#ネタバレ 映画「不都合な理想の夫婦」
「不都合な理想の夫婦」
2019年作品 イギリス
2022.5.7
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
前知識はありませんでしたが、なんとなく映画館では評判が良さそうな気配。
それで観に行ってきました。
私は女ごころが分かりませんので、心配を引きずりながら。
地味に始まる映画でした。
しかし、次第に目が離せなくなっていきます。
終盤になると、幽霊でも出て来そうな雰囲気も。
チラシに傑作心理スリラーとの文言が躍りますが、まんざら嘘ではありません。馬が謎です。
この作品、もう一度、舐めるように見直したくなる逸品でした。
★★★★☆
追記 2022.5.7 ( 子はかすがい )
性格の不一致みたいな夫婦。
ラストの妻は離婚寸前、爆発しそうに見えましたが、二人の子供は父が大好きなので、子どものために、やり直しそうな気配も感じさせました。解釈の分かれるエンディングです。
追記Ⅲ 2022.5.7 (「SDGs」)
パイプに流体を流すときは、流量等に応じて、最適な太さというものが決まります。それ以上太くても細くても、効率的ではありません。シュノーケルも同様で、最適な太さが使用者の肺活量によって決まるのです。
同様に、家の広さも住人のメンタルに影響を与えるようです。部屋は心の記号でもあります。
クイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」では、主役の男が出世するにつれて大きな家に住むようになりますが、その家の余白にメンタルを病む!?ようになるエピソードがあったと記憶しています。
私にも、地元の飛行場がリニューアルして大きくなった時に、元の狭くてアットホームな飛行場を知る者として、すき間風を感じたことがあります。居酒屋から北極にでも引っ越したように。
この映画「不都合な理想の夫婦」では、夫は大きな家を好みます。これは夫の拡大志向のメンタルに合致したものでしょうが、その家によって増幅された夫のメンタルに、耐えきれず妻は病み始めるのです。
この拡大志向に警鐘を鳴らしたストーリーは、深層的には「SDGs」のお話だったのでしょうか。
追記Ⅳ 2022.5.7 ( 浮気のようなもの )
では、馬は何だったのかと言えば、空虚を感じた妻が欲した温もりだったのでしょう。ほんとうは夫が与えるべきもの。夫の代わりと言っても良いかもしれません。
ところが、その馬が病気で急死しすることで、妻のメンタルは耐えられなくなってしまうのです。
追記Ⅴ 2022.5.7 ( 子供は三人いた )
先日、どこかに、「家庭における子供は、普通は家庭を守ることについては考えないので、責任は半分、夢は二倍の存在だ」という趣旨の話を書きました。
ですから、映画「不都合な理想の夫婦」の二人の子供が、夢追い人の父を好きにな設定になっているのは、同様の理由からなのでしょう。
そして、父も三番目の子供なのです。
ならば、愛馬を失った母は、持続可能が破綻することに直面した存在になるのでしょうか。唯一の大人というか。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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