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青い空とピンクのユニフォーム🌸セレおじ版【Vol.18】

【「応援しよう」の気持ちを表す】

毎年9月は「敬老の日」を前に、Beサポーターズ!(以下、Beサポ!)の取り組みで「エール企画」というのがあります。
これは、「お年寄りから若いサッカー選手へエールを送る」という趣旨で、書いたメッセージは横断幕にしていただき、敬老の日前後でスタジアムに掲出されるというものです。

2022年からBeサポ!に参加した当社も積極的に……と思いきや、現場で“壁”にぶつかりました。

  • 認知症の方はこちらからの指示が頭に入りにくい

  • メッセージを書けない(既に字が書けない)

  • そもそもセレッソに興味がない

  • エールが浮かばない

なので、2022年、2023年とあまりエールが集まらなかったというイメージしかありません。
2024年シーズンのエール企画を前に、「色んな人が参加できる方法」を考えてみました。

「指示が入りにくい」→複雑な内容を伝えるのは無理なので、単純明快なものにしていく
「メッセージが書けない/浮かばない」→文章を書かずして、気持ちを伝える方法があれば良い
「セレッソに興味がない」→興味を持ってもらうようにする(まぁ、一朝一夕にはいかない。難しい)

そこで、思いついたのが「足型」でした。
サッカーは足でするスポーツです。なので、足型は違和感がない…

と思ったのですが、いくつかリスクがあります。

  • 足は白癬(いわゆる水虫)の方や爪のトラブルなどもあり、形を取る際の絵の具がどんな影響を与えるかが分からない

  • 足型を取るとなると、スタッフも煩雑な作業がワンクッション入る。

  • 「足」はイタリア語に訳すとアレなので、セレッソ応援施設的にNG。

そこで、「手形」を思い浮かびました。ピンク色の絵の具で手形を取れたら、桜の木ができるのではないかと考えました。これなら、エールを書かなくても、思い浮かばなくても参加できます。
なによりも「エール企画」は参加することに意義があると考えました。

8月下旬から、2つのデイサービスからスタートしました。デイサービスの場合、「曜日でのご利用」になるので、一週間継続して行う必要があります。

セレッソ側からは選手の写真を印刷した大きなポスターと桜のシールが送られてきました。エール企画のきっかけともなる選手の人気投票のキットです。

そのポスターの前に誘導するも、皆さん、「サッカー? 知らない。セレッソ? 知らない」という状態でしたが、セレッソのYou Tube動画などをスクリーンでお見せしながら、セレッソに対する理解を広めていただきました。

特にキーとなったのが八尾出身・西尾隆矢選手。「八尾出身の選手がいるんですよ」というと、ご利用者様こぞって西尾選手にシールを貼りまくっています。

それからエール企画。メッセージを書きたいという方はメッセージを。手形が良いという方は手形を押していただきました。

ここで常に「Beサポ!」で応援会をしている太田・小規模と他施設の“差”が出てきたことが分かります。
応援会をしている太田・小規模のご利用者様は「メッセージ」を書かれる方の率が高く、また枚数(参加者)も多い傾向にありました。
常日頃、「サッカー」「セレッソ」に触れる機会が多く、応援するチームや選手に思いを伝えたいという欲求があることが伺えます。

ただし、これを「当たり前」と捉えるのは早計です。
年齢を重ねれば重ねるほど、外との接触を避けたり、周囲の出来事に興味を寄せなくなる傾向にあります。
「誰かに思いを伝えたい」という欲求は、サッカーやセレッソに対して「感情」があるということです。いつも選手のプレーを見ていて、叱咤激励したいという思いです。

この「感情」というものが大切。

「ワクワクしたい」は、「感情」です。感情、感動、興奮といった心のゆらぎ、エモーショナルなものは非常に重要です。

太田、小規模のご利用者様はサッカーを通じて、心のエモーションを呼び覚まされたに違いありません。


今回、当社では115名のご利用者様から「思い」をいただきました。ただし、大切なのは数よりも「思いを伝えたい」という気持ちです。

メッセージが書けないけれど、思いは伝えたい。だから手形で参加した。

そういう小さなきっかけが、サッカーやセレッソを通じて、感動や興奮を呼び覚ますかもしれません。

今回参加しましたエール企画の横断幕。セレッソ大阪のホームゲームで掲出されるとのこと。
2024年9月28日の柏レイソル戦でスタジアム周辺に登場するとのことですので、手形をご覧いただいたら、「セレッソに伝えたい思い」を感じていただけたらと思います。

 100歳のご利用者様、シンプルながらも含蓄のあるメッセージと手形をいただきました。