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#ネタバレ 映画「ミッドナイトスワン」
「ミッドナイトスワン」
2020年作品
ヒナは最初に見たものを親だと思う
2020/12/3 17:48 by さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
草なぎ剛さんの映画は私の肌にも会うものが多いので、これも興味がありましたが、やっと観ることが出来ました。
ロングランを続けているだけあって、やはり完成度の高い作品です。
日本映画というよりも、中国あたりの情念の濃さを感じますね。でも、どろりとした中国映画まではいかず、と言ったところでしょうか。
しかし、ファンだと言っても、124分間女装した草薙さんを観ているのは苦痛かもと、失礼ながら思っていましたが、意外にも親子の物語になっており、娘役の服部樹咲さん14歳との二人三脚でしたので、安心しました。
★★★★
追記 ( ヒナは最初に見たものを親だと思う )
2020/12/3 21:35 by さくらんぼ
あるいは「親鳥は最初に見たヒナを子だと思う」、
又は、その両方が課せられるのか。
追記Ⅱ ( 運命の舞台 )
2020/12/5 10:41 by さくらんぼ
家族ともうまく行かない孤独なトランスジェンダーの主人公・凪沙(草なぎ剛さん)と、凪沙が短期間あずかることになった、育児放棄されていた親戚の一果(服部樹咲さん)は、愛を求めるも上手くいかず屈折した感情を持つに至った者と、愛を知らずに育った者です。
共に愛でつまづいた、子ども嫌いの凪沙と大人嫌いの一果でしたが、似たようなトラウマを持つ者同士、反発しながらも、深層的には、どこか引かれ合うものがあったのだと思います。
ある日、一果は友だちの誘いでバレエ教室に通うようになります。学費はバイトをして。もちろん凪沙には内緒です。
そして、何日か過ぎた頃、わけあって凪沙は一果を自分の職場へ連れて行きます。そこで偶然、凪沙のダンスを見る一果。この瞬間がおそらく「ヒナが親を見た瞬間」でしょう。下手な踊りでも親は親なのです(ここには重層的な暗喩もありそうですね)。
ところが、その日は泥酔した客が「ダンスが下手だ」とクレームをつけて大騒ぎになったのです。
その騒ぎの最中、「(隠れた才能があり)私の方が上手だわ」と密かに思っていたらしい一果は、勝手に舞台で踊りだすのです(ここにも重層的な暗喩がありそうです)。
その姿を、皆は喧嘩をやめて見つめるのでした。
これが「親がヒナを子だと思った」瞬間ですね。
この日を境に、二人の関係が進展していったように思います。
追記Ⅲ ( 映画「ステージ・マザー」 )
2021/3/20 9:45 by さくらんぼ
「日本アカデミー賞」おめでとうございます。
この映画「ミッドナイトスワン」は素晴らしい出来栄えで、海外の一流作品とも勝負できるものです。
しかし、授賞理由の背景には昨今の同性婚問題もあるのだと思います。
ちなみに、映画「ミッドナイトスワン」がLGBT本人の哀しみを描いていたのなら、映画「ステージ・マザー」はLGBTの家族の哀しみを描いていました。
両方で一対として鑑賞されると良いと思います。
追記Ⅳ 2022.5.28 ( お借りした画像は )
キーワード「鳥」でご縁がありました。イメージにどおりの絵ですね。少しだけ拡大しました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)