#ネタバレ 映画「コンボイ」
「コンボイ」
CB無線がコンボイを作った
2018-05-13 09:16 byさくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
むかし観た映画なので、細部は覚えていません。
主題も自信がありません。だから、とりあえず、思いで話でもしたいと思います。
この映画が公開された1978年のある日、私は事務所で一日中そろばんをはじいていました。
電卓ではなく、本物のそろばんです。
朝から晩まで、一週間ぶっ続けで、トイレと昼休み以外は休憩もとらず、まるでマシンになったように、はじいていたのです。
若かったのですね。だから、できた。
一度、となりの係長(私と席が近かった)が心配し、「〇〇君はだいじょうぶか?」と、私の係長に耳打ちしに来ました。目の前で度を越したワークをしていたので、となりの係長であっても看過できなかったのでしょう。
でも、私の係長は「だいじょうぶです」と即答して、一件落着となってしまいました(残念)。
でも、本当はだいじょうぶでは無かったのですよ。
その頃は、帰宅しても、偏頭痛の鈍痛(やっぱり、これも、右脳とか左脳とかに、関係あるのかな)になやまされていました。私は本来、頭痛もちではないのに。。。
そんな中、この映画「コンボイ」を観たのです。
キャッチコピー「動き出したーもう誰にも俺たちを止める力はない」と共に見るトラック船団の写真には、興奮を隠せませんでした。
当時、コワレル寸前のストレスの中にいた私は、昼休に縮こまって喫茶店に座るのも苦痛でした。仕事中は窒息しそうなのに、なんで皆、昼休みも座っていられるのか分かりませんでした。
陽光の下、私は幼子のように外を走り回りたかった(ジョギングなんて洒落た言葉は、まだ知らなかった)。
でも、そんな私の代わりに、トラックが暴走してくれて、ぎりぎりでストレスは解消されました。
何十年ぶりに、ネットで当時の映画チラシを見ると、今でも、興奮がよみがえってきます。
なんだろう。トラックの船団(コンボイ)は、人を冷静にはさせない何かを秘めています。
「ここにもあるネットの息吹き」
1978年当時は、ネットも、ケータイも、まだ普及していませんでした。
何か欲しいものがあったら、雑誌の「売ります買います欄」を見るとか…それが東京へ行けば有りそうだと思ったら、電話帳で片っ端からお店に問い合わせるか、行き当たりばったりでお店を探すか…それで私も東京を放浪したことがあります。つい昨日のようです。
今のようにスマートホンのネット検索でポチるだけ、というのは、本当に当時は想像すらできませんでした。
そんな時代、トラック野郎の秘書はCB無線でした。
日本でも独特のアンテナを立てたトラックが走り回り、近隣のTV・ラジオに音声が飛び込むこともありました。
土地の広いアメリカではどうだか知りませんが、日本では違法無線として嫌われていたものです。合法的なアマチュア無線家も、一般人からCB無線と混同されて迷惑をこうむった時代でした。
ネットもケータイも無い時代、走行するトラック野郎は孤独な仕事でした。だから、善悪はともかく、このCB無線が孤独を埋める、その代役を務めていたようです。だから彼らはなかなかCB無線を手放さなかった。それは友を手放すこと同義語になるからでしょう。
そのおかげで、バラバラだったトラック野郎たちが、友情を育み、映画ではリーダーの鶴の一声で一致団結して船団(コンボイ)を組むことができるようになった訳です。
「秩序とは力である」
トラック一台でも迫力があるのに、コンボイになったら、本当に「もう、誰にも止められない」状態になるのです。銃弾も機関銃(弾丸がコンボイ)になると凄い威力になるように。
だから映画のラスト・バトル、コンボイ(トラック)対コンボイ(機関銃)は、正しいのでしょう。
当時の新聞の映画評には、「なぜ、リーダーが尊敬されているのか不明」などと、書いてあった様な記憶もあります。
もしTV放送されたら、その辺りを注視してみます。
★★★★★
( これは2015/6/19 15:20 byさくらんぼ の再掲です。)
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?