予習復習、2027年ミュンスターへの旅
“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけのもと、「ナビゲーター」と、公募で集まった「メンバー」がチームとなり、リサーチや実験を繰り返しながら新たなプロジェクトの核をつくる試み、「東京プロジェクトスタディ」。3年目となる2020年度は3つのスタディが参加者募集中です(8/5締切)。
今回は久しぶりにスタディマネージャーを担当することになりました。担当はスタデイ2、「トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト|
2027年ミュンスターへの旅」。村上愛佳とダブルマネージャーとなります。今年で3年目となる継続スタディに途中参加。なので追いつくために予習復習したいと思います。
まず、スタディマネージャーとは
アートプロジェクト運営経験のあるアーツカウンシル東京のプログラムオフィサーがスタディマネージャーとして伴走します。都内アートNPOと協働で展開する東京アートポイント計画事業で蓄積されたノウハウを活用しながら、スタディをサポートします。
です。すでに2年走っているスタディに伴走するにはこれまでの思考と試行のプロセスを復習しておく必要があります。どんなスタディか。
スタディのナビゲーターは、居間 theater(パフォーマンスプロジェクト)と佐藤慎也さん(建築家、日本大学理工学部建築学科教授)。これまで東京アートポイント計画でも「アトレウス家」シリーズなど数々のアートプロジェクトをともに「つくる」してきました。
スタディにおけるナビゲーターとは
アーティスト、ディレクター、デザイナーなど、関心や属性の異なる「つくり手」が担当。スタディテーマを設定し、「つくる」ために必要なリサーチや実践を検討し、チームで進めていくときの旗振り役。
です。幸いなことに、いかに「つくる」までの紆余曲折とチャレンジを経験するか、が醍醐味の東京プロジェクトスタディではプロセスについてのアーカイブやコンテンツがたくさんあります。
今年の紹介映像ではスタディの契機、これまでの道のり、今年の取り組みについてわかりやすく説明しています。パフォーマンスプロジェクトならではの6分半、ぜひご覧ください。
なるほど。そもそもことの起こりはナビゲーターのみなさんが10年に1度の芸術祭「ミュンスター・スカルプチャー・プロジェクト」(2017)に行って感動したところから、ということですね。
私はその10年前、2007年に訪れました。思い出すべく古いハードディスクの「2007」のフォルダを開いてみたところ、何点か写真が。(トップ画像はブルース・ナウマンの「Square Depression」です。)当時はまだ「ミュンスター彫刻プロジェクト」と漢字で理解していて、物体としての彫刻作品があって自転車で巡る、という理解で訪ねたものの、橋の見える風景でスピーカーから流れる歌を聞く作品(スーザン・フィリップス「The Lost Reflection」)や、街の往来でただただ飴を配る人(そもそも出品作品だったのかもわからず)に出くわして価値観が爽快に揺らいだものです。
2020年の東京はあらゆる角度から価値観の揺らぎが進行しています。これまでのやり方は通用しないかもしれない。ならば、新たなアプローチを「つくる」必要がある。この「必要」はことの大小に限らず、誰もが当事者となっていると感じています。ナビゲーターのメッセージからは戸惑いながらも新たな表現へ挑む姿勢と意思が伝わってきます。
スタディはナビゲーターや様々なジャンルで活動するゲストアーティストとともに、問いと向き合って試してみる時間です。2020年の「つくる」経験は、代え難いものになるはずです。ご応募お待ちしています。
【予習復習|活動のわかるコンテンツ】
・2018年度アーカイブサイト
・2019年度アーカイブサイト
・ミュンスター彫刻プロジェクト2017を振り返る(居間 theater note)
・2019年度試演会
・2020年度ナビゲーターメッセージ