#ネタバレ 映画「百万円と苦虫女」
「百万円と苦虫女」
2008年作品
カーテンは開け閉めするもの
2008/7/25 22:21 by 未登録ユーザ さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
ルームメイトの荷物を捨ててしまい警察に捕まった鈴子。
「私は悪くない」を刑事の前で繰り返しました。
でも、罰金20万円(だったかな)を言い渡されます。
「私は悪くないんだから、払うつもりはありません」と鈴子(状況からの想像です)。
すると拘置所へ・・・。
ところで、このドラマは「カーテン」がポイントのようです。鈴子が一生懸命手作りしていた。
カーテンは「部屋(心の暗喩)」を外から見えないように隠す道具です。
鈴子も、弟も、被害者自らが切れて、逆に加害者になるまで、自分の心を隠していました。
でも、そんな生き方で良いのでしょうか。
心のカーテンは時々開け、周りの人に部屋(心)の中を見せるのが、上手い生き方だと思います。
被害者は被害者でいる内に「被害者宣言」をすべきだと思いました。
「心の傷は言ったもんがち」とかいう本も有ったように記憶しています。(タイトルだけ拝借します。)
そのあたりの「カーテンの開け閉め」が、鈴子も弟もヘタでした。恋人もです。
ラストなど大声で叫んでいたら・・・。
そう言えば、小津監督の名作「東京物語」の最初と最後に、主人公の老夫婦の部屋が映ります。
画面中央に大きな窓があります。
窓は開けられ、カーテンも全開(無かったかも)です。
そこへ近所の人が通りかかり、窓越しに世間話を少し楽しむのです。
現代人ならきっと窓に鍵をかけ、カーテンかブラインドをしていたことでしょう。ちょっとかなしいことです。
私も心のモヤモヤは、早めに上司に聞いてもらおうと思います。
でも・・・それも勇気が要るんですね。
追記
2008/7/26 6:12 by 未登録ユーザさくらんぼ
> カーテンは「部屋(心の暗喩)」を外から見えないように隠す道具です。
> 鈴子も、弟も、被害者自らが切れて、逆に加害者になるまで、自分の心を隠していました。
それに対し、バイト先などで出会う大人たちのほとんどは、自己表現に長けています。
カキ氷が上手だとか、桃のもぎ方が上手だとか、君たちは同い年だとか、同じ学校だとか。はたまた仕事の注意をするときのクドサも、そのひとつでした。
そんな中で、一生懸命ながら生き方が下手な主人公たち。
その対比はふと思ったのですが、健さん映画を思い出しました。
蒼井優さん、健さんを演じる!?
追記Ⅱ
2008/8/1 21:33 by さくらんぼ
そう言えば、この刑事も、海の家のオヤジや、桃農家のお母さんも、ホームセンターの上司の様に雄弁でしたね。
「やったのか?」とか、「罰金○万円」なども、「雄弁」をモチーフにしたシナリオだったのかもしれません。
追記Ⅲ 2022.9.16 ( お借りした画像は )
キーワード「引っ越し」でご縁がありました。とてもなごみのある絵ですね。そのままでも良かったのですが、少しだけ倍率を上げ、左右しました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)