#ネタバレ 映画「パリの確率」
「パリの確率」
1999年作品
あの街へ行ってみたい
2016/4/14 8:37 by さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
フレンチSFばんざい ですね。
細かいことを言えばどっかの映画のパロディーが入っていますが、そんなことを言うことが野暮になるくらい不思議な仕上がりです。
肩の力が抜けているんです。粋ですね。
ふらんすの 伝統文化の力 なんですね。
私は昔からふらんす映画に一目置いていましたが、それはいよいよ確信に変わりました。
砂に埋もれたふらんすの不思議でやすらかな魅力をどうぞ!!!
《 これは2001/1/25 by「まちのひ」(「さくらんぼ」の旧H.N.)を、リンク切れのため再掲したものです。 》
追記 ( この人となら砂漠でも幸せになれる )
2016/4/16 14:53 by さくらんぼ
「 年越しパーティに彼女と出かけた“大人になれない主人公”。
彼女から“子どもが欲しい”と言われてトイレへ逃げ込む。すると天井の隙間から砂がもれてくる。
登ってみると、未来のパリへタイムスリップ。そこは、なんと砂漠の街になっていた。 美しくもシュールな砂に埋もれたパリ。しばらく歩くと、主人公は自分の孫に出会う… 」。
映画はそんなあらすじでした。
トイレは問題を解決する場所の記号。お腹が痛い時も、独り泣きたい時もトイレに行くから。砂漠の記号は“東京砂漠”という言葉もありましたので、なんとなくわかりますね。渇き、孤独、そんな意味。
主人公は砂漠のパリで、未来の孫たちに囲まれ、幸せな晩年を送っている自分を見たのです。
もし結婚することが怖いとしたら“本当にこの人が運命の人なのか”と疑うからかもしれません。
この人が幸せになれる運命の人だと確認できたら、安心して結婚できるのかも。
砂漠のパリから現代に戻って来た主人公は、今、恋人と肩を並べ、アパートのテラスからパリの街並みを眺めています。すでに冬の華のように、チラチラと砂が舞い始めています。しかし、これからパリがどのように変わろうとも、彼女と二人なら、未来はとても幸せなのです。
この映画は、気弱な男の子の“結婚という背中”を押してくれる小粋な作品でした。まさしく埋もれさせたくない佳作。
この映画を観た当時、そんな事を思った私でした。
追記Ⅱ ( あの街へ行ってみたい )
2021/4/25 17:43 by さくらんぼ
雨が降り続いて東京が水没してしまうとか、
大津波で世界の大半が海になってしまうとか、
そんな映画はヒットしましたが、
フランスが砂漠になってしまうというシュールなこのお話、
なぜ、この斬新が消えていくのでしょう。
追記Ⅲ 2022.6.20 ( どこにもない夢の街 )
映画「プリシラ」は、オーストラリアの広大な荒野を、ドラッグクイーンを乗せたバスがひた走る物語です。
広大な荒野とか砂漠は心のバランスをこわすから、中和するために強力な人工物が必要で、それがラスベガスとか、バスになっているようです。
ちなみに、この荒野は、ドラッグクイーンたちが、差別的な世間に感じる心象風景のようです。
同様に、 映画「パリの確率」では、砂漠とパリという正反対が合体することで、そのどちらでもない夢の街が誕生しているのです。
追記Ⅳ 2022.6.20 ( お借りした画像は )
キーワード「砂漠」でご縁がありました。ふわふわの白砂と、人工物の対比がほっとさせますね。少し上下しました。ありがとうございました
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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