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たのしい超監視社会/柞刈湯葉


読めました?スラッシュの後。

いすかりゆばさん SF作家です。

ちなみに柞とは、ははそ/こなら・くぬぎ・みずならなどの総称などの意味をもつ漢字。のことらしい。いすかりの漢字変換ができない。湯葉さんと呼ぼう(馴れ馴れしい)

先日神保町の本屋を皇居2周分くらいぐるぐるしている時に見つけた本

「人間たちの話」のハヤカワ文庫。

https://www.amazon.co.jp/dp/B085TB617F/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

表紙がね、日常 CITYのあらゐけいいちさんだったので手に取りました。

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いつか書くけど日常のアニメが本当にすきですきで
それこそ日常的に流してる。割といつでも流れてるし何度見ても見れます。

閑話休題。

湯葉さんの本に初めて出会ったのは横浜駅。
横浜駅で微妙に行きたい場所に出れなくて、
出れたと思ったらまだ室内で、ちょうどいい所にあった本屋さんにふらふらと入りこんで、そこで「横浜駅SF」を見つけました。
夢見がちなのでいつのまにかSFの世界に雪崩れ込んでしまったのかと思った。
ちなみに横浜駅SFは2016年にカクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞していて湯葉さんはそれで商業デビューしていたらしい。

あれから5年、、、しみじみ(勝手に)

今回の人間たちの話は、SF6篇の短編集。
あとがきで解説も湯葉さんが書いておられます。
あとがきでどんな人が自分の小説を読んでいる人がどんな人だかさっぱりわからないと仰っていた。こんな読者です。

気鋭の若手作家と目される湯葉さん、今回私が取り上げた「たのしい超監視社会」は湯葉さん的に冒瀆的パスティーシュ(模倣)。
SF好きの必読書 ジョージ・オーウェルの「1984」
読んだことなくても面白いけど、原作読んでて2021年現代で生活している人間の皆さんは100倍たのしい。
読むのが面倒だったら「中田敦彦 1984」で検索してから読んで欲しい。
「たのしい超監視社会」が500倍たのしくなると思う。

ざっくり説明したら「1984」はジョージさんが1949年(!)に発表したディストピア小説の金字塔的な小説で、地球全体が〈オセアニア〉〈ユーラシア〉〈イースタシア〉の3つの国に分割統治されているうちの、〈オセアニア〉が舞台。

監視社会ときくと「つらくてしんどくてプライバシーがない」とジョージさんは思って、そんな風に支配される恐怖の1984年を想像した。

でも実際にはそんな恐怖の1984年はこなかった。
湯葉さんは、そんな恐怖の1984年がもしきていたら、現代はその延長でどう変わっていたか。をこれまたリアルにたのしく想像させてくれてしまった。

舞台は2019年〈イースタシア〉

主人公は学生の青年。
既に完璧な管理社会はぐだぐだになり、
それでも社会は「たのしい超監視社会」によって維持管理されている。
なぜなら、監視は「超たのしい」から?!

青年や友人で軍人の大村のしたたかさ
監視社会をたくましく生きる田邉をはじめ女性陣を
くすくすと笑っているうちに、なんだかひんやりとした恐怖を感じる。
なぜなら2021年現代に生きる私たちは図らずも「たのしく超監視社会」を作っているから。


もちろん他の短編もひとつひとつ楽しい。
記念日とか特にすき。
でもこの「たのしい超監視社会」を読んで
少しぞわっとする感じぜひ味わってほしい。


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紹介ってどこまでしたらいいかわからないね。


人間って基本的に自分のことが好きだと思うのだけど。


だから人の幸せな瞬間ばかりがあふれるInstagramも
不満や愚痴の垂れ流されるTwitterも
どちらかというと発信している側が気持ちいいから流行ると思う。
本当に文字通り感染するように流行る。
それこそnoteもそうだけれど。 


5Gは超高速大容量超多数端末接続超低遅延超高信頼性っていう。
文字や画像の方がストレスなくアップロード出来てたけど、
技術革新はstoryのアップロードや自己顕示欲の強化に多用されるし
必要とされる。もう少ししたらこういう思った事も文字より動画がメインになるのかな。


承認欲求もそうだけど、悪い噂で爪弾きにされて殺されない様に自分を価値ある人間だってアピールするための本能だって説もあるよね。
どちらの理論でも、「どれだけ自己アピールを上手にできるか」「自己満足なのに相手の為っぽくできるか」みたいなところがあって。

もし監視社会になっても、
いや、ならなくても、「見られること」に価値を見出せた方が得って考え方はでてくる。

そして、「見られること」は超たのしい。

だから「たのしい超監視社会」は恐ろしくて、どうにも魅力的なのだ。


みてみて。

湯葉さんのサイトはこちら https://yubais.net/

まだ読了していない湯葉さんの本がいくつかあって
とても嬉しいのでほくほくで読みます。

ウォッチングユー。

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