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名古屋の喫茶室で、新しい「あんバター」を

2023年12月にオープンした「イトウ珈琲喫茶室」にいってきました。1951年創業の「イトウ珈琲商会」が新しくオープンした喫茶店です。

お店は、名古屋駅から地下鉄桜通線で6分の「高岳駅」から徒歩5分ほど。都会の喧騒から離れ、のんびり過ごすのにちょうどいい距離感。近くにある「トランクコーヒー」や「喫茶ボンボン」もお気に入りのお店です。

「イトウ珈琲商会」は、業務用コーヒー卸売業を中心に、70年以上にわたり名古屋のコーヒー文化を支えてきた歴史を持つ老舗コーヒーショップ。

喫茶室に併設している本店には、コーヒー豆はもちろん、レトロなコーヒーグッズやドリップパックなどが所狭しと並んでいました。こちらでは、気になった生豆をその場で焙煎してもらい、購入ができるそう!

ガレージを改装した「イトウ珈琲喫茶室」の店舗は奥に長く、入ってすぐのカウンターで注文するスタイルでした。

席数はそこまで多くないものの、天井が高いので開放感のある空間。また、カウンター席があるので1人でもゆったり過ごせます。

コーヒー豆が敷き詰められたテーブル、白い食器、無機質な内装、あたたかみのある喫茶店らしい椅子。

あとから、閉店した老舗喫茶店で使われていたテーブルと椅子を引き継いでいると知りました。

モダンでかっこいい空間と、老舗喫茶店らしいやわらかさが交わる空間。

そしてもうひとつ。天井にある「イトウ珈琲喫茶室1951」のモビール。空調の風で回るのに合わせて、影もゆらゆらと揺れています。

これが、しばらく見入ってしまうほど絶妙な動きをしていて。「モビールを吊るそうと考えた人、天才!」と心の中で拍手。

いただいたのは、看板メニューの「プチやま 小倉バター」。

名古屋の喫茶文化を象徴するような小倉トーストを、喫茶室流にアレンジした一品。こんがりとトーストされたパンと、程よい甘さのあんバターの相性はぴったり。

パン、餡子、バター、それぞれご当地のものを使っているところにもこだわりを感じます。

あんバターって、たまに無性に食べたくなるときがあるんですよね。おやつとしてちょっと食べたい!という気分にぴったりなサイズ感が最高。ありそうでなかったものを生み出すセンスに感動しつつ、あっという間に食べてしまいました。

一緒にいただいたのは、「OFFの珈琲」。こちらも名古屋の喫茶店文化を象徴するようなどっしりとした味わい。Sサイズでもたっぷり入っていて嬉しいです。

こちらのホット珈琲は、時間によってブレンドの種類が変わります。13時頃までは「1日のスタートにピッタリ」という「ONの珈琲」。

エスプレッソメニューは、希少価値の高いカラコールという豆を使用しているそう。他にはない唯一無二のメニューで、気になるものばかり!

近所のおばさま方が話していたり、サラリーマンが休憩がてら立ち寄っていたり。私を含めておひとりさまもちらほら。

訪れた人たちが、思い思いの時間を過ごしている光景は、日常の延長に存在する街の喫茶店ならでは。

雨の日も悪くないなあ、と思いながら、ぼーっとしたり、本を読んだりしてまったりと過ごせました。

これまでの伝統を継承しつつ、新しい物を発信していく街の喫茶店。止まり木のようにふらっと立ち寄りたくなる居心地の良さもありながら、他にはない尖ったセンスを感じる素敵なお店でした。

平日×雨のチャンスを狙って、またのんびりとした時間を過ごしたいです。

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