
#ネタバレ 映画「白い船」
「白い船」
2001年作品
脇見
2002/8/29 22:03 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
これは教師と、そして父兄を教育するための映画に見える。
どうも子供のための映画では無いようだ。
映画の前半の授業のシーンをお話する。「ジャガイモにはデンプンが含まれている」と先生は授業する。その時、一人の生徒が脇見をしている。彼は窓の外、海の彼方を二日に一度通る、ケシツブのように小さい船を探していたのだ。
普通なら先生は脇見をした事を叱り、授業に戻る。しかし、この先生は叱らない。一緒になって海を眺める。
「ジャガイモにはデンプンがあり、海には遥か遠くに船が見える」
この映画のポスターには「夢を追うことの素晴らしさを描いた作品」みたいな事が書いてあったと思う。
その通りかもしれない。しかし、私は少し違う感想を持つ。
船のエピソードや、秘密基地を作ったり、はたまた探したり、子供は、ほかっておいても十分に好奇心旺盛で、夢見る存在なのである。
問題は、その好奇心旺盛な目や感性に気づき、伸ばしてやる大人達の側の感性である。
劇中、保護者会で、船に乗せる旅のプランが「全員が乗れない」のを理由に否定的な意見が出され、結論は先送りとなるシーンがある。
この顛末は、それなりに理解と評価が出来る大人の判断ではあるが、映画ではその事を逆に問題提起としている。平均値を気にしすぎると、個性的な才能がつぶされる可能性も有るのだ。
また、同時進行して、伝統の舞いを伝えるために練習に励む大人と子供達の姿が描かれる。これらは前述した新しい才能発見ための努力と、ちょうど車の両輪の関係にありそうだ。新しい事と古い事、どちらもとても大切な事だ。古い事(伝統)を大切にしない国も国際的には尊敬されない。
実は私もフェリーというか船が好きで、別の(お試し)路線だが乗船した。記念の「フェリーの写真下敷き」が今も飾り棚に飾ってある。
追記
2002/8/30 7:39 by 未登録ユーザさくらんぼ
あらためてお話する事でも無いかもしれないけれど、この映画の中で「脇見」をすることは、あくまでも「象徴的な事」として描かれている。
授業中に好き勝手な事をして、先生を困らせても良いと言う意味ではない。映画に写し出される事は、裏に込められた意味とセットで理解する必要がある。
追記Ⅱ 2022.9.28 ( お借りした画像は )
キーワード「フェリー」でご縁がありました。フェリーというか水中翼船と、背景には、何か、やばそうなもの!?も写っていますね。こんな風景が見えたら、窓の外から目が離せません。無加工です。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)