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「遊べる映画」になった次世代機のFF / ファイナルファンタジーXVI

(2024/09/27:大幅に加筆、修正)


面白すぎて1週間でトロコンした。

999999!

ここまで没頭して、熱中してやり込んだゲームは久々な気がする。最高のゲーム体験だった、本当に楽しかった。これのために抱き合わせでPS5を購入した、その選択は間違いじゃなかった。

ということで、今回はトロコンした上での感想をいろいろ書こうと思う。高尚なレビューや批評というわけじゃなく、このゲームが大好きな、いちユーザーの思い出語り、感想だ。良いところも悪いところもすべて述べていく。

また、この記事はほぼ初期レギュレーションの範疇で内容を語っている。それ以降のアップデート等は加味していないので注意して欲しい。


良いところ

トルガルきゃわわ

「こういうのでいい」要素たち

虫がヤバいそうです

全編通して思ったのはコレだ。過不足無く、不要な肉付けや水増しもなく、要素が収まる感じに収まっていた。もちろん、細かすぎる不満点はあれど、それも気にならないレベル。とりあえずはストレスフリーと感じられる内容だった。

良く言えば「消費者(プレイヤー)目線で作られたゲーム」で、悪く言うと「置きに行った安定のゲーム」という印象。後者はもしかしたら「既視感のある凡庸なゲーム」と批判されるのかもしれない。

例えばサブクエストについて。

だいたいオープンワールドゲームのサブクエと言えば「死ぬほど多く」、そして「別にやってもやらなくてもいいような内容・導入」ということがかなり多い。実際、私は『ゼノブレイド』ではそれがしんどくて途中でリタイアしてしまった人間だ。

もちろん、サブクエなんて「サブ」なのだからやらなくてもいいのだが、しかし、やらない前提で制作者が作るだろうか。そう思うと「やらなくちゃもったいないな」と考えてやってしまう。で、あまりの多さに辟易とし、ダルくなる。

しかしFF16といえば良心的な量で、そしてやる意味合いがかなり納得できて、決して「消化」にはならなかった。詳細は後述するが、こういう面が本作はしっかり作られていたと思う。

当たり前のようにあるゲームの要素を「ただの舞台装置」として割り切っているのではなく、文脈を意識して丁寧に作っている・・・・・・そう感じられるほど、制作者の熱意がプレイを通して伝わってきた。

いよいよ始まる感じ

キャラデザや世界観も「こういうのでいいんだよ」と思えた。クライヴたちの服装や出自、細かい部分なども雰囲気にマッチしており、野暮なツッコミから冷めるということはなかった。

たとえば『ファイナルファンタジーXV』は私自身好きな作品ではあるけれど、しかしビジュアルにツッコみたくなるし、そこがやり玉にあげられてしまうのはしょうがない・・・・・・違和感があるのは否定できない。しかしFF16はホストファンタジーとか言われてしまうような「特徴的な姿(婉曲表現)」がなく、違和感なく世界に入り込めた。

見た目がね・・・・・・

意味のある数々のサブクエ

意味のないサブクエなんて無い

「プレイは人それぞれ」という曖昧な言葉を踏まえた上でひとつ、断言したいのがコレだ。本作のサブクエは絶対にやったほうがいい。やったほうがオトクとかじゃなく、本作を理解したいなら絶対にやるべきとまで言える。

実際問題、「メインだけやった人」「サブを少しやった人」「サブを全てやった人」ではまるでこのゲームへの印象が異なるはずだ。さらに言えば、ハルポクラテスからじっくり話を聞いたかでもかなり変わる。

本作では、一部を除き明言されていない設定や後日談などは殆どない。あらゆるすべてがハルポクラテスから聞けるし、展開した物語や立ったキャラクターはサブクエですべて顛末が補完される。暗雲立ち込める話もすべて、あれこれがエンディング付近で解消できるのだ。

解消と言うと「みんなハッピーに解決!」というふうにとらわれそうだが、そうではない。差別や奴隷制度など、解決しないままなあなあで終わることは多い。しかし、これは批判されるポイントではない。そもそも本作の問題は根深いので、そんなあっさり解決するものではないからだ。

たとえばベアラーの処遇についてはエルウィンですら「長い長い試みになる」という旨を息子たちに残したぐらいだ。クライヴが携わってハイ解決、なんて、いきなり明るいフィクションが過ぎるだろう。

この世界における「ベアラー」の扱い

しかし、一段落はする。メインやサブで抱えてた不和や葛藤が、最後の最後でひとつ落ち着く。全体的に暗い物語ではあるものの、どのサブクエも最終的には少しの希望がある終わり方で、ここまでやっててよかったと言える内容なのは間違いない。

少なくとも、私はサブクエをすべてクリアして「やらなけりゃよかった」「無駄だったな」なんて1ミリも思わなかった。そういう踏ん切りがついて、後腐れなく次に進める、ラスボスに挑めるのは良い構成だと思う。

もはや導入でアンブロシアだと分かる

前述した通り、私はあまりにも大量のサブクエがあるとめんどくさくなって放置してしまうのだが、今回はすべてこなすことができた。というのも、本作は他作品と比べると総量がかなり少なめなのだ。というか、水増し臭い、プレイ時間稼ぎの要素が殆ど無い。

そして分かりやすいようにメインの区切りがあるため、「ここで追加分のサブクエやモブハンをやる」というように進めていけば、ストーリーに各キャラの状況も追いつくし、あまりタスクという感じもしない。さらには、『ファイナルファンタジーXIV』よろしくかなり導線がしっかりしてるので、よくわからなくなって放置なんてこともない。

さて、サブをやったかどうかで印象が変わるキャラなんてほとんどがそうだが、たとえばロストウィングのおっさんを挙げてみよう。

家族を皆殺しにされた人

カンタンは自分の復讐のためだけに村をまとめ、そして最終的に復讐を果たすも、喪失感だけ得られ、仲間はみんな失った。これだけなら「なんやこの鬱シナリオ・・・・・・」で終わりだが、カンタンの人生にはまだ先がある。

クライヴのつてで三国同盟を任される立場になり、彼が過去に犯した過ちもすべて踏まえて、人が人として生きられる世界の一端を担っていくのだ。

メインだけやった人はきっと、カンタンは「なんかシドと付き合いのある暗い村のおっさん」だろう。しかしサブをやり、ハルポクラテスに聞けば彼がどういう人生を辿ってきたのか、そしてどういう思いで今があるのかが分かる。サブクエによって、彼が今後どうなるかの、ひとつの人生に携われるのだ。

サブクエの報酬とはなんだろう。もちろんそれは強力な装備品やアイテムというのも一理ある。しかし、本作をやって思ったのは、最高の報酬は「世界に関与した感覚」なんじゃないかと思った。

双方向性という意味

本作のサブクエは決して「知らんやつからいきなりモンスターの討伐を任された」とかじゃなく、意味のある文脈に沿って「やる理由が伴う仕事」になりえている。

もちろん構造はどれも同じだ。どこかに歩いて話して、そしてモンスターを倒すだけ。しかし、それをやるに足りる背景があるからこそ、作業にはならない。

クリアしたことでキャラクターの関係性が動き、世界観をより深く理解できる。この、世界に関与した感覚があるからこそ私は本作のサブクエが苦じゃなかった。世界やキャラをもっと好きになるきっかけがこんなにもあるからこそ、やらずに進めるのなんてもったいないと私は思ってしまう。

あまりにもヒロインすぎる「ジル」

天使か?

私はジルが大好きだ。というかジルとクライヴの関係性が大好きだ。

もちろんビジュアルが好みという表面的な理由ももちろんある。しかし、今までのヒロインで一番良かったなと思えるくらい心酔できたのは、ひとえに彼女の献身さと強さ・・・・・・その内面と行動にあった。

ジルは決して、よくあるアニメのアイコン的なヒロインではない。わかりやすい可愛い声じゃないし、画面外の「誰か」へのウケを狙った振る舞いをするわけでもない。

言ってしまえば彼女は大河ドラマや、昔の映画に出てくる女房役に近い。優しく、控えめで、しかし自分をしっかり持っている。愛する人を支えることに迷いはないが、弱さも持ち合わせる可憐さが共存した、非常にキャラの立っている女性だ。

彼女は自分が完璧だとか、力があるとかなんて思わず、むしろ「なんで愛する人の力になれないんだろう」ということを秘めて、しかし諦めること無く生きる。鉄王国で自らは獣だと認め、雪月花の園では「私は何もできない」と悔しがる。

ここのライティング好き

だが、それでネガティブになるかと言えばそんなことはなく、ずっと彼女は自分にできることを探そうとしていた。クライヴを支えようという強い意志で彼のそばに立とうとしていた。こんな圧倒的正妻ヒロインいたか?

ジル単体だったらたぶん、そこまで好きにはならなかっただろう。しかし、幼い頃から運命を共にしたクライヴとジル、このふたりの関係性により魅力が非常に際立ったものになった。本当に素晴らしいヒロイン、そしてその描き方だったと思う。

灰の大陸でクライヴに誓うシーンは本当にボロ泣きだった。強すぎるだろこの女。

僕も誓う!

雪月花の園はクライヴの返事も相まって泣きすぎて前が見えなかった。
そしてエンディングも・・・・・・。エンディングは後述するが、ジルと、ジルとクライヴの関係性が大好きだったからこそ涙が止まらなかった。

構図が良すぎる

それはそれとして、最終的に「ジルは死ぬ」とずっと思ってたのでプレイ中は「お願いだから死なないでくれ」と祈りながらやってた。死ななくて本当に良かった。

世界観説明・設定解説のスムーズさ

お世話になりました

本作で最も評価できる点といえばこれじゃないだろうか。

いわゆるゲーム内辞書の機能なのだが、あまりにも質が高すぎて驚いた。似たようなものとして、過去作で言えば『ファイナルファンタジーXIII』にオートクリップがあったが、本作のものはより進化し、ユーザビリティが増したシステムだと思う。

私みたいに一気に短時間でやれる人もいれば、週に1時間しかできない、限られたリソースしか無い人もいる。そういう場合に、メインストーリーだけじゃなく世界の探索やサブクエ、そういったものをバラバラにやっているとブチ当たる問題がある。

それは、「今どういう状況なんだっけ」という迷いだ。

どれだけライターが素晴らしいストーリーを作っても、実際にプレイしている人と情報量に差があったらそこに感動や驚きは生まれない。

ライターは「えっ、これここで説明したじゃん」となって、プレイヤーは「は? 唐突すぎるだろ」とかになったらもう目も当てられない。悪い意味で、何もわからないまま進んでいくストーリーは苦痛でしか無い。

不明瞭な点を伏線として残しているならまだしも、ただ説明不足とか期間が空きすぎて忘れてたとかで台無しになるのは最悪だ。しかし、だからといってせかせかと進めるのも味気ない。そこで活躍するのがヴィヴィアンとハルポクラテスだ。

このふたりは現状でわかっていること、そして目的などを非常にわかりやすく説明してくれる。物語が分からなかった人はじっくり咀嚼できるし、わかってる人はより理解を深めたり、カットシーンだけでは語られなかったことを再発見できるのだ。

有能オブ有能

たとえばワンシーンだけの登場だったバルナバスの母親。彼女はアルテマが擬態した偽物だったが、彼女についてもハルポクラテスから詳細が聞ける。

謎の女性

普通にプレイしてて思う「どういうこと?」というものをゲーム内で補完してくれるのはかなりスゴい。ゲーム内だけでゲームが理解できるというのは、当たり前かもしれないが実はスゴいことなんじゃないかと思う。

そしてハルポクラテスだけなら他ゲームでもありそうだが、ヴィヴィアンについてはかなり新鮮な気がした。こういった立ち位置のキャラは割とレアなのでは?

主人公たちにフォーカスを当てた解説キャラは珍しくもない。しかし、中立的視点で世界情勢を俯瞰して説明してくれるキャラや機能なんてのはそうないんじゃなかろうか。そしてこれらが時系列に沿ってまとめられ、相関図付きでビジュアル良く見られるんだからスゴい。

どうしても寄り道で時間がかかりがちなオープンワールドゲームに必要なもの、それは綿密なゲーム内辞書だったんじゃないだろうか。

これまでのFFにない爽快なバトル

ちょっとフェニックス優秀すぎんよ~

思えば、PVやメディアツアーなんかの事前情報で得られた「忙しそう。楽しそう」という印象は、半分合ってて半分間違いだった。実際やった感想は「割とシンプルだったな」というもの。しかし、だからといって単調かと言うとそうではなく、奥深いシステムだった。

クライヴ本人のコンボルートはひとつしかなく、ディレイや連打で変わるということはない。しかし、召喚獣のフィートやアビリティと組み合わせることによって「ぼくの考えた最強のコンボ」が展開できる。

エリアルで固めたり、チャージショットでダウンを狙ってからのモータルブロウ→インファイト、テイクダウン中でのDPS高めのコンボやウィルを稼ぐための立ち回りなど、状況に応じての動きが可能だ。

そして何より、その要求に答えてくれるレスポンスと操作性の良さが妙。とにかく気持ちよく、最高に楽しい。

ここまで引きつけてディレイでカウンター、この距離をスナッチして突進で固めて吹き飛ばしキャンセルからの範囲・・・・・・みたいな、頭で思い描いた動きができるのだ。アクションゲームにおいてこの「ぼくの考えた最強のコンボ」ができるのはかなり印象が良い。狙い通りに行くと楽しい!

泥でも舐めてろ!

そしてこのバトルシステム、特にすごいなと思ったのがアクションの練度に関わらずユーザーを歓迎しているところだ。

アクションが下手な人には「簡単操作でド派手なバトル」を提供し、アクションが上手な人には「もっとこうしたいですよね?」という欲に対応している。こういったものは得てしてどっちつかずになりがちだが、本作のバトルは良い塩梅、バランス感覚で作られていると感じる。

絶妙なのはやはり、「オートマチックモード(簡単操作)はつまらないからしたくない。細かいコマンドはできない。でもかっこよくプレイしたい」というめんどくさいアクション下手でさえ満足できるような作りであることだ。

とにかくバトルに限らず「いろんな人に幅広く楽しんで遊んでもらいたい」という強烈な熱意が伝わってくるゲームだと思う。

ほぼDMC

さて、コンバットディレクターが『デビル メイ クライ5』と『ドラゴンズドグマ』を担当した人なため、当然といえばそうだが、やってることはほとんどDMCだった。スナッチ、エアトリック、ロイヤルガード、ハイローラー、スプリット、エネステ・・・・・・とにかく、DMCで見たあれこれのオンパレードだった。

しかし、だからといって劣化DMCなのかと言われるとそれは明確にNOだ。

基本のアクションや動作はDMCだが、召喚獣というFF独自のシステムにより差別化が図られている。似たようなゲームだと「じゃあ◯◯でいいじゃん」となりがちだが、本作は「じゃあDMCでいいじゃん」とはならなかった。ただの似たゲームで終わること無く、それぞれに良さがあるのは間違いない。

極限の臨場感を伴った召喚獣バトル

ここがFF16の醍醐味

本作で最も面白い部分は何かといえば、それはやはり大迫力の「召喚獣バトル」だ。

事前にかなりプロモーションしていた部分だが、大迫力とかそういう表現に嘘偽りはなく、戦闘中に思わず何度も「すげえ!」と言ってしまうような内容だった。ムービーではなく、自分が操作できる画面でコレが展開されるのは本当にすごい。

正直言うとガルーダやイフリート戦はそこまでの感動はなかった。もちろん感動したし楽しかったし、満足行く内容ではあるものの「はえ~すっごい」レベル。

だがやはりタイタン戦、というかデビルタイタンだ。これは文字通り息もつかせぬスピード、演出のバトルで鳥肌総立ちだった。召喚獣バトルはほぼイベント戦のようなものだが、しかし適度に挟まれるQTEと削りのフェーズで飽きることはなかった。

ミドルテンポのバトルも「重み」があって良い

バハムート戦もすごかった(小並感)。タイタンで地上を縦横無尽に使ったバトルとは違い、今度の舞台は空。宇宙に行って最終決戦ってマジ?

やはり壮大なムービーで戦うのも良いが、自分がそこに関われる、操作できると全く違う感動がある。QTEの仕様も相まってすべての召喚獣バトルで大満足の気持ちだった。よくこんなスゴいものを作れたなという感動、感心しかない。

スゴいとしか言えない

さて、私はQTEが嫌いだ。というかだいっきらいまである。シンプルにつまらない。ムービー見てたらいきなり「□を押せ!」みたいなのが出てきて、失敗したらゲームオーバー。おもんな! こっちはピーナッツ食べながらムービー見とんねん!

プレイヤーの虚を突くな

なんて思っていた熱烈なQTE(厳密に言うとFF16のそれはQTEではない。一応補足)アンチだったが、本作では楽しんで最後までボタンをぽちぽちしていた。じゃあこれまでのQTEと何が違かったのか、それはやはり演出だ。

FF16のQTEは場面的に違和感が無い。たとえば思わず力が入るシーンで連打、さあここから反撃だという場面で□、「コレやばくね?」という場面でR1と、すべて見ている側の感情に寄り添ったタイミングだった。だからこそ唐突なんて思わないし、成功したときの達成感がある。

テンポも良かった

つまり、QTEがただの作業じゃなく、ゲームに介入できる装置としてちゃんと機能しているのだ。グラフィックがリアルなだけじゃない、インタラクティブな映画みたいだなと思えた。「クライヴを操作している」という当たり前とも言える感覚が明確に得られるQTEは、決して不快なものではなかった。

悪いところ

ダメです

画面の異常な暗さ

見えねえ

ありえないぐらい画面が暗い。暗すぎる。「お前の目が悪いんだろ」とかいうレベルじゃなく本当に暗い。モニターに少しでも光が差そうものなら暗所は視認不可になるぐらい暗い。特にロストウィングとかあのへんのエリアヤバすぎ。

これについては、HDRモニターじゃないからというのもありそうだと思い、友人複数に聞いてみたが、なんと彼らはその環境ですら暗かったそうな。やっぱりこれは普通に暗いんだなと確信した。

もちろん私や彼らに視覚障害があるわけじゃないので、一般的な意見だと思う。意地になって輝度は初期設定の5でやったが、たぶん10にしたほうが良かったんじゃないかといまさらになって感じる。

もしかしたら海外を意識し、向こうの人の目に合わせた明るさにしたのかもしれない。日本人とはそもそも眼球の作りが違うため、見え方が異なるというのは有名な話だ。そのための暗さだったのか?

しかし、そういう面を加味しても「なんでこんな暗いの?」とずっと不満に思いながらプレイしていた。私はこのゲームが大好きだが、ここだけは擁護できない。

拠点探索の謎の不便さ

走ってくれ

主に都市内でのサブクエ中の話。あっちこっち言ったり来たりさせるくせにダッシュがない。ジャンプして飛び降りようとしてもふざけたジャンプ力と見えない壁でダメ(特にダリミル宿場とかで感じた)。なんで?

そもそも拠点自体が広くないので、エーテライトやスプリントが無くても別に問題はない。しかし、わざわざダッシュを使用不可にするのは少し良く分からなかった。こういう謎の不便さはPS2時代のゲーム以下だと思う。

インビンシブルのアクセスもすこぶる悪い。特に植物園とミドの工房がダルい。だったらイベント後に移動させてくれても良かったんじゃないかとは思ったりする。接待しろという話ではなく、基本的にストレスフリーなのに、なぜこういうところにレトロゲームみたいな不便さがあるのかが分からなかった。

ついて回るFF14の影

エクサ踏まないのが偉いのかよ

バトル部分だけでなく、キャラや世界観などにFF14の影響(というか既視感)が見られる。まあ本作のスタッフはほぼFF14開発チームなのでそらそうだろ感。

特に、バトルでの演出は結構マジでFF14で、バルナバスやリクイドフレイムの運動会フェーズが強くそれを感じた。あとはスパチラやフーゴ、タイタンなんかは「キミFF14にいたよね?」と本当に思った(技もそうだし)。バハムートのエーテル開放フェーズは「絶バハかな?」ってなったし、とにかく既視感がスゴい。

もう天地はいいよ・・・・・・

ボス戦の流れも完全にレイドだ。一定量のダメージを与えることでフェーズ以降、時間切れ詠唱のDPSチェック、まんまやってることはレイド。ただこれはボスバトルの演出としてはすごく良いと思えた。

アクションゲームのボスはマンネリしがちだ。向こうのアクションも数に限りがあるから、こちらも決まった行動を繰り返すだけの単調な作業になりがち。そこで、フェーズ以降という展開にすることで最後の最後まで飽きないドキドキがボス戦にはあった。

バルナバスなんかはどんどん攻撃が変わって行って、向こうの設定上の強さ、戦闘狂という背景、気を抜いたらやられるという緊張もろもろが噛み合った最高のボスバトルだったと思う

お前はフロムゲーに出ろ

最終盤に登場するエッダちゃん・・・・・・じゃなくてエッダさんは結構警戒してた。実はお腹の膨らみは赤ちゃんじゃなく、最愛の人の生首じゃないの? なんて。FF14プレイヤーならきっと警戒したはずだ。したよね?

こわい

というふうに楽しいことは楽しかったのだが、FF16らしさの中にFF14っぽさがある・・・・・・のではなく、ほぼ全編通してガワの変わったFF14みを感じる、というのは少し残念だった。

結局、プレイヤーは「これまでにないFF」を求めているということは間違いなく、過去作はそういった「既存のFFらしさ」を踏襲しつつも新しさを提供した結果心に残るゲームとなった。では、FF16はどうだろうかと言えば、FF14のテイストが強すぎて新しさがぼやけていると感じる。

少ないオマージュや、そこはかとない過去作リスペクトは良いフレーバーになるだろう。思わずキャッキャしてしまうファンサービスはやはり嬉しいものだ。しかし、ここまでFF14を擦られるとむしろ鬱陶しくなってしまうのも無理はないと思う。

楽しかったことには楽しかった。しかし、それはそれとしてもっとFF16の独自性が見たかったなと思う。

ジャーナルの不親切さ

少なくない?

FF14だと5件表示できてたのになぜか本作では3つ。これによって何かゲーム的に多大な不都合があるわけではないが、過去作でできていたことがなぜ最新作でできなくなるのかがよく分からない。

地方に行った際、まとめてサブクエを消化したいことは割とあるので、もっと表示件数が多ければなあと思うことが無いわけでもない。これは明確な不満点と言うよりは謎な部分。ジャーナルを多数表示させるのって難しいのかな。

モブハント情報の開示性の低さ

ファミコン時代じゃん

これは最高に意味不明だった。結局、スマホのメモ帳に情報まとめてから現地で探してた。別にジャーナルとかで閲覧できても良くないか?

幸いなことにマップがバカみたいに広いことはないので「だいたいこの辺だったな」で探すことはできるのだが、これだけジャーナル適応外なのがよく分からなかった。むしろこれこそジャーナルに入れるべきでは。

ただひたすらに虚無な周回

ぶっちゃけ苦痛

トロフィーの都合上、2周目をプレイしたのだが、これは本当に虚無だった。これをやることによって、FF16はリプレイ性のない「一度限りのゲーム」なんだなと強く感じた。周回が虚無過ぎる。

というのも、まず周回したところで変化がほとんど無い。敵の強さが上昇したりはするものの、同じくこちらも強くなるので別にやっていることは1周目と変わらない。この「何も変わらない」という部分が辛かった。

他ゲーにおける周回というのは、敵配置が大幅に変わったり、ストーリーの演出が変わったり、1周目では明言されなかったあれこれが追加されたりと言った追加要素がある。というか、じゃないとやる意義が薄いからだ。

しかし一方のFF16と言えばそんなことはなく、本当にただもう1周するだけだった。

もちろん、1周ですべて完結するように作られているという点は大いに評価されるべきだ。圧倒的ボリュームなのに最低3周はしないと話がわからないよなんてことになったら、作る側もやる側も相当疲弊するだろう。そこは分かる。

問題なのは、あまりにも変化が無さすぎるという点だ。そして、一度体験すれば十分だったことをもう一度やるのが苦痛ということもある。

前述した通り、本作の召喚獣バトルというものは非常に画期的で、大興奮間違いなしの最強コンテンツだ。だが、2周目でまったく同じことをやらされると、これはさすがに退屈と言わざるをえない。しかもそこそこ戦闘時間が長いのもさらにキツい。

正直な話、召喚獣バトルは出来レースの勝ちイベントみたいなものなのだから、2周目はいっそスキップできてもよかったんじゃないだろうか? この機能があるなら全然話は変わっただろう。

また、FF14のレイドを踏襲したバトルも2周目では牙を剥いてくる。体力によって展開が変わるというのは、逆に言ってしまえば手順を踏まないと絶対に戦闘が終わらないということでもある。他ゲーでいう、超強化してワンパンで終わらせることはできないのだ。

被ダメも少なく、与ダメは大きい状況で、少し殴ってイベント、少し殴ってイベントを繰り返す2周目にゲーム的な面白さは何も無い。ファイナルファンタジーチャレンジなんて名前があるのだったら、何かしら2周目の特典があったらよかったのになと思った。

これがあるせいで「とても面白かったけど二度とやらないゲーム」みたいな扱いになってしまうのは必然だ。少なくとも私はもう起動しないだろう。

その他感想

オーディンかっこいいよね

好きなシーン、キャラとか

このサブクエ一番良かった

言ってしまえば全部好き! なのだが、それだとまたとんでもない文字数になるので、特に印象に残ったキャラなどを紹介したいと思う。本作はメインだけでなく、サブのキャラも非常に印象的で良く覚えている。

エルイーズとテオドールのサブクエは泣いた。クリスタル自治領に潜入する前、グツが商人札を盗まれた辺りに登場する。赤チョコボの看板が目印の人。これが一番記憶に残っているサブクエかもしれない。

ざっくりストーリーを振り返ろう。彼女はもともと才能ある商人のタマゴだったのだが、弟のテオドールが殺されそうになったことをきっかけに家出。そこからベアラー保護を生業とする人生を歩んでいた。

紹介文がもうね

テオドールはと言えばそんな姉に無常の感謝を持って生きていたのだが、ある日、もしかしたら自分は彼女にとって重荷になっているんじゃないかと少し不安になる。自分という存在が、彼女の本当にやりたいことから遠ざけ、「義務」としてのしかかっているのではないかと。

テオドールもエルイーズも、考えていることはお互いの幸せだった。そのために自分が足かせになっていることは嫌だったのだ。

結果的にそれは杞憂だった。もちろん、エルイーズも商人としての道を考えたことはある。今の自分とは違う、新たな人生を考えたことはある。

しかし、それはあくまでひとつの未来空想であり、今を否定する原動力とかではなかった。エルイーズは満足していたのだ。

だが、最後まで彼女らはお互いに思いが伝わらなかった。テオドールは不安を抱えたまま自決し、本心はエルイーズに伝えられないまま。もしかしたら、自分という重荷がなくなる機会でもあったとすら彼は思ってたかもしれない。

ただ、エルイーズ本人はと言えば、彼のせいで人生がめちゃくちゃになったとか、ベアラー保護を義務として行っているとか、そんなことはこれっぽっちも無かった。彼女は、彼と一緒に生きているだけで幸せだったのだ。

お互いがお互いを見ていたはずなのに、その視線は交わらなかった。お互いのことを思いやっていたのに、本当に届けたい気持ちは伝わらなかった。

ダメみたいですね

このどうしようもない切なさが感じられ、思わず泣いてしまった。多くは望まない、ただふたりでいられればそれでいいことすら叶わないまま、ふたりは今生の別れに遭った。

他にも好きなキャラやらシーンはあるが、特に響いたのはこれだった。ただただ切ないね。

ラスボスの演出がすげー良かった

オールスターバトルっていいよね

終わり良ければ全て良し。それは物語の締めもそうだが、バトルもそうでなくてはならない。全力でボコれる存在がラスボスじゃないと気持ちよくない。心から昂ぶる戦いじゃないと満足できない。ということで大詰めのラスボス戦、結果から言えば最高だった。

アルテマの分身としての力と、クライヴがこれまでに喰らった召喚獣のぶつかり合い。これまでのすべてを出し尽くすような展開と演出、そしてQTEはもはや泣きながらやってた。こういうの好きなんスよ・・・・・・。

力がぶつかるたびに待ってくれているみんなの呼びかけが響く。やってることはまんま『ペルソナ3』のニュクス戦なのだが、もうなんか感動しすぎてアツすぎてキツかった。やっぱりこういうのが一番燃える。

そしてセリフについてもくどくならず、テンポが悪いこともなく、意趣返しになっていて面白かった。このゲームの集大成、最後の最後の〆を飾るにふさわしい最高のラストバトルだった。

勢いで見ろ

エンディングについて

ハッキリしろ

ラストのイベントを見ながら、おそらく、本作のエンディングは賛否両論になるだろうなと思った。少なくとも万人が万人、納得して感動はしないと予想できる、そんな人を選ぶものだった。

まず最初に言わせてほしいのは、この物語はハッピーエンドだし、クライヴは生きている、ということだ。そして、私はとても好きな演出だということも伝えたい(思うこともあるけど)。

ただ、本作はエンディングの描写をかなりぼかしているので、そこにはっきりとした答えは無い。あくまで、ゲーム内の描写から「おそらくクライヴは生きている」と考えるのであって、「生きている」とは断言できないのだ。ということで、これは「死んでいる」という説にも同様のことが言える。

いわゆる「どちらともとれる、解釈次第のエンディング」だと思う。けど、私はどれだけ齟齬があったとしてもクライヴが生きていることを信じたい。いやもうシンプルに言おう。

クライヴが死んでジルがひとりきりなんて嫌。

頼むから幸せになってくれ

では、彼が生きているという風に考えるに当たって、その要素をいくつか拾ってみよう。というより、エンディングの描写はこういうことなんじゃないかと、個人的な考えを書きたいと思う。

まず、ジョシュアの最期について。

彼はそもそもアルテマを封印したまま、何度も顕現や半顕現を行うことで自らの肉体がボロボロになってしまっていた。そして最後のひと押しのラストバトル。おそらく、あそこで彼は絶命したのだと思う。

クライヴが彼に向けて魔法を使っていたが、あれは蘇生ではなく治癒。ジョシュア自身が言っていた通り、フェニックスの力を持ってしても蘇生は不可能だ。散ってしまった命を戻すことはできない。

あれは、ここまで頑張ってきたジョシュアへの手向け、せめて体は綺麗なままで逝ってほしいと思った、そういう行為なんじゃないだろうか。そして、ここでジョシュアが死んだという事実は、エンディングの最後に繋がっていく。

RIP

アルテマを倒し、クライヴはロゴス(偽神)になり、創世を行った。クライヴが願ったのは「人が人として生きられる世界」。魔法や、ベアラーや召喚獣なんて存在しない、人間が自分の手で生きていく新たな世界だ。

実際問題、本編からずっと時が経った未来では、魔法はおとぎ話のものだと思われている。火打ち石で火をつけたりと、そこに魔法の面影はもうなくなっている。クライヴの試みは成功したのだ。

しかし、その大きな力を用いることにより、クライヴは体の限界を迎える。いくらミュトス、あるいはロゴスになれる器であろうとも、創世という大きな力の前には反動が大きすぎたのだ。

この時、わたしは「石化が始まって、これから死ぬ予兆だ」と思った。しかし多分、これは間違いで「指先にしか石化が起こらなかった」のではないだろうか。あの時点でもうこの世界にエーテルを奪う存在は無い。ということは石化も進行しようがない。

あのシーンは単に「あー、終わった終わった」みたいな場面なんじゃないだろうか。

魔法も、奇跡もないんだよ

そして場面は移り、インビンシブルへ。ここでミスリードとなるのはガブとジルの涙だと思う。私は初見の時、「あっ、クライヴは死んだんだ」となり一緒に泣いてた。

彼らの涙の理由を推察してみると、まず、ジルは自分の中のシヴァの力が消えたこと、そしてメティアのきらめきから何かを悟ったんじゃないだろうか。消えたことの原因は2つで「クライヴが死んだ」「創生により世界の構造が変わった」のどちらか。ジルは前者を想像したのでは?

ちなみに月≠メティアです

月の傍らに存在する星、メティアに彼女はずっと願いを込めていた。それが光を失ったことにより、願いは成就しなかったと感じた。そこで、クライヴの死を考えた。

そして、ガブはそんなジルを見て「ああ、クライヴは死んでしまったのか。でも、きっとやりきってくれたんだろう」という別れの涙を流したのではないか。

多分ふたりは勘違いしてる

ここまでだと本当に死亡説が濃厚だが、問題はこの後だと思う。

トルガルの遠吠えは追悼の意じゃなく、本能的にどこかにいることを察知してるんじゃないだろうか。サブクエで彼は、クライヴがいなくなってからもずっと探していた旨を伝えていたし、あの場面の遠吠えは少なくともネガティブなものではないと思う。

本作のヒロインことトルガル

そして朝日。これはクライヴが生きていることを示唆するものではないと思うが、「新しい時代が始まった」ということを表しているんじゃないだろうか。ジルは彼がやり遂げたことを肌で感じた・・・・・・のか?

DAWN

あとは最後の本について。ここは明確に「やっぱり生きとるやんけ!」となった描写。

最後の幻想

終盤近くにあったハルポクラテスのサブクエで、クライヴは羽ペンを渡されていた。そして、「戦いに赴くのではなく、君の目で見た世界の物語が聞きたい」と、そう言われていたのだ。戦いが終わり、クライヴが書いた物語、それが「ファイナルファンタジー」なんじゃないだろうか。

では、著者名がなぜクライヴではなくジョシュアなのか。これは、クライヴがジョシュアの名を残そうとしたから、そして、自分は後世に名を語り継がれるような存在ではないと考えたからだろう。

クライヴのやったことは世界の変革、後世から見れば評価は変わるだろうが、少なくともあの時点ではテロに近い行為だ。それは先代シドも言っていたし、彼はそもそも大罪人としての肩書を踏襲していた。

そんな人間が書物を書き、後の世界に名を残すより、今はなきロザリアの大公、フェニックスという存在を継承した、自慢の立派な弟の名前こそ、残したいと考えたんじゃないだろうか。

クライヴは自分を蔑ろにし過ぎ

そして地味に最後のシーンにて、子どもたちがやっている演劇もヒントではあると思う。彼らがやっていたのは「聖女と使徒」。ヴァリスゼアの子どもたちに広く親しまれている物語だ。

これが本編で出てきたのは、ポートイゾルデにてバイロンとクライヴが再会した時だ。死んだと思っていたのに・・・・・・というシーンで、生きていたことを示す理由として行われた演劇、これがわざわざエンディングで用いられるというのは、そういうことなんじゃないだろうか。

ちなみにこのシーンでも泣きました

ということで、私はクライヴ生存説を強く推す。書いててところどころ「んん?」ってなるところはあれど、そこまで的外れで頓珍漢な考察ではないと思う。

「死んだと思わせておいて実は生きていた」という展開はそんなに珍しいものではない。むしろ定番とまで言えるぐらいのミスリード技法だ。これについては好きだし、FF16のエンディングはとても良いものだと思う。脚本はもちろん、米津玄師による『月を見ていた』も最高にマッチしていた。

しかしそれでも、もっとストレートなエンディングでも良かったのではないかと思えてならない。この描写は、それはそれで味のする良いものではある。だが、すべてを終えて笑顔でジルと拠点で出会う・・・・・・そんな真っ当な終わり方でも良かったんじゃないだろうか。

これまでに虐げられ、苦境に立ち、つらい思いをしたクライヴたちが、最後の最後で100点満点の幸福に立ち会っても、良いんじゃないだろうか。そこだけがどうしても腑に落ちなかった。

取得が面倒なトロフィーについて

割と簡単にトロコン可能

寄り道しまくって本編クリアに60時間、トロコンはそこから+15時間という感じ。難易度は低め。取得が辛いものは何一つとしてなかった。「幻想の果て」はめんどくさかったけども。

以下は取得のコツがいるやつとかを紹介。基本的には2周クリア、サブクエをすべてこなし、モブハン全部やって、各召喚獣で多少テクいことをやればトロコンできる。

ミュトス

2周目推奨

全アビ・フィートコンプ。

これは2周目ファイナルファンタジーチャレンジでハイエナ狩りをするのがおすすめ。APアップのアクセを2つ付ければ1分で1200ほど入手できる。1周目ではそこまでAPがうまくないので非推奨。

構成はオーディンにグングニルと天の叢雲(強化済み)。アクセはAPアップ2つ、1枠自由。挑発でハイエナをまとめてグングニル、ゲージが足りなかったら天の叢雲、あとは斬鉄剣5でおしまい。

付近のオベリスクでリポップ

余談だが、普通にクリアする際において本作はいわゆる稼ぎ行為が不要になっている。レベル上げとかAP稼ぎとかは基本的にいらない。楽で助かる。

旅の思い出

収集系トロフィー

思い出の品の全収集。基本的にはサブクエとメインを進める過程で集まるが、2つだけ特殊なものがある。

タルヤの薬箱(右から6番目):
タルヤのサブクエをすべてクリアした後に、彼女に話しかける。

マリアス教の宗教画(一番右):
石塔全制覇。

幻想の果て

虚無すぎるトロフィー

強くてニューゲームの難易度「ファイナルファンタジーチャレンジ」でクリア。敵も自分も同じくらい強化されるので、別に高難度感は無い。

ちなみに、ゴッターダメルンですら序盤の2周目武器に負けるので、1周目でそんな準備とかは必要なし。ただ、1周目ではミュトスと幻想の果て以外のトロフィーをすべて取得できるため、やっておいたほうが良い。

あとこの難易度の特徴としてQTEが非表示になるというものがあるが、別に影響はない。色で分かる。

各種召喚獣やアクセについて

みんな違ってみんな良い

バトルに関する話で言えばやはり、中核を担う召喚獣のことは語るに外せないだろう。戦闘で使えるのは3体、そしてアビリティは各2枠の計6つ。戦闘では3つのフィートと6つのアビリティを駆使して戦うことになる。

本作の召喚獣に産廃はいない。何を使っても本当にそこまで大差はない(差そのものはあるけど)。

こういったゲームでありがちなのは、終盤で手に入るやつが強くて序盤のものは使わなくなる、とか、能力が極端すぎてまったく使われないやつがいる、とかとか。調整が難しいのは重々承知だが、しかしそうなってしまうと悲しい。

しかし、本作はそういうのが無かった。石塔もすべてやった上で言わせてもらうが、ゴミ召喚獣なんてのはいなかった。

もちろん横並びではないけれど

でも大差ないならどれ使えばいいか迷うのでは、という話だが、ここはうまいこと差別化が行われていて、実はそこまで選択肢が多いわけでもない。わかりやすくフィートとアビリティの性能がトレードオフになっているのだ。

たとえばラムウ。

はっきり言ってこのじいちゃんのフィートはカスだ。シュートロックの速度も遅いし、回避もできない。で、雷球を全部貼り付けてすげーアドが取れるかと言うとそういうわけでもない。

ここまでなら「バランスとは?」ってなりそうだが、しかしラムウはかわりにアビリティが非常に強力だ。広範囲高威力強ノックバックのパイルドライブ、杖巻き込みも含めて高威力のサーチ技サンダーストーム、多段技とのコンボでありえないダメージが出るライトニングロッドなどなど・・・・・・。

ラムウを使うことはほぼ無いが、それと同時にラムウのアビリティを使わないということもほぼ無かった。

ロッドが強すぎる

逆に、シヴァはフィートが「ラスボス含む全ての敵を行動不能にする」という、あまりにも強力な効果なためアビリティのだいたいが微妙。

さすが正妻は格が違った

そう思うと、やはりバランスはよく取れてるんじゃないだろうかと思う。例外で、フィートもアビリティも強力な召喚獣としてオーディンがいるものの、まああいつは別枠で良いんじゃなかろうか。ムービーでもえらい強かったし。

事実上最強の召喚獣。一番使った

さて、以下には独断と偏見で、アクセ、それぞれの召喚獣について記載する。プレイ自体はそこそこやったほうだと思うが、それでも完全に研究しきれていないので、間違いのない完全解説とかじゃないのを念頭に置いて読んでほしい。

アクセサリー

バーサーカーリング:
ジャスト回避後の攻撃が強化される。基本的にジャスト回避はかなり多用するのでシンプルに火力アップ。ただ、強化攻撃のせいで画面が見づらいというデメリットがある。

ちからの勲章:
攻撃力アップの素直な性能。ただ源氏の小手に比べると性能は微妙。周回してどんどん強化すれば効果を実感できるかも。

源氏の小手:
ちからの勲章とは違って、攻撃力ではなく与ダメそのものが5%上昇する。ぶっちゃけ確定枠。LBですら影響は大きいので、テイクダウン中の補正も考えると乗算でダメージ効率はかなりおいしいことに。

デモリションリング:
マジックバーストでウィルを削る量が増える。マジックバーストも常に打ち続ける技なため、それの火力が上がるのは嬉しい。しかしアビリティで削る量のほうが大きいため、わざわざ貴重な1枠を潰すかと言われると微妙。

アビリティ強化関係:
基本的に与ダメアップ系ならあり。それ以外は微妙というところ。リキャが短縮されるとかウィルを削る量が増えるとかは優先度低め。例外として闇の引力(斬鉄剣ゲージ回収量アップ)はアリ。むしろオーディンを使うならほぼ必須。

オートスローの指輪:
結局、ゲーム開始からトロコンするまでつけてた。コレを外してまでつけたいアクセは存在しない。

フェニックス&イフリート

とにかくフィートもアビリティも素直な性能で使いやすい。ランジと平面の移動こそ役割がかぶるが、シフトの真骨頂は空中にある。

チャージショットで浮かせ固定、あとはエリアルで確実に倒し切ったりできる。シフトブレイクは初段のみ威力が高いので、基本はチャージショットとシフト、パニッシュで各個撃破していく。

ライジングフレイムがかなりリキャが短く高威力、浮かせも狙えてかなり強力。ヒートウェイブは魔法弾を多用してくる相手には無類の強さを誇るが、活用タイミングは少ない。

イグニッションはかなり便利で強力なアビリティ。テイクダウン中のラッシュも大ダメージが期待できるし、軽量の敵は強制ダウンで巻き込める。

ガルーダ

固有能力が強すぎてスタメンから外せない。エンブレイスはエリアルを活かしたいなら必須だが、ぶっちゃけほぼボス専用技。コイツなしのボス戦は考えられない。

ガウジはエンブレイスとのコンボでほぼウィルを削りきれる優秀な技。しかし、エンブレイスとのコンボ以外ではほぼ用途がない。

ルックスガンビットは個人的にかなり多用した便利なアビリティ。カウンター成功が前提だが、非常にリキャが速く、HPウィルともに削りが優秀。

ラムウ

フィートがカスな代わりにアビリティがすべて優秀。マスターすることによる強化は、最大数増加もそうだけどロックオン速度の増加のが嬉しかった。

パイルドライブはぶっぱすれば敵が溶ける。ただノックバックがハンパじゃないので、イグニッションでまとめてからパイルドライブの間にもうひとつ置きたい(激震がおすすめ)。

サンダーストームは出がやや遅いものの総威力がかなり高めのサーチ技。モーション中は隙だらけなのでぶっぱは怖い。

ライトニングロッドは敵味方の攻撃によって誘爆してダメージを稼いでくれるデトネ系。ルックスガンビットやワインダップなどの多段技との相性がかなり良く、ハマると凄まじいダメージになる。敵の攻撃による誘爆もミソで、その場合は威力の増加が著しい。

タイタン

やってることはロイヤルガード。とにかくパワーで押せ押せ系。フィートは悪くないがカウンター系のアビを使うんだったらダブるし採用は微妙。

ワインダップは最強クラスのアビリティ。こんな短リキャですげえダメージが稼げる。モーションについても文句なし、圧倒的スタメン力。

激震も広範囲打ち上げ技としてかなり優秀。イグニッション→激震→パイルドライブで死なないザコはいない。

レイジングフィストも超強力。だが前面のみガードなのとカウンターの範囲がやや狭いため、なれるまで被弾したりスカったりは割とある。ルックスガンビットとは使いやすさ、威力で差別化されている。

バハムート

ハマれば強いタイプ。ただそこまで準備して時間をかけるかなあという疑問。石塔ではかなり強く思うものの、通常時では他に席を取られる微妙な召喚獣。弱くはないんだけど他が強すぎる。

アビリティはギガフレアだけあればそれでいい。テイクダウンカウントがスローになること、リキャの時間を稼げること、シンプルに高威力なこと、巻き込みがしやすいこと・・・・・・さすがという感じの性能。

シヴァ

フィートは、ジャスト回避することによって一定時間敵を凍結させるというぶっ壊れ技。敵の攻撃が強力なほど凍結時間が伸びるのでそれも追い風。アビリティは他のものより一段微妙なものが多いため、フィートだけを目的に運用する。

オーディン

2周目で特に大活躍、実質的に最強の召喚獣。斬鉄剣はレベル5だけ異常に強く、1~4に大して違いはない。斬鉄剣レベル5は超広範囲+確定死(ボスには固定ダメージ?)とかいう凄まじい性能を誇る。

アクセは闇の引力が必須。2周目で強化すればさらに使いやすくなる。基本ムーブは斬鉄乱舞で斬鉄剣をマックスにしてぶっぱ。ライトニングロッドとの相性が最高なので併用していきたい。

おそらくテイクダウン中のダメージ増加率は影響していないため、使えるときに使うのが良いのかも。

ちょっとこいつだけ強すぎる

さいごに

最高でした

初めてPS5でやるゲームがFF16で良かったと心から思う。

PS5の性能を活かしきった超高品質な、久しぶりに「ゲームってすげえなあ」と思えたこの体験は、きっとこれからも忘れられない上質なものとして記憶に残り続けるだろう。ただひたすらにやってよかったと思える、とても良い作品だった。

FFシリーズというのは長いこと熱心なファンとアンチを抱えた、ゲーム政治論争に巻き込まれるような、良くも悪くも大きいタイトルだ。本作も発売前からすでにネガキャンが多く、そしてたぶん、今もいろいろと言われているのだと思う。

しかし、私はこれをやって後悔なんて無かった。やってよかったと、何度でも言っていきたい。ずっと待ち続けて、その期待を飛び越えた感動をもたらしてくれた本作が私は大好きだ。

自分で選び、自分で楽しむ。そして誰かの言葉ではなく自分の言葉で解釈する。当たり前のそんな遊び方が正しいと、本作をやって改めて理解した。・・・・・・というところで、今後のDLC等を期待して、一度シメとする。面白かった!


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