#ネタバレ 映画「ミスター・ノーボディ」
「ミスター・ノーボディ」
1973年作品
人生の降り方を考える
2016/5/3 6:27 by さくらんぼ(修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
今朝は何を書こうかと、窓から薄明りさす中で考えていたら、ふと映画「ミスター・ノーボディ」を思いだしました。最近似たタイトルの映画もありましたが、これは1975年の西部劇です。
まずTVで感激し、今はもう手放しましたが中古のLD(レーザーディスク)もコレクションしました。でも覚えているのは、主人公の若者が市場で要領よく果物一個をくすねる、コミカルな冒頭のシーンだけです。
でも、あらためてストーリーを読んだら、ぼんやりと記憶がよみがえり、急にこの映画を思いだした理由が分かりました。昨日、映画「グランドフィナーレ」のレビューを書きましたが、この映画「ミスター・ノーボディ」も、老ガンマンのグランドフィナーレを助ける一人の若者の話だったからです。
老ガンマンは西部に名をとどろかせた拳銃の名手であり、若者は彼の熱烈なファンでした。しかし名手の引退とは、名声をあげたい者たちの餌食になることを意味します。やすらかな老後などありえない。だから、それを助ける救世主のごとく若者はやってきたのです。
ガンマン(映画「ミスター・ノーボディ」)も、音楽家(映画「グランドフィナーレ」)も、そして無名の私も、リタイア前後は色々あるもの。コミカルであっても名作の評価がついたこの西部劇は、忘れてはならない私たちの遺産のひとつです。
★★★★★
追記 ( 人生の登り方も考える )
2016/5/3 6:38 by さくらんぼ
そして同時にこれは、人生の降り方ではなく、登り方を考える若者の話でもあります。
追記Ⅱ ( 「ミスター・ノーボディ」とは )
2016/5/3 8:50 by さくらんぼ
「ミスター・ノーボディ」の正体は何なのか。
映画のチラシ(黄色の)を良く見ると・・・
① 背中に「羽」に模した道具の一部が見えます。
② 「ハシゴ」に模したイスに登っています。
③ ゴミ捨て場から「拾ってきたような破れた靴」を履いています。
④ カラーのチラシでは、頭上に天使のリングが見えます。
以上から「高所に住む天使が降臨し、当然に靴が無いので(よくある記号)、拾いものを履いて活躍していた」らしいことが分かります。老ガンマンを祝福するために。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)