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ぬいぐるみとこもりうた

ぬいぐるみ


長男をお腹に迎えたとき、長女は6才でした。昭和一桁ひとけた時代から、出産を11回もした私の祖母が言ったことをおもいました。

障子しょうじさんがまっすぐに見えてるうちは産まれてこんよ。出産はなあ、棺箱がんばこに片足突っ込んでんだよ。

私の命がここで尽きたら、6才のこの子はどうしたら生きていけるのか。

私は、ぬいぐるみを作ることにしました。長女のそばに居てくれる、話を聞いてくれる、いっしょに眠ってくれるぬいぐるみです。

作ってすぐに長女に渡しました。ぬいぐるみが、出産と死と少しでも遠いところにあるように。

まだ長女が枕元に置いてます


こもりうた


11才になった長男からこんな質問をされて、それがこのnoteを書くきっかけとなりました。

おかあさん、あの歌なんだっけ。
♪そーの、かーわいーい、
んんん、ないておやすみー

Coccoの『ウナイ』です。

正しくは、

そのかわいい胸を抱いておやすみ

私が、若い頃に好きだったアルバム『クムイウタ』の最後の曲『ウナイ』です。子どもたちが小さい頃、子守唄に、よく歌いました。

Coccoは沖縄出身の歌手です。

クムイウタは子守唄

ウナイは姉妹



唐突に、命が消えることがあります。老若男女も貧富も関係ありません。総理大臣をしていた人だって、基礎疾患と無縁で元気な女の子だって。


子どもたちに、ぬいぐるみや子守唄を渡せてよかったなとおもっています。特に歌は、なくしたりとられたりしません。どこにでも持っていけます。

CDの場所を伝えました


差し伸べた手は空回り

Cocco『ウナイ』

4才の次女は、車から抱っこして降ろそうとしたときに、私の胸を小さな手のひらでしっかりと押しました。

「じぶんで!」

自分で、チャイルドシートから出て、車を降りたのでした。

そうね。

もう、大きいものね。

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