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バスケ選手&コーチ必見!これで膝の靱帯のケガのリスクを減らせます〈要素編〉

どうすれば膝のケガをしなくなるのか?

ただただ闇雲に筋肉を増やすことだけが正解なのか?


イントロダクション

前回の記事で膝のケガをしやすい理由について簡単に二つ、書きました。

で、理由はわかったけどじゃあどんなことを意識すればいいの?という疑問が浮かび上がってくると思います。

ごもっとも。

今回の記事では膝のケガを減らすのに必要な要素を書いていきます。

これを読むことで、膝のケガを減らすのに重要な役割を担うものは何か?がわかります。

もちろん、今回の記事で書くことだけが答えではありません。

大事なのでもう一度言います。

今回の記事で書くことだけが答えではありません。

ありませんが、参考にはなると思いますのでぜひ興味のある方はこのまま読み進めていってください。

膝の怪我予防にこれは絶対外せない。それは何かというと、

股関節の内転・内旋・屈曲ができること

そのための可動域をしっかり確保していること。

股関節の内転・内旋・屈曲って言われてもよくわからない。どういう動き?ってなると思います。

股関節の内転・内旋・屈曲は太ももを固定した状態で骨盤を後ろに引く動きです。

前回のバスケ×ミット打ちセミナーより。緑の矢印が股関節の内転・内旋・屈曲。

この動きは股関節の引き込みと呼んだりもします。


股関節(赤丸)を後ろに引き込むから股関節の引き込み。

股関節の引き込みができることで得られるメリット。

それは、

膝の安定性の向上

股関節が引き込まれると、脚を後ろに蹴るのに使われる大臀筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(もも裏の筋肉)が伸ばされます。

これらが伸ばされながら力を発揮することにより、膝が過剰に動くことを防いでくれます。

前回のブログにも書きましたが、膝がケガをする理由の一つは股関節の動きなく膝が動きすぎること。

これを防止するには、股関節の引き込みが有効です。

股関節をしっかり引き込めることで、減速やストップ、切り返しの局面で膝に無理な動きを強いることが減ります。

次に紹介するのは、膝の怪我予防で見落とされがちな要素。

それは足首の可動域&固定力の確保

要は、足首を自在に動かせる上に、その角度でしっかり固定できること、が重要なのです。

意外に見落とされがちだと思うのですが、足首の可動域は膝のケガとめっちゃ繋がりがあります。

特に、肌感覚ですがバスケ選手はこの足首の重要性を甘く見てるが故に膝の怪我のリスクが高くなっている人が多いように思えます。

なぜ関係があるのか?

膝の動きというのは股関節と足首の動きである程度決まります。

単純に真っ直ぐ前に走っている状況を想像してみてください。

①脚が上がった状態+膝が90度曲がった状態+つま先が90度曲がった状態
②脚が上がった状態+膝が45度ほど曲がった状態+つま先が90度より上がった状態

①②はそれぞれ、その後加速と減速、どちらに適している関節の位置でしょうか?






答えは
①加速
②減速

です。

①加速。股関節、膝関節、足首ともに曲がっている


②減速。股関節は曲がっているが、膝は軽く曲がっている程度。つま先は90度より上向き。

静止画だけで一場面だけを切り取って判断するのはナンセンスですが、ざっくりとした見方はできます。

股関節というのは、パワーハウスとの異名を持つくらいなので力の出す役割を持っています。

膝関節は、その力を末端に伝える仲介役。

足首は、最終的に力を伝える方向を決定するパート。

つまり、

(股関節)力を出す

(膝)力を伝達する

(足首)力の方向を確定する

という三者三様の役割を持っているのです。

なので、足首が目的の方向に力を伝えられないと股関節が生み出した力がスムーズに伝わらなくなり、力の伝達をする膝に大きな負担がかかってしまうのです。

最悪、切れます。靭帯が。

この足首がいいポジションで固まっていないが故にしっかり止まれなくて膝の靱帯を切るというのをよく見かけます。

そもそも、足首をいいポジションで固めるってそんな難しいことなのかと疑問に持つ方もいるかもしれません。

難しくしちゃってるんです、自分たちが。

関節的に膝の怪我に繋がってしまう要素。これは由々しき問題だ。

バスケで多い怪我は圧倒的に足首の捻挫。

軽度なものから重症なものまで様々。

軽度なものはちょっと靭帯が伸びたくらい。

重症なものは完全に切れてしまい、スポーツに復帰するのなら手術を要するものまである。

この足首の捻挫を舐めすぎているコーチや選手のなんと多いこと!!(急に怒り口調)

ちょっと落ち着いて解説をします。

捻挫に限らず、人はケガをするとその周囲の筋肉や関節が硬くなります。

治癒を早めるために、動かさないようにする防衛反応です。

足首の捻挫の場合もこの反応は当然起こります。必要だから。

でも、いつまでも固まったままだと復帰できない。だから、炎症が治って痛みが引いたら、今度は動かせるように柔軟性をあげ、トレーニングで筋力を取り戻していき、スポーツ特有の複雑な動きもできるようにしていく。

超ざっくりだけどこれがリハビリの流れ。(リハビリの専門家の方、突っ込まないでください。)

ここまでしっかりリハビリをすれば、足首の可動域も元通り。求められる動きに応じて、足首の角度を調整して、固めることができる。

しかし、このリハビリをしっかりやらないケースが多い。

選手も、コーチも捻挫を大したケガじゃないと思っていることが多いからだ。

捻挫をしても、ちょっとびっこを引くくらいならそのまま継続しても大丈夫、なんならテーピングを巻けば復帰できるっしょ。くらいにしか捉えていないことが多い。

しかし、本当に軽度の捻挫以外、つまりは一瞬痛かったけどその後何もなかったかのように歩ける場合以外は数日休ませて、リハビリすることが必要な怪我なんです。

それをしないで無理やり練習を続行しちゃうとどうなるか?

防衛反応は発動するので、足首の可動域は制限されたまま。
可動域が制限されているので、求める動きに応じた位置に足首を固めることが困難に。

すると、例えば止まりたい時に、適した位置に足首が固まってくれない
→股関節が出した力と地面に伝わる力の方向の不一致が起きる
→その不一致の影響は力の伝達を担う膝が一番影響を受ける

という悪いフローにつながるのです。

忘れてきた頃だと思うので、もう一度書きます。

今回の記事で書くことだけが答えではありません。

でも、この「足首捻挫軽視問題」は結構まだまだ根深いのではないかなというのが私の感想。

足首の捻挫を軽視して、膝の靱帯を損傷してしまったらこっちの方がリハビリ期間が長くなることは多いです。もちろん、足首の捻挫で靱帯を完全、もしくはかなりの部分断裂をしてしまった場合はリハビリには長期間を要します。

ですが、経験則ですが足首より膝のリハビリの方が期間を要するケースが多い。

足首の捻挫後に適切な処置をしないことも膝の靱帯の怪我につながってしまうことを今一度理解していただければと思います!

まとめ

今回は膝の怪我予防に必要な要素について書きました。

  1. 股関節の引き込み(内転・内旋・屈曲)ができること

  2. 足首の可動域と固定力があること

  3. 足首捻挫後の適切なリハビリ

③以外は全ての選手が対象になります。

膝の靱帯を怪我しないためにも、普段からこれらの要素を意識していきましょう。

ということで、次回はこれらの要素を踏まえたトレーニングを紹介していきたいと思います。

楽しみにしていてください。

では。

参考記事

「方向転換&切り返し」

「横方向の加速・減速」

「多方向への減速」

妻のブログ

関節調整スペシャリストとして、大手フィットネスクラブで50店舗中No.1の売上を叩き出したノウハウ、接客スキルなどについて書かれています。


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