フランス版 富山ライトレール 「イルドフランストラム4号線」に乗車
こんにちは。あっぷりんぐです。今回は2024年2月にフランスのパリに短期留学していた際に乗車したトラムについて紹介します。
今回紹介するのはパリの北東、セーヌ＝サンドニ県内にあるT4線（イルドフランストラム4号線）です。
この路線、もともとは「Ligne des Coquetiers」（コクティエ線）と呼ばれる、1875年に開業したヘビーレールの路線で、かつては大型の通勤電車が走っていました。
しかし、踏切による交通渋滞の発生や本数の少なさと言った問題を解決するために2003年に一旦廃止され、その後2006年に低床のトラム用車両を用いたライトレールとして生まれ変わったという経緯があります。（wikipediaフランス語版より）
JR富山港線を廃止して、ライトレールに転換した富山ライトレール（現・富山地方鉄道富山港線）と開業した経緯も時期も似ていますね。
さて、T4線に乗りに行くため、まずはパリの中心地、Haussmann駅からRER E線に乗ります。
RER（イル＝ド＝フランス地域圏急行鉄道網）はパリ市内と郊外を結ぶ通勤路線の総称で、パリ市内では地下線を走ります。日本の地下鉄と私鉄の相互直通運転を参考にして作られたそうです。
列車に揺られること20分、T4線の起点となるBondy駅に到着しました。
早速今回乗るT4線のトラムと遭遇です。
しかし、上の画像の車両は回送車両で、営業している車両に乗るにはホームの反対側の端まで歩かなければなりませんでした。
T4線用のホームはRER E線のホームの端に切欠き式で作られていて、JRの駅から分岐する第三セクター線のようです。
本数はBondy駅発は5分に1本程度とかなり多く、待たずにすぐに乗車することができました。
2駅先のLes Coquetiers駅で途中下車。おそらく旧路線名の由来になった駅です。
ところで、上記の写真を見て気付いた方もいるでしょうが、T4線は右側通行です。
フランスは国鉄SNCFが運営している在来線や高速鉄道は左側通行、メトロやトラムは原則右側通行です。ですのでおかしくはないのですが、ただこの路線は昔から今に至るまでSNCFが運行していて、かつもともとはヘビーレールの在来線であったので、当時は左側通行であったはずです。
にもかかわらず今は右側通行なのは、ライトレール化した際にわざわざ他のトラムに合わせて変更したということなのでしょうか…
Les Coquetiers駅から南に少し歩くと、おそらくヘビーレール時代に使用されていたと思われる旧駅舎が保存されています。
ライトレール化前の当時の面影を感じることができました。
さて、後続の列車に乗り、さらに先を目指していきます。
ところで、この路線はRER E線のBondy駅とRER B線のAulnay-sous-Bois駅を結ぶ本線（もともとコクティエ線として開通していた区間）と、途中のGargan駅から分岐して東のHôpital de Montfermei駅に至る、ライトレール化後に開業した支線で構成されています。
そのためBondy駅側から乗車する際は列車によって行き先が分かれるので、利用する際は注意が必要です。
本線と支線の列車が10分おきくらいで交互に来るはずなのですが、私が乗った際はダイヤが乱れていたのかなぜか支線のHôpital de Montfermei行きばかり連続して来ました。
時間がなかったのと単振動することになって面倒なので支線の乗りつぶしは諦め、本線の終点のAulnay-sous-Boi駅に到着。こちらも切欠き式ホームで、いい雰囲気です。
Aulnay-sous-Boi駅はRER B線との接続駅で、シャルル・ド・ゴール空港までここから15分程度で行くことができます。日本からの訪問がしやすくて便利ですね。
この辺りはパリの北郊に位置し、特にRER B線沿線は治安の悪いエリアと言われていますが、駅自体は綺麗で特に危ない雰囲気はありませんでした。
Aulnay-sous-Boi駅から急行に乗って、パリ中心部まで帰りました。RER B線の急行は空港からパリ市内までのアクセスのための列車で、空港からパリ北駅までは途中このAulnay-sous-Boiのみに停車します。
そして無事にパリ市内に到着、晩御飯には中国料理店で重慶小麺をいただきました。（パリ滞在中に一度もフランス料理を食べなかった…）