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理想を抱き、幻想を描き、そして現実を生きるということ / メタファー:リファンタジオ

8年。

中学生が就活を考える年齢になり、新卒社員はプロジェクトを任されるほどのそこそこのベテランになり、喃語しか喋れなかった赤子が論理をもとに喋りだすほどの時間だ。私もこの8年でいろいろと環境が変わった。数字以上に長い時間の経過がそこにはある。

そしてそれはまた、アトラスによる完全新作RPGが発売されるまでの時間でもあった。発表が2016年・・・・・・それから、まともな初報だけでも7年と、とにかく情報が公開されるまで時間がかかった、ウルトラ難産なゲームだったことは間違いない。

これしか発表されずに7年経過

ずっと待っていた。上記画像が生放送で発表されてからずっと、この2024年10月11日を誰よりも待ち望んでいた。「そういえばそんなもんありましたね」なんて、友人とリファンタジー(当時はそういうタイトルだった)についての話をしつつ、気がつけば8年が経過していたのだからビビる。

ということで今回は、そんな待ち続けたアトラスオタクがトロコンまで全力で楽しんだ過程の感想や、クリア後改めて俯瞰して思ったことを書き綴っていく。あまりにも情熱が昂ぶりすぎてこれまでのどの記事よりも長くなってしまったが(総文字数約3万)、愛ゆえということで容赦して欲しい。

ちなみに発売6日ほどでトロコンした時点での感想なため、今後もしかしたらアプデで変更になる部分もあるかもしれない。本記事における内容は、あくまで初期バージョンのウォークスルーにおける感想だということを留意して欲しい。


良いところ

タイトルロゴにも意味があって良い

アクションとコマンドバトルの絶妙な融合

両者良いとこ取りシステム

本作のバトルは、フィールドで敵を殴ったりするアクションパートと、そこから移行するコマンドパートの2つが組み合わさっている。どちらも過去ペルソナ作品で見たことのある流れなのだが、従来のものよりも結構アクション部分に重きが置かれていて新鮮だ。

これまでのようにただ殴って先制を取るだけではなく、敵の行動も一般的なアクションゲームのような挙動をしてくるのでそれを回避したり、アーキタイプごとに異なる攻撃で翻弄したりと、アクション面の強化が著しく感じた。そして、格下の相手は戦うまでもなく、アクションパートだけで終えられるのもストレスフリーの設計で好印象。

ただ、私はこのシステムが導入されたのが結構意外に思えた。というのも、本作のディレクションを担当した橋野氏(橋野桂。『真・女神転生III-NOCTURNE』以降のアトラスの主力作品全てのディレクション及びゲームデザインを担当した超絶ウルトラ有能な人)の好みからすると、これらは管轄外だろうと思ったからだ。しかし、メタファーが生まれた流れから考えると割と不思議でもないのかもしれない。

王は逃げない

橋野氏は非常にアクションゲームが苦手だそうで、それはやるにしても作るにしても、という思いがあったらしい。だから過去ペルソナ作品でもアクションパートはあくまで戦いに移行する後付的な立ち位置で消化されていたし、決してそちらがメインになることは無かった。そして言っちゃなんだがアクション部分は微妙だった。

だがメタファーというゲームの発端は「これまでにあった当たり前のファンタジーを再解釈する」というところからスタートした以上、苦手とかではなく、必要なものをもう一度集結させることが大切だと感じたのだろう。それ故、これまでペルソナシリーズでなじみのあった戦闘移行ではなく、アクション面の強化という判断に至ったのかも。

実際、この判断は正しかったと思う。アーキタイプごとにモーションが変わるというのはそれだけで楽しく、ペルソナシリーズの「単調通り越して無味」だったバトルへの導線が緊張感のあるものに変化した。

もちろん、AAAクラスの骨太アクションゲームに比べれば少し物足りないというのもあるが、メタファーはアクションだけのゲームではない。あくまでメインとなるコマンドバトルと、それを補佐する立場としてのファンタジックなデザインとして彩られたアクションパートは、私は非常に楽しめた。ちなみにお気に入りはフェイカーの投げナイフ。

アーキタイプによる余剰ある戦略性

ペルソナよりも好き

アーキタイプ、およびジンテーゼというシステムは本当にエウレカだと思う。最初こそ「ペルソナやんけ!」と思ったが、実際は似て非なるもので、こちらはかなりパーティーとしての戦略性が高い仕組みになっている。単に全員がワイルドになったというわけではない奥深さ、柔軟性を感じた。

本作におけるキャラごとの差異というのはロイヤルぐらいで、他のアーキタイプはすべて履修が可能だ。明らかにキャスター系の人選でサムライ*4というのもできる。やる必要があるかどうかというのは別として。

アーキタイプシステムが面白いと感じたのは、それ単体の性能は微妙でも、ジンテーゼや役割を主軸として構築するといくらでも考えようがあるという部分・・・・・・というより、1つの見方では強弱が判断できないと分かった時だ。「何に使うんだよコレ」が「お前を編成しなくちゃ始まらない」に変わった瞬間、楽しさが分かった。

たとえば、ヒュルケンベルグの初期アーキタイプであるナイトはレベル20になるまで攻撃手段を1つも持たず、挑発しかできない。これだけならお荷物もいいところなのだが、代わりにナイトはジンテーゼがシンプルに強力だ。

また、同じような立場としてあるフェイカーは単体としての攻撃性能自体は低いものの、豊富なデバフ技と強力なフィールドアタックを持っている上、ジンテーゼ発動のリソースとして高い汎用性を持っている。他を輝かせることに特化したアーキタイプだろう。

道化はジンテーゼの布石として便利

ペルソナや悪魔というのは数こそ多いものの、その大半が見向きもされないような木っ端だった。そして早い時期で引退させられ、有用なアビリティのみが連綿と受け継がれていく・・・・・・仕方ないが、使い捨ての様相が強い。そして、割と個人で完結している。

しかし、アーキタイプは使わない元型などなく(さすがに上位解放後に下位のものは使わないけど)、それぞれに存在感と意味があった。「主軸となるこのアーキタイプを使うのだったらコレが必要」や「こいつに必要なパッシブをこいつが持ってるから継承したい」など、いくらでも考えられる面白さが存在した。

本作の物語における基本的な主題として「人はひとりでは限界がある」というものがある。これはたとえば、王になったからといってすべてを変えられるわけではないとか、組織運営もワンマンでこなせるわけじゃないとか、いろいろな見方があるだろう。

この論旨はアーキタイプも同様で、ひとつの英雄像だけで完結するということはまず無い。誰かと支え合い、協力することで可能性は何倍も膨れ上がる。プリンスの効果が「ジンテーゼの発動用件を撤廃する」ということなのが露骨で、これは万能性の肯定ではなく、多様性の重用をシステムにも適応したのが巧みだと感じた。

また、私は最初こそ「アーキタイプが戦闘中で付け替えられたらいいのにな」と思ったが、そうするといよいよペルソナになりかねない上、キャラごとの存在感に意味がなくなる。そこで登場するのが入れ替えだ。キャラの入れ替えのコストが極端に低い理由は、これを前提として組まれているからだろう(ペルソナ付け替えに当たる)。

アトラスが描く”王道の”ストーリー

ヴィランのほうが説得力あるやつ

まだメタファーが「リファンタジー」という名前だった頃の話だ。その発表に際し、いろんなゲームクリエイターが集まる生放送でヨコオタロウ氏が言ったことが記憶に新しい。

「何やってるんですか!」

誤解が無いように補足しておくと、ヨコオ氏は「アトラスさんがニッチなところで活躍しているおかげで、他社の作品と食い合わないバランスで今成り立っているのに、そんな人たちが王道なんてやったら僕達の仕事がなくなるじゃないですか」という旨の冗談で場を沸かせていたのだが、私はこれにマイナスな共感をしてしまった。

「アトラスが王道をやるというのは、持ち味を殺してしまわないか?」という考えが浮かんだのだ。

私含め、多くの人に愛された「アトラスらしさ」というのは、他のゲームにないような、世情をファンタジーに落とし込む、現代劇でありながら異世界につながる・・・・・・そんな薄皮一枚、紙一重の世界観にあると思う。少なくとも、他のゲームは毎度お決まりのように東京は崩壊しないし、南極に謎の異空間が生まれたりはしない。

アトラスよ、これ以上何を望むのだ

ペルソナシリーズも、高校生の日常生活という現実の中で、「24時間に隠された1時間」「テレビと繋がる異空間」「アプリで見つかる虚構の世界」など、非現実に乗り込みモンスターと戦い、リアルに通用するような本質的な疑問などを提言したからこそ、多くの人の心に残る作品足り得た。

『女神異聞録ペルソナ』では「自分と向き合うということ」を少年たちが考え、成長する姿を描き、『ペルソナ2 罪』(および罰)では「人の言葉に翻弄される弱さとその結果」を残酷に提示し、『ペルソナ3』では「生きる意味、命の理由」を儚くも確かに表現し、『ペルソナ4』では「心地よい嘘と辛い現実」に立ち向かう強さを解釈し、『ペルソナ5』では「建前の正義ではどうしようもない悪との戦い」を壮大なボリュームで伝えた。

そんな普通のRPGでやることじゃない、捻くれたと言ってもいいストーリーテリングこそがアトラスの良さであると思うし、私が好きな理由だ。「異端」「ニッチ」様々な言い方はあるが、やはり「王道」とは程遠い。

そんなわけで、王道ハイファンタジーをやるというアトラスの選択、特に橋野氏の決断に対し、私個人としては期待と不安が拮抗してはいなかった。面白いゲームにはなるだろうが、無味無臭なストーリーになるんじゃないか・・・・・・そんな思いがあったのは間違いない。

未だに泣けるシーン

結果としては、そんなの杞憂だった。

確かに王道ではある。しかし随所に描かれるエグさ、『真・女神転生』からずっと描かれ続けてきた人間讃歌は根底にあるし、アトラスが別にやらなくてもいい、どこにでもあるような平凡なRPGにはなっていなかった。まさに「アトラスらしい王道」が表現されていたのだ。

橋野氏は「ファンタジーはなぜこうも人の心を惹き付けてやまないのか」ということを発端にプロジェクトを始め、そして何度も何度も試行錯誤を重ね、ブラッシュアップを続けていったらしい。氏いわく、まずそういったものに興味を持ったことがないのだとか(だからこそ面白いものが出来るんじゃないかとも思ったそうな)。

確かに、私達は生きるうえで、物語などの「幻想」を必ずしも要とはしない。生物の根源、生命の螺旋において、ありもしない空想は価値を持たないのだ。だからこそ犬は政治に興味はないし、クジラは神の存在を認知しない。しかし、人間はそれらを欲する。それはなぜか?

そこから始まった幻想への再解釈・・・・・・虚構の世界を妄想するという、その暗喩を感じられる骨太の物語は決して既製品なんかではなかった。レディメイドのファンタジーをただ自分たちがやるのではなく、再解釈する。当たり前を見直して生まれたリファンタジオは、明確にアトラスらしさを感じるものだったと声を大にして言えるだろう。

相変わらずBGMが良すぎる

念仏ラップすき

ゲームBGM大好き民なので数々のサントラを所持しているが、中でもペルソナシリーズのものは未だたびたび聴くほどのお気に入りだ。シンプルに聴き心地が良く(アバチュぐらいの頃の目黒氏のサウンドが一番好きだけど)、アトラスのBGMに外れなし。

そんなわけで今回も期待していたのだが・・・・・・正直、最初は違和感しか無かった。思わず「合ってねえ!」と感じたのは通常戦闘曲の『猛き者たちよ』だ。曲だけが浮いてないか? と思ってしまい、なんかシュールな雰囲気すらあった。

ペルソナ4の『Reach Out To The Truth』やペルソナ5の『Last Surprise』は初見でビビッと来たのに比べると、メタファーは「変な曲だなあ」ぐらいの印象しか無く、ちょっと残念に感じていた。ニンゲン戦の時にかかる『其の名はニンゲン』も『Blooming Villain』みたいな燃える感じがしないなあと感じていた。

しかし慣れというのは面白いもので、プレイして1時間もすると気に入ってしまい、最初の違和感なんてどこかに吹き飛んでしまった。思えばペルソナ3の『Mass Destruction』も当初は衝撃が強すぎたけれど、いつの間にかアレ以外じゃ考えられないぐらい心酔していた。そんなものか。

今回の通常戦闘曲の何が面白いって、本物の坊さんの読経(エスペラント語ベースの架空言語)をボーカルにしているというちょっと尋常じゃない発想だ。しかもそれがまったく違和感なく馴染んで壮大さとかっこよさを演出しているのだから怖い。どういう感性してたらこんな曲ができるのか、これが分からない。

リアル回転説法

拠点の曲もどれもが素晴らしく、特に『王都グラン・トラド -夜-』『海洋都市ブライハーヴェン』『山岳都市アルタベリー』は無限に聴いていられる。また同様に、死ぬほど聴くことになる鎧戦車のBGM『旅の脚』も『ハウルの動く城』みたいなガチャガチャ感が愉快だ。

さて、この鎧戦車のBGMは後半で『自由の翼』というものに変わるのだが、私は最初コレが好きになれなかった。というのも、あまりにも切なすぎると感じたのだ。本当に終わってしまうような(まあ実際最終盤ではあるんだけど)メロディが悲しくて嫌だった。

だが、恐王星で主人公とニューラスを守るために全員がニンゲンに立ち向かうシーンでこれが流れた時、一転して好きになった。このためにあったんだなと。だから『自由の翼』なんだなと。

ちなみに私が一番好きなBGMは『対立候補』だ。イントロからまずかっこいい。コレ聴いて思い出すのはゴダード。普通に負けました。

非常に完成度の高いUI

やっぱこれだね

アトラス作品・・・・・・ことペルソナシリーズ(特に3以降)から、特有の持ち味として語られ続けているのがその極まったUIだ。ペルソナ5なんかはスピンオフも含め、かっこよさ、スタイリッシュさがしっかりと使用感にマッチするような出来になっており、ゲーム界隈のみならず歴史に残るデザインとして名を馳せた。

もうアレが極みなんじゃないだろうか、これ以上のUIなんて作れるのだろうかと、当時ペルソナ5をプレイしているときには思ったものだが、メタファーは確かに勝るとも劣らない結果を突きつけてきたのだから驚く。

最初こそ派手すぎて見づらいかも、と思ったが、やればやるほど直感的に操作できる構造になっており、ストレスを感じたのは最初の数分だけだった。最早おなじみになった、ボタン全てが意味を持つバトルUIは快適以外の何物でもない。

UIとは本来主張を強くせずシンプルにすることがセオリーである中で、ペルソナ3から大幅に変わったシリーズUIは「とにかくメインカラーとテーマに沿うこと」を意識したそうだ。これまでに青、黄、赤、ショッキングピンクとなっていく中で、本作はと言えば・・・・・・イマイチそれが分からない。

あえて言うなら無い・・・・・・開発場所に合わせて「ゼロ」なのだろうか。特にこれといったテーマカラーは持たず、新たなシリーズの始まりとして無色(なんの色も持たない)をベースにしたのかなと考える。

私が常々スゴいなと思うのはプレイヤーの無意識への後押しや支援誘導なのだが、今回でいうと有効な戦略が暗に示されているのがそれに当たる。バトルの選択肢のうち、スキルやジンテーゼは大きく、そしてパスやアイテムは小さく表示されているのだ。

もちろん、場合によっては後者を選択することがあると思うし(重要でないという意味ではない)必ずしも常に殴ることが正しいわけじゃない。だが、とりあえず選ぶべき択としてはそれらが丸い・・・・・・これもまた視線誘導や無意識化への語りかけなのかなと思った。

ペルソナ5はこれらのメリハリが無く、すべてのコマンドが同じ大きさ、主張の強さになっていた(それがダメということではない)。メタファーは新しいゲームだからこそ(これまでとは少し異なるものだからこそ)新機能に抵抗なく触れてもらう・・・・・・そのための後押しとしてのUIもあったのかなと。

悪いところ

ペルソナやないかい!

全体的に目新しさは無い

ほぼほぼ再利用

おそらく、メタファーに対してほとんどのプレイヤーの思うことがこれじゃないかなと思う。確かにガワや細かいところは違えど、やってることはほぼペルソナだ。トレーラーや発売前告知で話題になった時に散々言われていたが、まあここは否定できない。あらゆるすべてに既視感がある。

残念ながら本作は、今までにない何か、これまでにない体験を与えてくれる新機軸のゲームでは無い。今年最高のゲームだったし、大好きになったが、中身はほぼすべてが「どこかで見た何か」だったからだ。GOTYが無いなと思うのもそれ由来。だってペルソナだし。

ただ、私はこれを批判点として挙げたものの、同時に「まあそれはそれでいいんじゃない?」とも思っている。既視感のあるゲームとして考えるとマイナスだが(あくまで評価上では)、結果としてメタファーは非常に面白かった。ならいいんじゃないかなと思うのだ。

個人的に言わせてもらえば、エンターテインメントというのは「面白ければ何でもいい」と思っている。それはたとえば、『ダークソウル』から派生して生まれたソウルライクと呼ばれる作品群も、やってることはただソウルシリーズを表面上だけパクったようなものだが、まあ面白いならいいんじゃないのかなと考えている。

それはメトロイドヴァニアやローグライク、あるいはWiz系もそうだろう。パクリというとなんだか響きが良くないが、本家へのリスペクトがあってそれ自体が面白いなら別に文句は言われないと思うのだ。『Grim Dawn』もあの時代のBlizzardが好きだったんだなと思える、愛のある作品だし(私はめっちゃ好きですアレ)。

というわけで、メタファーはあらゆるすべてが過去作の焼き増しではあるけれど、しかしそれはそれとして面白いから「ペルソナのマイナーチェンジじゃん」と批判することもまた難しいよねと思う。まあ、こうやってこじつけでもしないとこのゲームの悪いところが見当たらないんで・・・・・・。

良くも悪くもアトラスらしい難易度

こいつクソゲーすぎてキレそうだった

ここも批判点としては微妙なラインだ。というのも、私は初代メガテンから続くクソ難易度に調教されてしまったので、ある程度の理不尽は「まあしょうがないな」で済んでしまう。便器のバックアタックも、ドッペルゲンガーの反射も、モトのメギドラオンも、そりゃキレそうにはなるが「まあそういうもんだよな」とすぐ納得してしまうのだ。

普通こういう無慈悲な殺され方をされるとやる気が無くなると言うか、台パンしてもしょうがないと思うのだが、なぜかメガテン系列のゲームだとそれも「しょうがない」で済んでしまう。これが慣れである。恐ろしいね。

そんなわけで、メタファーもたびたびクソゲーみたいな敵が出てくるものの「ああ、いつものですね」ぐらいのノリで受け入れていた。そして今回そこまで精神的ダメージを受けなかった理由が、リトライがかなり温情であるという点が大きい。

橋野氏はレトロなメガテンシリーズに触れる時、必ずと言ってもいいほど「新規が入ってくるには難しい、ゲーム的に不親切」と語る。それは決して過去作を非難してるわけじゃなく、1ゲームクリエイターとして感じることなのだろう。まあ実際ゲーム的には終わってる作品が多い。女神異聞録とかもうプレイそのものが拷問に近いし。

結果、ペルソナ3以降はそういう排他的な部分を撤廃して、ゲームとしての遊びやすさを追求していった。そしてそれが多くのユーザー獲得に至ったのだからその判断は正しかったのだろう。メタファーもそれの例に漏れず、遊びやすさの極みと言ってもいいデザインをしていた。オートセーブってやっぱ神だわ。

なんだか悪い点を挙げたと言うより擁護になってしまったが、まあ、でもそれにしたってプレス増加からのクリティカル連打はクソだと思います。現場からは以上です。

アクションはやや動きの固い部分も

回避させてください

攻撃アクションがアーキタイプごとで変わるのは面白いなと感じたが、一部ややストレスを感じる部分があった。というのも、攻撃がキャンセルできない特有の固さだ。シーフの3段目、ヒーラーの3段目とかで特に思う。

隙が多い攻撃なのだから見極めて使う、という方針自体は分かるし、そのとおりだと思うのだが、硬直があまりにも長すぎるとも感じた。もうちょっと後隙が短くても良かったんじゃないかなと。

基本的にこちらの攻撃に対して敵は怯んでくれるのだが、たまに強力なスーパーアーマーでの差し込みがあり、このタイミングで3段目を出してしまうと不可避だ。というわけで大きい敵にはチマチマ2段止めをしたりしていた。

攻撃の最中でもキャンセルして回避に移行できたらいいのかなとは思った。あるいはペルソナみたいにアーキタイプの付け替えがもっと柔軟ならば、攻撃はフェイカーやガンナーで、バトルに入ったら他に・・・・・・とかもできたのかなと(アーキタイプ変更の不自由さについては前述)。

シンプルにストレスのたまる悪天候

ここの塔、一生天候悪いんだが?

これは一体なんのためにあったんだろうか・・・・・・。「経験値がより多くもらえる」というのがトレードオフとしての報酬なのだが、それにしたってデメリットが大きすぎる。プレスの増加が無くなるというのはこのゲームにおいて非常に厳しい縛りだ。

場所によっては一生悪天候のところもあるし、悪天候のせいで闘技場は休みになるし、邪魔なシステムだなあという気持ちだった。天気によっていろいろ変わるというのは過去作でもたびたびあり、例えば「タルタロスやメメントスの異変」や「愛家のスペシャル肉丼」、それこそメガテンでは月齢によって悪魔に影響が出る。

いずれにせよ過去作における天気はメリットの方が大きい、たまにしか来ないボーナスタイムのような扱いだったのだが、ことメタファーにおいてはシンプルに邪魔な要素というだけだった。もしかしたら悪天候による大きなアクティビティがあったのかもしれないが、私は確認できなかった。

弱点なしの敵に対してクリティカルでプレスを稼ぐ、ということすら否定されてしまうともうどうしようもない。天気予報士の存在もほぼ形骸化してたし、もう少しどうにかなった部分だったのではと思ってしまう。

時限トロフィーの存在

初周コミュMAXはできたけれども

そもそも2周しないとトロコンできない仕様な以上、そりゃそうだろと言われればそうなのだが、やはり取り逃し要素というのは好ましくない。ペルソナじゃこれもおなじみになったものの、好きか嫌いかで言えば私は嫌いだ。「後悔しない1年を送れ」と、イゴールさんから言われてもなお私は納得できない。

後述するが、本作はかなり時限トロフィーが多い。まあセオリーとして1周目は好きにやって2周目で回収すればいいのだが、そもそも周回する人が果たしてどれだけいるのかという疑問。せめて本ぐらいは後からでもええやん。

その他感想

シーフかっこいいよね

世界を巡る旅が楽しい

ここほんと綺麗だった

本作は、主人公が王になってから過去の旅(ゲームプレイ全体)を振り返るという形になっている。つまり道中の語りは紀行録であり、それは王がまだ王になる前の、世界を見て回った頃の旅の記録だ。まずこの時点で良い。旅は良いものだ。

ペルソナシリーズはだいたいがエンディングで号泣してしまうのだが、その理由はやはり感情移入にある。1年間の旅(それは学園生活という狭い世界の話でも同様に)を演出するカレンダーと、1日も無駄にしないという意識が、最後の最後で思い出の濁流となり心を揺さぶってくるのだ。

特に効いたのはペルソナ無双こと『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』で、この旅の終わり、東京に戻るときは誰よりも私自身が帰りたくなくて泣いてしまった。別にこれが今生の別れじゃないにせよ、ゲーム的には終わってしまう・・・・・・そう思うとあまりに寂しくて涙が抑えられなかった。

メタファーも例に漏れず、仲間たちと過ごした4ヶ月は短そうで実はそんなこともなく、濃密な行程だった。鎧戦車に乗り、一緒に料理をして、時には悩みを聞いて、あれこれを一緒におもいふけり、野営中に遅くまで話したり、各地の絶景を見て回ったり・・・・・・忘れられない旅をした。

旅をすることによっていろいろと思い入れが強まり、最後に泣いてしまう作品といえばやはり『ファイナルファンタジーXV』だろう。アレも最初はいろいろとツッコミどころのあるゲームだが、寄り道してあの4人で過ごす時間が長くなると、旅の終わりは涙なしでは締めくくれない。

さらに、メタファーは背景美術も凄まじく、世界の余剰を感じられるロケーションやアートがそういった没入感を後押ししていた。各地の絶景は「ここで何があったんだろう」と思わず考え込んでしまうような異質さと美しさを持っているし、旅で訪れる各エリアはただのダンジョンだと片付けるには雑な、様々な体験をもたらしてくれる。

私は間違いなく、あのメンバーたちの中で一緒に冒険をしていた。数々のスクショを見返すだけで思わず泣きそうになる。本当に楽しかった。

役に立ったり立たなかったりする風聞屋

ここもっと言うことあっただろ

私はRPG特有の、足で情報を稼ぐという行為が好きだ。たとえば『ドラゴンクエスト』ではロトの鎧がとある町の木の根元にあると町人から聞けるとか、そういうゲーム内の誰かに話して答えや、あるいはヒントを得て類推するという過程が好きだ。

しかし、これはやり方によって問題点にもなり、膨大な作業量を要されると途端に嫌になる。たとえば「100人話しかけられるNPCが存在し、99人はしょうもないことを話すだけ」だと辛い。そういうのは好きじゃない。面倒くさいので。

人に話を聞くという行為は好きなのだが、その方法が面倒だとやりたくない・・・・・・というワガママな自分にとって、今回の風聞屋というシステムはとても良かった。彼に聞けばいい、という簡易さがある。「誰か」を探す必要はない。

風聞屋の面白いところは「必ずしも完全に役に立つ情報ではない」ということにある。そりゃまあある程度は便利な内容を語ってくれるし、情報を得て後悔することはないものの、実際そのダンジョンや敵に挑んでみると「もっと何か他に言うことあっただろ」と思ってやまない細かいところに直面する場合がある。

ただ、これもまた「風聞」ということなのだろう。別に現地に行って試したわけじゃなく「まことしやかに囁かれるあれこれ」に価値をつけて売っているだけ・・・・・・なんとも割の良い商売だと思う。

この風聞屋というシステムは、ただ主人公たちの冒険をサポートするだけの舞台装置ではなく、これもまた旅を演出する一環だと感じた。酒場の噂話はいろいろなものが集まる・・・・・・しかし、必ずしもそれらが真で、正しいものじゃないこともあるというような、リアルさが感じられて面白い。

コミュシステムの簡易化は英断

ボンドシステムって言うそうです

過去作にあったコミュシステムが私は大好きで、ペルソナの良さの半分は間違いなくこれだろうと断言できるぐらいだ。コミュが無いならペルソナじゃないとまで言える(別称としてコープや、本作ではボンドと言うが今回はコミュで統一する)。

しかしまた、コミュシステムにはいろいろと不満点も存在した。私はランクアップまでに必要なポイント稼ぎ(最適な選択肢、対応ペルソナの所持、ただ会うだけの日)や、今の進行度の一括確認(今日は誰と過ごせるのかなど)ができないのが結構不満で、特に前者が面倒だなと感じていた。

だが一転して本作のコミュは、まさしくそういう不満点が全て解消されていて驚いた。コミュが発生さえすれば必ずランクが上がる、選択肢は特に意味がない(コミュランク上昇においては)・・・・・・なかなか思い切った刷新だと思う。

ただこれはやはり全体の日数の問題があるのだろう。今回はペルソナシリーズに比べ、自由行動の時間も全体の工程も非常に短い。その中でポイントに応じてランクアップするというのは難しかった。だからこうなったんじゃないかなと。

結果的に、今回の方針は間違いじゃなかったと思う。少なくとも私はとても気に入ったし、故に初見でコミュMAXもそう難しいことじゃなかった。ペルソナシリーズにおいて、初周コミュMAXというのはなかなか難しいことなので、それが普通にできてしまうというのは明確な易化を感じる。いやこれでいいんだけども。

また、コミュの内容に恋愛関係がないのも新鮮で面白かった。しかし、無いのは当然と言えるし、むしろあったら困ると感じた。主人公は今後、王になる存在であるわけだし、そんな人間が複数の女性と関係を持っていたなど禍根にしかならないだろう。

私はこれまでのコミュで、得られる女性はすべて手籠めにしてきたが、本作では仮に恋愛関係になれるとしても断ったと思う。なぜなら王に隙をつくってはならないからだ。・・・・・・と思ったけど、やっぱユーファとはお付き合いしたいかも。

見聞録とかいう神システム

だいたいこれ見ればいい

悲しいことにプレイヤー(私含め)の理解力というのは意外に低く、クリア後感想でトンチンカンな解釈をしていたり、説明されていたはずのことを「伏線回収していない!」と騒ぐ人間は割と多い。しかしこれはどちらが悪いという話ではなく、いろいろと複合した結果起きてしまう、仕方のないことなのかなと。

たとえばゲーム内のイベントやムービーでキャラが説明口調ですべてを語るというのはあまりお上品でなく、私は好きじゃない。なんだかとても画面外の誰かを意識しているなと感じてしまうからだ。途端に、その世界で生きているキャラではなく、制作者によって操られた人形に見えてしまうのが問題だ。

かと言ってふんわりした発言だけというのも理解の側面からすると厳しい。本人の理解度とかの問題じゃなく、そもそも情報がなさすぎて類推もクソもない事態になってしまう(過去のメガテンで割とある現象)。

そうなってくるとやはり、考察や設定などはゲーム内の読み物に記録するという形が一番丸いのだろうなと思う。神の目で描かれた書物的な扱いになっている第三者的外聞録・・・・・・本作で言うジャーナルが当てはまる。こういう形の読み物は大好きなのでかなり好感触だった。

読み物が面白いゲームは貴重

さて、私もストーリーを進めるうえでよく分からなかった部分というのはあるし、勘違いしたままのことなどもあった。しかし、特にそれらを気にすることもなくプレイしていた。ここで思うのだが、すべてが明らかになる(する)必要性などあるのだろうか? メタファーに限らず、これを思う。

色々なゲームや映画などの感想を眺める中で、良く出てくるのは「◯◯が説明不足」というような、描写についてだ。もちろん、中には本当に描写不足で「こいつなんだったの?」と思ってしまうようなものもある。しかし「あえて語らない」という美徳を忘れて踏み込んでる人がいるのもまた事実だ。

前述した「すべてを詳らかにする説明口調が嫌」なのと同様に、私は世界の構造を全部明かされるのもまた抵抗がある。たとえば、公式で「最後に主人公は死んだんですよ」とか提示されるとクッソ萎えるし、あるいは「あの◯◯に意図はないです」というような答えを示されても嫌だ。

要は、各人の解釈の余地がほしいのだ。解を出さないで欲しい。

「分からないことを分からないままにする」ということの美しさもあるのではないだろうかと私は思えてならない。リアルでも未だ不明なままのことがあるのだから、空想上の世界にそういうものがあってもなんら不思議ではないだろう。

メタファーは主要なことはすべて説明されているし、そこで説明されていないことというのはつまり、説明する必要のないことだったり「各々の解釈で楽しんで欲しい」という遊び心なのではないだろうか。善か悪か、0か1か、のような二元論の解釈ではファンタジーは楽しめない。「俺はこう思うよ」を持ってこそなのではないかと思う。

「自分はこう思う」でいいんじゃないの

理解度の話といえば「スキーマ」というものがある。

まず、次のワンシーンがなんなのかを想像して欲しい。老若男女が一同に介している。彼らは一様に黒い服に身を包み、それぞれが悲痛な表情をしている。ほとんどに暗い表情がある中で、泣いている者もちらほらいる。

これがたとえナレーションやテロップが無くとも、ほとんどの人は「葬式なのだろう」と想像できるはずだ。しかしこれは不思議なもので、誰も何も言っていないのに、場面に名前をつけられる(抽象的なものを理解できる)というのは非常に人間らしい特性と言える。

こういった、自分の中にある概念と照らし合わせ、状況を理解する能力をスキーマと呼ぶ。モノトーンになって音声がノイズがかかったら「過去回想なんだな」みたいに、画面の効果から理解するのも同様だ。別の言い方をすれば演出の理解度に近い。

何が言いたいのかと言うと、このスキーマが無い場合はすべてに答えを求めてしまうということだ。ある側が「これはこういうことなんだな」と深く考えることもなく流す一方で、無い側が「説明不足!」となってしまうのは、それの意味するスキーマを持たないからに他ならない。

しかし、理解度を万人に合わせるということは難しい。説明過多にすれば「なんでこんなわかりきったことを延々とか語るんだ?」とくどく思うし、逆に簡素にすると「描写不足! 説明不足!」と騒がれる。ということで、やはりそこの間を取り持つ形としての見聞録は正しかったのだろう(読まないプレイヤーについてはもうどうしようもないが)。

メシマズキャラから逃れられた女性陣

ちょっと怪しいか

思えば、ただご飯を握るだけの料理が壊滅的にマズく、カレーが殺人的料理になるなど、過去作の女性キャラはなかなかにエキセントリックな料理スキルの持ち主だった(というか八十稲羽の女性陣がおかしかった)。ペルソナ5ではかなりナリを潜めたがしかし、毎回その顕現に目を見張ってしまうのはもはや仕方ない。

が、メタファーはと言えばメシマズキャラというのはおらず、男性陣はともかくとして女性陣もマトモに(?)料理ができるのだから驚いた。大変申し訳無いが、ヒュルケンベルグとジュナは100%メシマズの民だと思っていたため、驚き以外の何物もないわけで。

ただまあ、ジュナは割と怪しいところがある。主人公に料理を任せているので、実際に自分がやったらムドオンカレーを作ってしまう可能性がなくもない。けど、実際作ってないし真相は闇の中ということで・・・・・・。

しかしこの手の話で言えば、男性陣の家庭的なスキルの高さは一体何なんだろうかと思えてならない。ストロールはかなり料理慣れしてるし、ハイザメも普段からやっていた感じがするし、バジリオに関しては普通の料理より分量や工程が厳しいお菓子作りに習熟しているのがスゴい。

まいどまいど移動の過程で料理をしていたが、各人の反応が豊富で、飽きること無く楽しめた。むてきメンとか食べてみたいよね。

キャラ別所感

みんないいキャラしてた

主人公

まさかのイマジナリー

実は主人公は存在していなかった、誰にも見えていなかった、というのはありがちだが、まさか本当にそうだとは思わなかったのが本作。そりゃ一度は「もしかしたら王子の精神的存在で実体はない?」とも思ったが、それにしては最初の特命受諾の時点で認識されてるよなあ・・・・・・と。これがミスリードだとは分からなかった。

キャラ性能としては、本作ではワイルドのような特徴がある訳じゃ無いにせよロイヤルの関係上、何でも屋をやりがち。特にストロールとヒュルケンベルグ、ハイザメしかいないころは彼らのスキルプールが広いわけじゃないのでなおさら雑用係。

覚醒後、プリンスを手に入れてからは王冠とジンテーゼでメタメタなぎ倒す無双っぷり。ニンゲンとの戦いが多くなる後半において特攻属性が刺さる。ただ、ロイヤルがシナリオ途中で手に入るせいで、全コミュMAXやアーキタイプコンプのご褒美がしょぼく感じられたのが残念。

フィールドアクションがアーキタイプによって変化するのがかなり楽しく、ガンナーやフェイカーなどのぶっ壊れ性能もありつつ、ディーラーやシーフでのアイテム入手が楽しかったり、サマナーで正面突破も可能と本当に飽きない。ここまでモーションの差別化をするのは本当に大変だったろうなと、工数を想像するとビビる。

かっけえ・・・・・・

ストロール

歴代相棒キャラで最も精神的イケメン

マジのイケメン、本物の貴族。最初の時点で気品溢れる男で、コミュを進めていくとなおさら感じられる、誇り高き上流階級の生まれ。相棒キャラというのは順平しかり陽介しかり、ちょっとアクのある男がおなじみだが、ストロールはかなり素直なキャラ付けだったように思う。

冷静に物事を判断するタイプで、特攻したりボケたりと言ったようなこともあまり見られなかった(このへんはまさかのヒュルケンベルグ担当)。激情に駆られて直情的な行動をすることもほとんど無く、悪に絆されてしまうこともない、本当に精神性が大人。

キャラ性能としては文句なしのメインアタッカー。斬撃オンリーということで序盤は結構キツいが、ソードマスターでの空間殺法、そしてサムライでの紅月閃が使えるようになると一気に化ける。最終的には30000以上のダメージを叩き出すワンパンマシーン。

バジリオと比較すると下位互換のように思えるが、装備バフの個数の関係上、シンプルな火力はこちらのほうが伸びる。ただいずれにせよ斬撃しか攻撃属性が存在しないので、それらに耐性があるとか、万能以外お断りの相手に対しては何も出来ない。

後半は20000程度普通に出していく模様

ヒュルケンベルグ

一理ある

高貴な女騎士と思いきやその実は食いしん坊で情に厚い、本当に良い女。OPでの血気盛んな姿もあるにはあるのだが、旅の過程ではゲテモノ食いのシーンがやけに印象に残り「面白い人」のレッテルを貼られがち。料理シーンもなかなかに笑える。

王子への忠誠心は本物で、物語終盤「誰よりも王子のことを思っていたのはヒュルケンベルグだった」というくだりは思わず泣いてしまった。最初からずっとブレずに王子のために奔走していた彼女の姿勢は本物で、だからこそ本懐が遂げられたシーンは、報われてよかったと心から思えた。

ただちょっと戦闘に関しては微妙で、私はほとんど採用しなかった。ドラゴンたちのプレス消費のためにカウンターをお願いするぐらいで、通常攻略においてはあまり活躍の出番がなかったのが実情。ジュナ以降の仲間が入るとお払い箱に。

結局、防御系のスキルなどは高難度にならないとその真価が問われず、殴ってそれで済むんだったらそっちの優先度が高くなるわけで・・・・・・。ジャンプスラスト自体は悪くないのだが、防御低下がもっと段階踏めるのならばアリだったかなあというところ。理不尽を押し付けるのがプレスターンバトルの基本である以上、受けに回ることが前提のナイトは微妙。

本当に良い女だと思う

ハイザメ

この見た目で大塚明夫なんだからビビる

コロマルやクマや、モルガナのようなマスコットにはなれない小動物キャラ。なぜなら、あまりにもかっこいいから。正直言うとストロールやヒュルケンベルグの覚醒は「舞台的だなあ」と思ってしまったが、ハイザメのそれは違和感がなく、ごく自然な形だったように感じた。

彼のコミュは田舎の閉鎖的な村を描いており、これが私の実家と重なって思い入れが多少強くなったのは間違いない。新しきを拒み、出ていく者を糾弾し、そして緩やかに死んでいくコミュニティ。何も珍しくはないその光景を許せなかったのは人としてではなく、親としてのハイザメだった。とにかく彼は「親としての行動言動」が多い。

戦闘面に関してはジュナ加入後しばらく空気だが、ロイヤルカンストで一躍スタメンになる。とにかく「高貴なる盗賊の魂」が強すぎる。黙示録の竜や真カラドリウスなど、強いボスはこれが前提で調整されてるんじゃないかと思うほどだ。

申し訳なかったのが、私みたいなメガテンプレイヤーは速全振りにするので、ハイザメの盗むポジションが完全に無くなっていたことについて。いやだって速以外に上げるステータスなんか無いもん。

親だからこそ思うこと

ジュナ

こいつだけやってるゲームが違う

ルイの刺客かと思いきや普通に仲間になるっていう。自分を出さない、秘密主義なのかと思ったら結構オープンな女性でちょっと驚き。だがこれまで、たったひとりで戦ってきたのだから、反動として多くを仲間に委ねるものまた当然か。

元奴隷、ニディア族・・・・・・様々な生い立ちによって出来た心の傷を持ちながら、歌という原初の魔法を全員にかける強い女性。コミュでは、単に小手先の技術だけではない、歌姫たる矜持や魅力が大いに感じられた。

戦闘面では文句なしの最強キャラ。彼女と主人公は一度もスタメンから外れなかった。仮面の付け替えによる汎用性と対応力があまりにも高すぎる上、ジンテーゼの使いやすさもまた素晴らしい。中盤、ジュナが仲間になってしばらくは「死の舞踏」で完全にバランスが崩壊する。盗む→死の舞踏→やり直し、でいくらでも都合よくループできるのだからヤバい。

ということで、本作のやり直し機能の恩恵を一番受けてるのが彼女だと思う。死の舞踏のリセットがあまりにも強力で、それまでのMPの節約とかリソース管理が一気にバカバカしくなった。何度でもザラキーマを繰り返せるのが弱いわけがない。マスカレイドチャージとアタッカーの相性も抜群で、終身名誉、最高のサポーターとして活躍してくれた。

多分ナーフされると思うんですけど

ユーファ

結婚しないか?

本作で一番好きなキャラ。正妻にどうでしょうか。

ビルガ島はいわゆる、古臭い因習の残った辺境の土地で、良くも悪くもそこ独自の発展を遂げた場所だった。生贄なんていう前時代的で野蛮な営みを続けていて、祈りや犠牲で神がどうにかしてくれると考えている。私はこういう考えが嫌いで、申し訳ないがバカにしてすらいた。

しかしヒュルケンベルグが言ってくれたことが響いた。「すばらしい覚悟だ」。ユーファは決して、それが掟だからという受け身な姿勢で生贄になることを選んだのではなく、自分にできることを望んだ結果がそれだった。そんな前向きな犠牲・・・・・・ではなく、「施し」があるんだなと衝撃。

で、戦闘については、サマナーは強いのだが消費が激しすぎて連戦向けではなく、ボス戦のポイントヒッターという感じ。シヴァやヴィシュヌに会えて嬉しいとか、まあシンプルに強力ではあるんだけど・・・・・・燃費が悪すぎるねんな。

ノブレス・オブリージュ

バジリオ

まさかの加入

まさか仲間になるとは思わなかったキャラ。バジリオたちはいわゆるストレガ(ペルソナ3のかませ的なヴィラン)なのかと思ってて、まさか片割れが死に、片割れがメンバーになるとは想像すらしてなかった。作中で一番びっくりしたかもしれない。

バジリオを取り巻く環境や、ルイに心酔した流れというのはまさしく現代的で、強ければ好きにできるという弱肉強食の世界は若ければ若いほど陥りがちな理想郷だ。これに憧れる人は、まさか自分が弱者であるということを想像もしないまま支持する。そういう人ほど、やがては真っ先に切られるという悲しい結末が待っているにも関わらず。

「わかりやすさ」というのは麻薬だ。思考の癖を無くし、ただ都合が良いだけの甘言に流されていく。弱肉強食の世界はとてもシンプルだが、そこには明確なルールがあり、それをひっくり返すことは出来ない。果たしてそれは本当に人の世界なのだろうかというバジリオの疑問、それがあるからこそ離反することが出来た。疑うことを辞め、目先の答えだけ追いかけてはいずれ詰む。

バトルに関しては火力枠でストロールとかぶるのがちょっと・・・・・・。万能オンリーとかだったら使えるのかなと思いつつ、出番はほぼなかった。お菓子作り担当の兄ちゃん。

ホントだよ

攻略メモ

っぱサムライよ

おすすめアーキタイプ

ロイヤルから逆算する

アーキタイプは、システム上すべてのキャラが一様に履修できるとは言え、リソースを考えると道中では限られたものしか使えない。そこで、何を選べばいいのかという考え方を個人的に紹介したい。方針としては「ロイヤルから逆算する」ということになる。

ロイヤル取得には様々なアーキタイプのマスター(か、準ずるレベル)が必要で、特にハイザメなどはかなり条件が厳しい。そのため、無駄なものに費やす時間は抑えたい。逆に、主人公は取得条件がない以上、他をサポートするような何でも屋として頑張ってもらう。

とにかく、授かった初めてのアーキタイプを実直に育てる・・・・・・これが大切。序盤でロイヤルのことを知らずとも、初期のアーキタイプをしっかりと育成すればそこまで大きくズレることは無いはずだ。

また、これとは別に、開放できるアーキタイプはとりあえず開放しておくと何かとお得だ。初期スキルは開放した時点で他アーキタイプでも使えるため、戦術の幅が広がる。おすすめは以下。

  • マジシャン

    • 火属性魔法

      • アイテムでも代用できるが序盤はこれが全員使えるだけで大きい

  • フェイカー

    • 少し経験値アイテムを与えるだけで3種のンダ系が使用可能に

      • バフデバフは生命線なのでひとりは網羅しておきたい

  • シーカー

    • 風属性魔法

    • 回復魔法は使わないのでおまけ程度に

  • ヒーラー

    • 光属性魔法

      • 序盤の納骨堂など、死霊系は戦闘機会が多いのであると便利

  • ディーラー

    • 絶対に全員履修すべき超おすすめアーキタイプ

    • ゴールドアタックが非常に強力

      • リソースがお金なのでダンジョン探索で息切れしない

      • クリティカル率が高いためプレスを稼げる

      • 万能属性なので安心して使える

      • そもそも威力が高い

        • 装備で消費金額を上げると更に強い

  • モンク

    • 壊属性攻撃

      • 納骨堂の攻略に役立つかなと言うところ

      • ただHP消費が激しいのでハンマの方が・・・・・・

ディーラーはマジでOP

後悔しない1日を送るために

昨日はもう戻ってこない

メタファーはたった4ヶ月という短い時間で王の資質を上げたりコミュを進めなくてはならず、行程はややタイトだ。ペルソナシリーズよりかなりヌルくはあるものの、それは既プレイヤーの印象であり、このシステムが初めての人は苦戦するかもしれない。

まず、1日の選択肢としては「今じゃないとダメなことをやる」のが最優先だ。そのため、期限のない依頼などは後回しでいいし、逆に、上げられるタイミングが来たコミュなどはまっさきに行う。特にコミュは連鎖的に依頼などが発生する場合もあり、早めに消化しておいたほうがいい。

そして最も大切なのは、ストーリー進行上必要なダンジョンは必ず1日で消化すること。これに複数日がかかると途端にスケジュールを圧迫してしまう。最終日直前あたりは必ず何も出来ない日が来るので、そこでクリアしてしまうのがベター。

王の資質は、よほど非効率的なことをしなければ進行度に応じてまんべんなく上がっていくので、とにかく無駄な日を作らないことを意識したい。では、何から優先的に上げるのかということだが、これは消去法で考える。

  • 勇気 :優先度低、賞金首討伐などで上がる

  • 見識 :優先度低、各地の名所で上がる

  • 包容力:優先度高

  • 説得力:優先度中、演説台で上がる

  • 想像力:優先度高

コミュに必要なものを逆算して考えるのが最も良いが、初見でも上げやすいものから上げていくだけで割と無駄なく進められる。少なくとも私は王の資質のせいで詰まったことは無い。読書も含め、能動的にやらないと上げづらいものを優先的に消化すると良いかも。

鎧戦車での時間の潰し方

トロフィーを意識すると結構シビア

鎧戦車で出来ることは色々あるが、優先度的には以下になる。もちろん、トロフィーや効率プレイに興味がない人は毎回寝てても問題はない。

  • 1:コミュ

    • そもそも鎧戦車内でないと進まないものがある

  • 2:読書

    • 本はより多くのステータスを稼げるのでやり得

      • 読み終えてもまた再読するぐらいでいい

  • 3:種の栽培

    • ビルガ島で手に入る英雄の光葉か、アルタベリーの英雄の宝玉根

    • ニューラスのコミュが育つ前でもやる価値はある

      • 副産物(ガイセン茸、しっぽ餌)が手に入る可能性も

料理はマリアのコミュで時間経過が無くなってから取り組むと無駄がない。また、時期問わず食料庫の捜索は必ず毎回行う。

風呂や洗濯、掃除などはほとんど無意味なので、極限までやることが無くなったらやってもいいかなというレベル。それにしたって種の栽培に時間をかけたほうがよっぽどいいが・・・・・・。

お金、MAG、経験値の稼ぎ方

無限闘技場編、はじまるよ

まず、基本的に本作はいわゆる「稼ぎ行為」というものをする必要がなく、それに取り組むのはトロフィーを取りたい時ぐらいだ。こと通常攻略においてレベル上げしなくてはならないような状況になったことはないし、そもそも補正の関係上、勝手に適正まで上がるようになっている。

また、強敵との戦いはレベルよりも戦略や組み合わせのほうがよっぽど大切なので、その点で見てもやはりレベル上げ作業というのは要求度が低い。それを踏まえたうえでマラソンについてまとめておく。

とは言え最適な方法としては1つで、闘技場の上級連戦がそれにあたる。これで全部を効率的に稼げるため、特に他をやる必要はない。

強いて言えば悪天候の日にMAG換金をするとより多くお金が稼げるとか、必ずマスター済みアーキタイプを装備しておくとか、細かい部分はあるが、そのへんは後述する。とにかく上級連戦をやればリソースに困ることはないはずだ。

だがそれができるのは終盤なため、序盤や中盤でまとまったお金が欲しい人もいると思う。その場合は、盗む+死の舞踏で荒稼ぎするのがいいだろう。

  • 主人公はディーラーのアーキタイプを装備する

    • 殴ると同時にお金ゲット

      • できればタイクーンにして戦闘終了後のアイテム入手率も上げたい

    • アイテムが欲しい場合はシーフにする

  • レア枠の装備品を盗む

    • 高値で売れるモノを持ってる敵相手に繰り返す

  • ジュナの死の舞踏で一掃

    • ミスったら巻き戻しでリセット

敵を倒した時に得られる換金アイテムよりも、レアな装備品のほうが高く売れる。盗むことで入手を効率化、討伐は死の舞踏による即死でリソースを抑える・・・・・・こういった流れを繰り返した結果、中盤時点でかなりお金が余ってしまった。

ブライハーヴェンあたり

トロフィー攻略

面白すぎて6日でプラチナ獲得

以下、トロコンに際し苦戦したものをピックアップして解説する。基本的に2周しないとコンプリートできない。そのため、1周目はそこまで躍起になって回収に急ぐ必要はないかも。また、時限要素がかなり多いため、各章の自由時間開始時のセーブデータを個別に用意しておくと安心。

本作は1周目クリアにだいたい70時間(寄り道しないなら50時間ぐらい?)かかり、そこから2周目の回収作業を含めると全体100時間ほどで終わる。もちろん、収集系を見逃したりするとさらに周回する必要があるので注意。スキップ可能とは言えめんどい。

引き継ぎできるものがかなり多く、周回はかなりスムーズ。対応する要素は以下。特に、王の資質上げを2周目はほぼ無視できるのでかなり時間に余裕ができる。

【周回で引き継げるもの一覧】

  • アーキタイプのレベル状況

    • 履修そのものは開放しないとできない

      • そのため、コミュはまた上げる必要がある

    • 継承状況も引き継がれる(装備状況はリセット)

  • 装備及びアイテム

    • レシピや仮面、札、黄金蟲なども全部引き継げる

      • それでいてマップの黄金蟲は復活するのでコンプが楽

    • 消滅するのはストーリーで入手が必須なものぐらい?

  • 王の資質

    • 主人公のステータスは引き継げない

      • そのため、前周で洗濯をしたり、風呂に入ってもほぼ無意味

  • お金やMAGのリソース

  • 敵のアナライズ情報

禁書封印

バカ強い

2周目(難易度FOCUS ON THE STORY以外)にのみ存在する裏ボス。アカデメイアにある赤い本を調べると戦闘可能。「託されし者」で戦う3匹(+1匹)のドラゴンよりはるかに強く、しっかり下準備と対策をしておかないとまず勝てない。3回くらい全滅した。

パーティーと基本行動方針は以下。とにかくハイザメがどれだけ回避してくれるかを祈るゲームだった。

  • 主人公

    • プリンスで火力+サポート枠

    • キングオブキングスで不安対策、至尊の王冠で常時プレス増加

    • 総大将のたすきでジンテーゼ威力アップ

      • 基本的にはそこまで殴らない(余裕がない)

  • ストロール

    • ロイヤルで火力枠

    • 宿望の大剣、修羅の小手、先駆者の幟でとにかくダメージを上げる

      • 戦王の大剣、乾坤一擲の書を付けて運試ししても良いかも

  • ハイザメ

    • ロイヤルでサポート、タンク枠

    • 明鏡止水の鉢巻で見切り、蛇毒払いのお守りでデバフ対策

      • 大前提として、全員共通でデバフ対策は完全に行っておく

    • とにかく挑発(騎士の名乗り)+回避をして相手のプレスを消費する

      • ハイザメが回避してくれれば勝てるし、しないなら負ける

  • ジュナ

    • ロイヤルでサポート枠

    • マスカレイドチャージ、デクンダ、ビダルダ、回復を頑張ってもらう

      • ハイザメも余裕があれば手伝う

    • 仮面舞踏王の扇+パッシブ(アサシンの心眼とか)+アボイドリングでハイザメみたいなことをしてもいい

      • 私はとりあえず合理化の手引書を装備してた

最高難度で勝てる気がしない

まず、黙示録の竜に限らず、本作の強力なボスに対してはハイザメの回避(またはアボイドリング)かヒュルケンベルグのカウンターが生命線になる。たぶんこれが前提で調整されてる気が・・・・・・。

というのも、黙示録の竜は基本プレスが6程度で、かつ全部のプレスを消費すると全体万能9999ダメージの技を使ってくる(おそらく不可避)。つまり、「耐えきる」という選択肢が存在しない。強制的に相手のターンを終わらせるしか活路が無いのだ(そもそも攻撃が痛すぎて耐えきれないけど)。

そんなわけで、ロイヤルシーフの「高貴なる盗賊の魂」による全プレス消費が最も重要。これは本作すべての強力なボスに通用する選択肢。特に、黙示録の竜よりもさらに強い、真カラドリウスはこれの不使用じゃおそらく勝てないと思う。

それを大前提に、基本通り相手の強化は解除し、こちらはなるべく強化を維持して戦う。優先度は、ストロールにタルカジャ>相手にラクンダ>ハイザメにスクカジャ、ぐらいで。もちろんデバフはすぐにデクンダ、向こうのヒートライザはすぐデカジャで解除しておく。

ダメージソースはタルカジャ・マスカレイドチャージ込みのストロールのジンテーゼだ(ラクンダがあればなお良い)。さらにクリティカルが乗れば黙示録の竜相手でも15000ほど出る。中盤以降はテトラカーンを使用してくるので都度アイテムで解除。ストロールは速が微妙に低いため、たまに外すこともあるが(コレが原因で負けたことも)そん時はそん時で割り切る。

バジリオをなぜ採用しなかったのかについては、バフによるダメージの伸びの関係がある。たしかに万能技そのものは便利だし、ステータスはバジリオの方が上なのだが、装備の質が微妙なのと(ストロールの方が装備バフを多く付けられる)、運が低く、あまりクリティカルが期待できない点で不採用。黙示録の竜が斬撃耐性持ちとかだったらバジリオを採用してたかも。

倒すとレガリア・オブ・ガイウス(戦闘終了後HPMP全回復)と英雄王の指輪(万能属性以外無効)を入手できる。まあいまさらこんなのあってもなあ・・・・・・って感じだが。

破滅王の破滅

さらにバカ強い

文句なしに本作最強のボス。黙示録の竜ですら簡単に思えるレベル。このゲームの集大成みたいなことをしてくる2連戦、ファイナルラストバトルのお相手を倒すのが獲得条件だ。

ラスダンとなる恐王星では、過去に戦ったニンゲンと再戦することが可能で、それを行うと破滅王カラドリウスのステータスや行動が弱体化する。さらに、彼らを倒すことで強力な装備も入手できるため、普通は全員倒すのだが・・・・・・そうしない場合、全力のカラドリウスとの戦闘になる。これがトロフィー対象の「真カラドリウス」だ。

強すぎィ!

常にプレスが7程度ありながら、プレス消滅技、全体超火力技、即死技、バステ付与、バフデバフ完備、非常に賢いAI持ち(狙ってランダマイザを行ってきたり)・・・・・・という、まさしく「最強」にふさわしいあれこれを兼ね備えた難敵。こいつも最高難度で勝てる気がしない。

とは言え、やることは黙示録の竜の時とほぼ同じ。ただ、敵の攻撃がさらに苛烈なのとデバフ付与がキモすぎるためハイザメの回避がやや機能しづらい。しかし機能してくれないと勝ち筋がないので頑張って介護する。運良く回避が重なれば割とあっさり行ける・・・・・・かも?

新たな英雄

ひたすらドーピングするだけ

主人公の全アーキタイプをマスターする。正攻法で地道にレベリングしても一生終わらないのでアイテムや仕様をフル活用する。準備は以下。

  • マリアのコミュランクを7にする

  • 難易度をBEGINNERにする

    • 難易度変更ができなくなるが効率はFOCUS ON THE STORYが一番良い

  • 控えメンバーでも経験値が全部入るように各コミュランクを上げておく

  • 全員、マスターしてあるアーキタイプを装備する

  • 闘技場の上級連戦を解放する

    • 階級戦を金3級までこなす

ここまでやったらあとはひたすら上級連戦を周回する。マスター済みアーキタイプは一律経験値1000で英雄の光葉を入手可能なため、あとはそれを使ってレベリングするだけ。まあ普通にマスター済みアーキタイプを装備してダンジョン攻略してるだけでもアホみたいに入手できる。

ボスをノーダメージキルすると一気に30枚とかも入手可能

編成は別になんでもいいが、私は以下みたいなのでやってた。

  • 主人公(プリンス)

    • 基本的には無効反射吸収以外の範囲ジンテーゼで焼く

    • 1キルが難しそうな場合はストロールに任せる

  • ストロール(ロイヤル)

    • 敵集団の弱点と無効がダブってる場合に紅月閃で一掃する

      • あとシンプルに体力が多いやつとか

  • ジュナ(ロイヤル)

    • マスカレイドチャージでストロールのサポート

    • 幸運のガントレットを装備して経験値上昇

  • ユーファ(ソウルハッカー)

    • ジンテーゼ発動用(MPが多く確保できるので連戦向き)

    • ジュナと同じく幸運のガントレットを装備

実験終了

ラスダンでギリギリ獲得

特別実験によって、仮面と召喚獣をすべて作成し終えると獲得。のちのち、攻略情報が出揃ってくれば楽になるはず。初期環境だと自分で色々検証したりしなきゃなので結構しんどかった。

白面は敵のノーマルドロップからでも入手できるが、確実なのはブライハーヴェンの海風通りにある露店で買うこと(要風聞屋の情報)。休息日以外、毎日品揃えが変わるのでこまめに買っておく。

また、闘技場での連戦でもいい感じにドロップするので、稼ぐついでに周回するといいかも(もちろん出ないものもある)。ただ一番大切なこととして、普段訪れるダンジョンでは常にアーキタイプをシーフにして、殴ったついでに回収しておくと困ることが少ない。

札はビルガ島の露店で購入可能。同様にノーマルドロップでも入手できる。ただ、ほとんどは買い揃えた分で賄えるはず。高価な札はダンジョン内に落ちていることが多く、天使などは天の巨顔探索中でちょうど必要数が揃った。

最強料理人

料理イベント面白い

全料理作成終了のトロフィー。素材の殆どは終盤のショップで集めることが可能。ただ、その時点で料理をし始めてもたぶん間に合わないため、序盤から積極的にいろいろ作っておくこと。以下、集めにくい素材の入手方法を記載。

伝説のヌシ。これはしっぽ餌で釣りをすると入手できる。餌は闘技場前の薬草を欲する男からもらう(1回限り)他、鎧戦車内の栽培キット、または掃除などでも入手できる。

女帝蜂の蜜瓶。これも伝説のヌシと同じく釣りで入手。ただこっちは必ずしもしっぽ餌じゃなくても良いのかも(真偽不明)。釣りは選択肢によって入手アイテムが変わり、「餌を大胆に」「あえて眠気に」「魚の気持ちに」が女帝蜂の蜜瓶になる。

ガイセン茸。これは食料庫からランダム入手なのと、しっぽ餌と同じく栽培キットからランダム入手。こちらも、埋めた実によって確率が変わるのかは不明。

王国の救い手

最後の最後まで怖いトロフィー

全クエスト達成で解除。地味に入手がめんどくさいトロフィー。カラドリウス撃破まで、自分が達成したかどうかが分からないため非常に心臓に悪い。あそこまでやって獲得できなかったらと思うとゾッとする。

基本的には、新しい都市を見て回り(過去エリアにクエストが発生することはほぼ無い)、そこで新たなクエストを受注し、賞金首を狩り、コミュを全部MAX(必ずしも全部じゃなくてもいいけど一応)にしておけば問題はない。ただ、一部見逃しやすいものもあるので、それらを以下に紹介する。

【闘技場の王者になれ】
闘技場の階級戦を最後までクリアすると発生。

【料理人を唸らせる一皿を届けろ】
タイミングは不明だがマルティラの酒場で受注。
いやしパンをプレゼントするだけ。

【さらに料理人を唸らせる一皿を届けろ】
上記クエストクリアが前提。グラン・トラドの酒場前で受注。
ふわふわ蜜菓子をプレゼントするだけ。

【アロンゾの意志を叶えろ】
アロンゾのコミュをMAXにしたあと、ブライハーヴェン夜の酒場前広場で受注。

【候補者ミロを倒せ】
ブライハーヴェンでラブレスと話し、マップで戦った後、彼から受注。

絶景ハンター

全クエスト達成の過程で入手可能

すべての旅の絵を入手するのが条件。絵はマップ各地にあるひし形のアイコンの近くを通ることで自動的に入手。まあ正直、取ろうと思わなくても勝手に取ってるパターンが多いはず。

私が途中気になってたのがビルガ島西のもの。盲信の塔へ行く前に鎧戦車が空を飛べるようになってしまったため、海路を通らないまま進めてしまった。次の周じゃないと入手できないかなーと思ったが、竜の試練のおかげでまた竜宮神殿に行けるようになり、その過程でゲットできた。

たぶん取り逃し要素ではないはず

パワフルディベーター

それあなたの感想ですよね?

各都市で他候補者全員と演説台で討論し、勝つことが条件。次の都市に行くまでの完全時限イベントなので、新しい街に着いたら必ず毎日演説台をチェックする。選択肢は画像参照。

マルティラ:リナ、ロジャー、ラブレス

前髪が可愛い
無税とか滅亡不可避です
この人、盛り上げ隊としては有能そう

ブライハーヴェン:ジン、ルドルフ、ミロ、グローデル

財務官とか向いてますよたぶん
ナショナリズム過激派こっわ
ユーファにブサイク扱いされるのウケる
こいつ結局かませだったなって

アルタベリー:ジュリアン

100年後なんてみんな死んでる

殲滅者

ボスラッシュならぬザコラッシュ

闘技場の上級連戦を30連勝する。上級連戦を行うためには、まず右側の受付から階級戦を行い、金3級まで上げる必要がある。とは言えほぼほぼザコなので苦戦することはないはず。

託されし者

ドラゴンって古代兵器らしいですよ

ルイとの最終決戦前に解放される高難度クエスト4つをクリアすることで獲得出来る。各地の塔に登ってドラゴンを倒し、その後、竜宮神殿にて暴走した別のドラゴンを倒す。

どいつもこいつもかなり強く(もちろん黙示録の竜に比べればザコだが)、特に不遜の塔のドラゴンに関しては安定して突破する方法が最後まで良く分からなかった。

不遜の塔のやつだけ異様に強い

邪見の塔。ポイントは、ドラゴンの攻撃に対して「無効・反射・吸収」などはタブーだということ。こういうことをすると向こうがラッシュを行ってきて全滅する。ということで相性は耐性に留める(炎だけでなく物理系統もダメっぽい?)。

防御面としては、アクセサリに炎の護身符(炎耐性)を付ければとりあえずは良い。もちろんそんなことをせずとも、もともとアーキタイプに炎耐性が付いてるのが一番だが。また、赤のモノクル(炎見切り)をハイザメに付けるとすべてのドラゴンの攻略が劇的に楽になる。

編成は以下。他の候補はヒュルケンベルグ。ただ、彼女が活躍できるかどうかは結構運ゲーになる。

結論構成

全ドラゴン戦で共通で、開幕はガリカのプレス増加が発生するまでリセット。発動したら英雄の叫びでプレス増加。その後、ハイザメとジュナがビダルダやランダマイザで弱体しつつ、主人公とストロールは英雄の証や精神統一などの自バフで強化。あとはジュナのマスカレイドチャージを乗せてロイヤルソードや秘剣・紅月閃で攻撃。

相手もバフやデバフなどを行ってくるが、バフは無視でいい。けどデバフに関してはデクンダでしっかり解除する。特にスクンダ系は生命線なので絶対に解除する(相手のンダ系も維持)。

時系列が前後するが、ほとんどやることは黙示録の竜戦の際と同じだ。ハイザメが回避できるように祈るだけのゲーム。また、ヒュルケンベルグの場合はカウンターがこの役割になる(反射でもプレスは激減する)。しかし、こちらは発動率が15%とあまり高くないので、ハイザメに比べると頼りになるとは言いがたい。

ロイヤルシーフが無い場合はアボイドリングで代用可能。主人公たちは合理家の手引書などを装備するため余裕がない。そもそもハイザメはシーフ系統のアーキタイプに回避パッシブがあるため相性が良く、つけて損はない。

一応、立場的には最弱扱い

盲信の塔。ポイントは「全体魅了のあとに確定即死の全体炎攻撃がくる」ということ。たぶん、本来は魅了対策をして、その攻撃にマジックガードなどを張るんだろうが・・・・・・体力がそんなに多くなかったので2ターンで倒せてしまった。

というか、魅了の対策というのがかなり難しいため、さっさと倒してしまったほうが良いと思う。いちいち魅了の運ゲーをやらされてもなあというところ。あと全体炎攻撃の対策も容易じゃないので、その点で見ても長期戦は不利。

攻略はほぼ邪見の塔そのままでどうにかなる。強いて言えばここのドラゴンの攻撃は炎扱いになるので、赤のモノクルがあるとハイザメがずっと回避してて面白かった。1行動でプレスがなくなるため、ずっと俺のターン状態。それであっさりノーダメージキルも獲得。

一番弱かった

不遜の塔。こいつだけは安定した戦い方がわからない。勝てたのは運良くカウンターが発動したからっていう・・・・・・異常に強かった。もうやりたくない。誰か安定攻略を教えて欲しい。

ポイントは「万能属性以外反射」ということ。ということで万能属性攻撃で攻める。前2匹の時みたいな猛攻はできないのでストロールを外し、代わりにヒュルケンベルグを入れる。

基本的な行動はこれまでのやり方を踏襲するのだが、バステがかかってしまったり、攻撃が集中して落ちてしまったりと結構思い通りには行かない。ハイザメに攻撃が集中してくれることを祈る。これまでとは違ってとにかく攻撃が苛烈。

また、このドラゴンはオールリセットでこちらのバフ解除、咆哮で強烈なデバフ付与、デクンダで自分のデバフ消滅、こちらの最大HPを300に固定・・・・・・などなど、かなりメチャクチャをやってくる。ということでかなり忙しく、安易なコマンド1つが全滅に繋がる。さらにはHPがかなり高い。

優先度的にはまず、こちらがスクンダにかかっていないこと、そして相手にスクンダ(ラクンダはその次)がかかっていることを確認、維持する。じゃないと相手の攻撃が回避できず、プレス消費が一生終わらない。ぶっちゃけ攻撃は後回し。

ガリカのプレス増加などで余裕が出てきたら、英雄の証→ロイヤルソードの流れが可能かを計算してコマンドを入力する。バフはすぐ解除されてしまうが、それでもバフ込みの威力はかなり大きい。ただ、今思うと威力的にはマスカレイドチャージの方が上のような気もするので、そっちを優先したほうがいいかも?

結局やることは、どれだけリセットされてもスクンダとラクンダを維持し、ハイザメの回避とヒュルケンベルグのカウンターにお祈りをし、マスカレイドチャージ込みのロイヤルソードをぶつけるだけ。言ってしまえば簡単なのだがえらい苦戦した。

こいつだけ強さがアホ

竜宮神殿。すべてのアーキタイプをターンごとに使う、いわゆるエリザベスとかマーガレットとかみたいなことをやってくる。ただ、彼女たちみたいにゴリゴリのパズルゲーをやらされるわけじゃなく、変わらずハイザメの回避戦法が普通に通用してしまう。

勝とうと思ってなかった偵察用の一戦でそのまま勝ててしまったのでかなり拍子抜け。やはり最後の最後までメガテン、ペルソナはスクカジャゲー。ハイザメ大活躍のドラゴン攻略だった。

不遜の塔のドラゴンが強すぎた

スリルがお好き

バンジー!

マルティラの勇気上げイベントを3回こなすことで獲得。

勇気は上げようと思わなくても上がるので見逃しがち

本の虫

1冊見つからなかったですねえ!

すべての本を読むのが条件。基本的には仲間が加入したと同時に新しい本が入荷するので、淡々とそれを読めばいいのだが、1つだけ自発的に行動しないと入手できない本がある。それが「魔法的未来」だ。ブライハーヴェンの宿屋前にいるイシュキア族から入手できる。ちなみにこれは取り返しのつかない要素なのでお早めに。

おわりに

こんなハイカラな本名じゃないです

私は、アトラス(というより橋野氏の作品)とヴァニラウェアだけは心の底から信用している。発売日にフルプライスで買ってもなんの後悔もしない、100%面白いものを作ってくれるという、全幅の信頼を寄せても問題ないデベロッパーだと思っている。

そりゃまあアトラスに関して言えばユーザーを舐め腐った完全版商法や、直前まで本当になんの情報も出さない広報の姿勢などが気になると言えば気になる。しかし作品そのものを見た場合、これらの会社のゲームが期待を下回ったことは基本的になく、それだけで信頼には足る。面白ければなんでもいいのだ。

メタファーがスゴいのは、私のようなオタクの「勝手に高まりすぎた期待」を更に上回る、最上の結果を提供してきたところにある。正直、ペルソナ5でやり尽くした感のあるアトラスの全身全霊は未だ衰えておらず、むしろ新たな可能性を以て傑作を生み出せるに至ったのだ。

私はきっとこのゲームをプレイしたことを忘れないと思う。10年先でもありありと思い出せるような、その強い存在感は心のなかに残り続けるだろう。メタファーはただの「消費」として終わるひとつのコンテンツではなく、人生を彩る幻想となって形を残してくれた。そんな作品をプレイできたことが心の底から嬉しい。

本当に、素晴らしいゲームだった。ありがとう。

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