#ネタバレ 映画「天然コケッコー」
「天然コケッコー」
2007年作品
この場所にも煩悩はある
2007/8/14 21:35 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
大沢君が、東京で旧友たちから重たい紙袋を投げられます。
中にはA4サイズ程のコンクリートの破片が入っていました。なんでも改築中の旧校舎の破片らしいのです。「記念に持って行け」と、プレゼントされたのでした。
でも大沢君は「シャレだよ」と、気持だけ貰って、破片は捨てていこうとしました。
しかし、そよは、大好きな彼氏の記念の品は、自分にとっても大切な戦利品とばかりゲットしてしまいます。
でも、重かった。持ち歩くうちに疲れ果て、倒れてしまいます。
それに気づいた大沢君はそのコンクリート片を地面に叩きつけて割り、葉書サイズにして、そよに渡します。お礼を言う、そよ。
考えても見てください。巨大な校舎が葉書サイズの破片になってしまいました。でも記念品としての価値はまったく変わりません。それどころか、もっと小さくなってサイコロサイズになっても価値は同じでしょう。
この映画は田舎の小さな小さな学校の子供たちと、その村人たちの内面をサラリと描いた作品です。
大都会とあまりにもかけ離れた、小さな学校だから、小さな村だから、内面に喜怒哀楽や波風は何も無いだろうと思う人は、まさかいないでしょうが、とかく天国の様に静謐な村だから、小さな子供だから、少人数だからと、天国扱いする人がいても不思議ではありません。
でも違うのです。この場所にも煩悩はあります。
この学校の一番小さな子供の気持までスポットライトが当てられている通り、小さきにも大きな世界があるのでした。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)