきと曲を通して鳴っています。
Official髭男dismの『破顔』から7・7・7・5の都々逸を詠みました。
都会の黄昏れの風景の美しさに圧倒されている歌です。明滅するビルや車の明かりから、無数の人々の人生やその痛みを想像して、髭男は、美しさを壮絶に奏でています。
詠みきれなくて、はじめは都々逸で4つくらいになってしまいました。なんとか1つにしたけれど、やっぱり詠みきれませんでした。
『誰そ彼』という言葉が好きです。辺りが暗くなってきて顔がわからなくて、「あなた誰れ?」という時間帯のこと。
CDの歌詞カードにも漢字で『誰そ彼』と記されています。黄昏れ時の美しい都会の町並み、顔もわからない誰かの人生のことをおもう。黄昏れ時の誰そ彼の歌、そんなかんじでしょうか。
Official髭男dismの『ミックスナッツ』から5・7・5・7・7にナッツを並べました。
アニメ『スパイファミリー』の主題歌として有名なこの曲は、私が行くスーパーでよくかかっていました。
ミックスナッツに紛れ込んでいるピーナッツは、ナッツではないからスパイだね、という発想で作った音楽だと、ボーカルの藤原さんがSONGSで話されていました。
SONGSはNHKの音楽番組です。髭男が出たときに『ミックスナッツ』を演奏していました。
間奏で、管楽器が入る場面の前に、藤原さんは振り返り、体をバンドに向けて煽りました。
そんなことされたら、ラッパたちは興奮してスパーンと気持ちよく決めてしまいます。さすがプロフェッショナル。
録画で何度も観ていました。この曲が楽しくて、CDを買ったのです。いっしょに入っていた曲はもっと大好きな音楽でした。
すっかりOfficial髭男dismのファンになりました。出会いに感謝です。
十六夜杯プレ企画
芸術から一句に参加します。
よろしくおねがいします。