#ネタバレ 映画「チェンジリング」
「チェンジリング」
2008年作品
恐怖心は言動をねじ曲げる
2009/4/1 8:41 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
怖いもの、地震、雷、火事、親父とか、昔から言いますが、この映画では神、警察、病院、上司、マスコミ、世論などが出てきました。そして恐怖心は人の言動をねじ曲げることもあるのです。
映画のクライマックスでは殺人犯が母親を呼んでおきながら何も話しませんでしたね。彼は神を恐れていたのでしょう。
さらに保護された別の少年の証言もあやしいですね。
「カナアミを広げ逃げようとしたら、自分はアミに引っかかってしまった。そうしたら主人公の少年が助けに来てくれた。今まで名乗り出なかったのはいろんなシガラミを恐れていたからだ」と正確ではありませんが、そんな意味のことを話していました。
でも、主題を使い翻訳するならば、真実は「カナアミを広げ逃げようとしたら、主人公の少年はカナアミに引っかかってしまった。自分は恐くて助けに戻れなかった。今まで名乗り出なかったのはいろんなシガラミが恐かったからだ」となるのかもしれません。
もう息子は死んでいるのに、偽りの証言で母親は生涯にわたり探し回ることになるのです。これは残酷なことなのか、それとも結果的に母親の生きがいになったのか。晩年の母親に聞いてみたいものです。
名作誕生です。
★★★★★
追記
2009/4/14 19:47 by さくらんぼ
「残酷なことなのか、それとも結果的に母親の生きがいになったのか」も、主題を使い翻訳すれば答えが出るのではないかと、ふと気づきました。
そうすると「息子が死んでいることは、途中から女の勘で薄々気づいていたわ、でも、それを自身から認めることは怖かった。怖くてできなかったの。もし、それを認めたら、もう自分も生きていけない気がして・・・だから、まだ、生きているって、信じて生きていくことにしたの・・・」とでも、なるのでしょうか。
この映画では主役を含めほとんどの人が本当のことを語ってはいないようですね。あの、子供に現れた本当の母親も、なにか胡散臭いですし・・。
追記Ⅱ
2009/4/20 17:07 by さくらんぼ
母親が「息子が死んだことを認めるのを怖がって生きていた」のなら、父親は「息子が生まれたとき、父としての責任が怖くなり、逃げていった」のでした。
両親ともに子供の生死に恐れを感じたのでした。それぞれ別の想いで。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)