#ネタバレ 映画「アフター・ヤン」

「アフター・ヤン」
2022年　96分　アメリカ
これは差別の話
2022.10.29

（　引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。）

上品で、繊細で、静謐、…　

この作品をどうお伝えしようとか思ってチラシを見たら、これが目にとまりました。

「 まるで小津安二郎監督がアメリカのSF映画を作ったかのような味わい 」
（ THE HOLLYWOOD REPORTER ）

味噌・醤油の風味はしないけれど、確かにそんな雰囲気を感じなくもありません。

いずれにせよ、けっして大作ではないけれど、他ではなかなか出会えないような珠玉の作品です。

アメリカ映画なのに、ある意味、小津監督作品（例えば映画「東京物語」）よりも地味で単調ですが、

たぶん一生忘れられない一本に。

追記　2022.10.29　（　お借りした画像は　）

キーワード「記憶」でご縁がありました。このようにピントに味わいがある画像も私は好きです。線路にはポエムがありますね。少し上下しました。ありがとうございました。

追記Ⅱ　2022.10.29　（　クローンとロボットへの新しい差別　）

チラシを見ると分かりますが、この家族は、①夫・ホワイト、②妻・ブラック、③養女・イエロー、そして④ベビーシッター・ロボットで構成されています。

他の家族には⑤クローンのいる家もあるようです。

そのクローンのさりげないセリフに、「クローンを嫌う人もいる」みたいなものがありました。これが主題かもしれません。

未来は①②③の人種差別が無くなったとしても、クローンは差別対象になっているようです。ならば機械である④は、差別どころか、人権の対象外なのでしょう。

そんな最下層④であるロボット・ヤンが突然故障しました。もう寿命のようです。

もちこまれた業者は、修理しようとして秘密のメモリーを見つけました。スパイウエアの可能性もあるとして、主人・ジェイクにメモリー映像の点検を依頼します。

ジェイクがそこにあった数秒間づつの「断章」のような動画を見ていくうちに、ジェイク（と観客）は④にも心が宿っていたのではないのかと感じ始めます。

あれは④がもっとも大切だと判断する映像のみを刻みつける、「心」のようなメモリーのようです。

ヤンだけに実験的に組み込まれた物なのでしょう。あるいは、本来はスパイウエアであっても、ヤンは自律的にそのような使用をしなかった。

本当に心はあったのか、なかったのか。

しかし、④ヤンは何も言わず、ロボットという使命に生き、そして、死んでいきました。

追記Ⅲ　2022.10.29　（「偽サイトが心配」という心理的な壁の高さ　）

（オモチャに近い物でも）ロボットが家庭に入ると、やはりスパイウエアの危険があるように思います。

スパイウエアが無くとも、壊れたから、飽きたからと、単純なゴミ扱いで捨てれば、たくさんのプライバシーが漏洩する心配があります。

ノートPCの廃棄と同じで、専用ソフトで消去するか（今はどうか知しりませんが、数年前にはPC専用の消去ソフトの消去性能が、軍事レベルから、非軍事レベルまで色々あり、値段も違ったと記憶しています）、メモリーを物理的に破壊する必要が出て来ると思います。可愛いペットのようなロボットだと、金ヅチを使う事に心が痛むかもしれません（ノートPC等の完全なデータ消去は、ハードディスク等を取り出し、物理的破壊をするのが確実だと、数年前に新聞でも話題になっていました。ただし、破壊の際には破片が飛んできて目に入る危険もあり注意が必要です）。

それ以前に、私は「ネット申し込み」等が怖くてしかたありません。

官公庁のホームページでさえ、偽物が検索の上部に出て来たというニュースを読んだことがあります。

私もワクチン申し込みの時に、ノートPCに「警告サイン」が出た事があって、慌てて中止したことがあります。あれはなんだったのか（別の検索ソフトで再検索し、接種申し込みをしました）。

偽サイトは、「厳密に見ると、アドレスのここが違う」とか、「文章が不自然だ」とも言いますが、「もはや素人には判別困難なレベルにある」という話も読んだことがあります。ネット嫌な理由の上位は、私にとっては、このような偽サイトです。

又、電話セールスを甘受していると、オレオレ詐欺にあう可能性も増えかねません。

さらに、電子メール等だけでなく、官公庁からの手紙でも偽物が舞い込む心配があるようです。QRコードが印刷してあっても、手紙が本物かは不明なので、安易にネット返信できません。官公庁が本当にそのような事務をしていても、自宅に届いたものが本物だとは限りません。

正直に言えば、大事な手続きは、役所なり、お店まで出かけて、カウンターの中にいる人にやってもらうのが（あるいは自分で宛先を調べての郵送が）、おじさんの私には一番安心できます。

（　最後までお読みいただき、ありがとうございました。　

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。）

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