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夏の始まりに、彩りをくれるのは
朝から日本の夏の本気を感じる毎日。
年々、夏の始まりにあまり気分が上がらなくなっているのは、
警報級の猛暑に、情緒など感じていられないからか、もうすぐ夏休み!という、ワクワクした小学生の気持ちを忘れてしまったからなのか…。
いや、大人には大人の楽しみがあるはず、と夏の始まりに彩りをくれるものを考えた。
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アイスフロート
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コーヒーだけじゃ物足りないけど、甘いおやつの気分じゃないよな…という時の「アイスフロート」の存在は偉大だ。
ガツンと濃いブラックコーヒーとも、スッキリとしたカフェラテとの組み合わせも、どちらもすき。
まだ硬いアイスをすくって食べるのも、アイスがゆっくりと溶けて甘くなっていくのも、最後のひとくちまで美味しい。
そういえば、最近行ったコメダでも、アイスコーヒーにアイスを欲張ってしまったのだった。この時期ならでは楽しみ、アイスフロートへの愛はとまらない。
読書
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楽しみにしていた標野凪さんの新刊「いつだって喫茶ドードーでひとやすみ」。
おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」は、日常のなかで、モヤモヤを抱えた人たちにそっと寄り添い、心を穏やかにしてくれる。
なにより、カフェ好きはときめかずにはいられないはず。
疲れた時にも本の世界に入りやすい短編集は、おやつ時間のお供に最適だ。
そっとスプーンを入れると、その断面にまたソースが絡んだ。
「ひんやりしていて、カラメルの苦味もいい感じです。お酒が入っています?」と頬に手を置いたまま顔を上げた。
「やりきれない気持ちを持つのは、がんばっているからです。複雑な想いなんです。だからカラメルには、何種類かのお酒を加えたんですよ」
標野凪(著)
夏の雲
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つい空を見上げて眺めてしまう、大きな白い雲。絵の具で書いたような雲の色や形は、時間とともにどんとん変わっていくからおもしろい。
花火
地元の花火大会にいってきた。
小規模だから、観光目的で来る人はほとんどいない。ほとんどがこのまちに住んでいる人、住んでいた人たち、と思うと、赤の他人なのに、勝手に距離が近く感じる。
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子どもからお年寄りまで、みんなが同じ空を見上げている風景。
花火を見ると、「何年経っても思い出してしまうな」という歌詞が浮かぶ。
夏の「戻れないあの一瞬」って、一年の中でも特に心がギュッとなる。
大人になったからこそ、良さを感じられるものも、きっとたくさんあるはずだ。
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