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昼休みも喫茶店で座っていることに耐えられなくなって走り始めた青春の日


私は25歳ごろにジョギングを始めました。

正直言って学生時代はスポーツは嫌いでしたが、それは学生時代のスポーツは対戦競技・団体競技が多かったからだと、後になって分かりました。私の性格ではジョギングとかアーチェリーとか、禅にも通じるような静かな個人競技がフィットしていたのです(その証拠に、仕事をリタイア後にはアーチェリーにも夢中になります)。

就職して一日机で事務をし、昼休みにも仲間と喫茶店で座って過ごす生活に耐えられなくなった私は、いつも喫茶店の窓から外を見て「走りたい」と思っていました。そして、とうとう帰宅後に走り始めたのです。小心なので、少しの勇気も出して。

前述したように、それまではスポーツに無縁でしたが、いきなりジョガー、ランナー、レーサーの坂道を登るようになったわけです(それは「初心者」、「中級者・1時間走れる人」、「上級者・優勝を目指す人」とも訳せます)。

最初は連続して300メーター走れませんでしたが、歩いたり、走ったりを繰り返し、最終的には10~15キロ、1時間以上走れるようになりました。でも、そこで膝を痛め、痛風や神経痛ではないけれど神経痛のように痛みで天気が分かるようになり、ホームドクターみたいな近所の外科にも行きましたが、有効的な治療も出来ず、引退することになりました。

その直後、サイクリング車を買いました。自転車でスポーツしようと思ったのです。しかし、東西南北どちらに走っても、都会を脱出するだけで片道1時間はかかり、郊外へ出る頃には疲れてしまうと分かり、長続きしませんでした。

今はウオーキング専門です。その頃、本で学んだ事ですが、人はトレーニングすれば3か月間ぐらいは記録が向上するのだそうです。しかし、その辺りで限界が来る。ちょうど私も3か月で体重が8キロ減り、ひざを痛めました。

ジョギングに夢中になっていた頃は、夕方走って、疲労は一晩寝ても回復せず、翌日はふらふらと仕事に行きました。夕方になってやっと回復し、また走って疲労するの繰り返し。自転車操業を連想しましたから、やはり、その辺りが限界だったのでしょう。

夕方走らない時は、職場の昼休みに走ったり、自宅まで走って帰ってきたりしました。あの青春は昨日のようです。年金生活者になったことが嘘みたい。

ひるがえって、NHK・朝ドラ「舞いあがれ!」のヒロイン・舞は、期限まで2カ月しかない状態で、人力飛行機のトレーニングに入りました。舞が成功したのは、2か月という短期限が、もしかしたら、逆に味方した可能性も…と思ったのです(それはないか)。たぶん彼女が頑丈だったからでしょう。

ちなみに、スポーツ医学も日進月歩、皆さまは私を参考にせず、最新情報をさがしてください。

追記 2022.11.9 ( 野生児への憧れ )

せっかくですから、ランニングの話をもう少しします。

ひざを故障した私ですが、我流で練習したつもりはありません。

大都市でも、近所の靴屋にはジョギングシューズは無く、テニスシューズしか売られていなかった時代、隣県からも客が来るような隣町の専門店へ行き、当時1万円もした外国製のジョギングシューズを買いました。インナーソール初体験です。

そして、(今も売られている)ランニング専門誌をさがしまわり、これもまた隣町の本屋で見つけ、毎月購読しました。

そこに書かれていた最新走法は、「つま先ではなく、かかとから着地をせよ。そうしないと、つま先の骨を痛める」というものでした。

それと符合する様に、ジョギングシューズの中には、ソールが露骨にかかと上部まで張り付けてある物や、かかとから後ろ方向へ板のような突起のある物もあって(かかと着地時の板バネのよう)、なるほどと納得したものです。

しかし、私は踵着地を意識しすぎるあまり、足を棒のように突っ張って着地するようになり、衝撃でひざを痛めたのです。こんなに頑丈そうな膝関節を痛めるなどという事は想像すらできませんでした。人間の体は意外にもろいものです。

走ることは健常者なら誰でもできる技です。無垢のまま「普通の走法」で走っていたら、ひざを痛めず、もっと長期間、ランニングを楽しめた可能性があると、今でも思っています。

それには、後日談もあります。

近年、TVドラマ「陸王」だったか、マラソンをする主人公の走法が、かかと着地では無かったので、「間違っている!」と憤慨し、あらためてランニング情報を仕入れたら、意外にも、「(私の誤解でなければ)かかと着地は古い理論であり、今は「陸王」のように、つま先着地が推奨されている」ようでした。つま先と言っても、正確には指先ではなく、指の付け根辺りのようでしたが。

その後の最新理論ではどうなっているのでしょうか。

本の理論が自分にとって正しいとは限らないし、正しくても自分が正しく理解しているとは限らない。

自分が正しく理解しているとしても、それが最新理論とは限らない。

それが最新理論だとしても、自分にとって正しいとは限らないのです。

(「小記事の備忘録」スポーツの話題2022.11.9①ジョギングで記録を目指すと3カ月後に壁が来る の加筆再掲 )

追記Ⅱ 2024.10.30 ( 名古屋シティマラソン )

完走証は何枚かありますが、一番有名そうなものをUPしました。最初に走った大会名は・・・はっきり覚えていません。

爽快感半分、恥ずかしさ半分で、人けのない公園を走り始めたわけですが、走力が付くにつれて、だんだんと、道路へ出て行くようになります。

すると、目につくのが、ニュースの、マラソンやジョギング大会の映像。

交通規制をした車道を、信号も気にせず、たくさんの人に旗を振られ、応援されながら走ってみたい。さぞかし気分が良いだろうなと、羨望のまなざしで見ていました。

しかし、自分が応募するには、やはり、心理的なハードルがあります。

でも、欲望にはさからえず、とうとう応募して、走ることになるのです。

そして、最終目標は、ホノルルマラソンになりました。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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