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ことばの背筋力を鍛える
『ことばを深呼吸』川口晴美,渡邊十絲子
おもしろいブログを書けないとお悩みのあなた、メールで絵文字に頼ってしまいがちなあなた、自分のことばに自信のないあなたにおくる、もっと楽しく読んで、もっと自由に書くための革命的7つのレッスン。
目次
1 なにが好き?
2 どんなタイトル?
3 コーヒーブレイク―校庭のことばあそび
4 どう並べる?
5 なにが見えてくる?
6 ランチタイム―街角のことばあそび
7 言葉でわたしは変わる?
詩のワークショップでのレッスンを通して言葉の不思議さを知る。著者たちの立場は言葉は他者的なものでそれを組み合わせたり、一部を変えたりして、詩を作り出す。シュルレアリスムの無意識の方法みたいな。その無意識の言葉から自分の文脈(文体)としての言葉を組み立てるというような方法。詩だけじゃなく、ブログなどの文章を書くのにも役立つという。真面目にレッスンをやれば面白いのかもしれない。詩の背筋力を鍛えるというような本。
レッスン1 なにが好き?
谷川俊太郎『生きる』という詩のなかにある名詞(ミニスカートとかプラレタリウムとかピカソとか)を変えて自分な好きなものに置き換えるレッスン。言葉を20個ぐらい並べられれば上出来で、最初はなかなか出てこないかもしれない。俳句の季語の他に何を合わせるかというような。そうしたものができたら、今度は文章にしてみる。これも難しいので俳句のような形でもいいのかもしれない。例えばそれを七五調で繋げればなんとなく詩のような
形になる。とりあえず意味とかは二の次で好きな言葉を集めること。
レッスン2 どんなタイトル?
日記でもいいのだが作品とするにはタイトルが必要だということ。それは日記や手紙とは違う作品にするためだという。その時ペンネームも付けるとより作品らしくなる。作品化することで不特定多数の人に見てもらうことになるのだという。タイトルにもその人のセンスが出てくる。最初は詩の中から選び出すという方法もありかもしれない。そのうちにもっと抽象的な言葉とか動詞とか形容詞で意外性を演出するとか。
レッスン3 コーヒーブレイク―校庭のことばあそび
この本はことばあそびを詩のトレーニング(レッスン)として取り上げているのは谷川俊太郎とかの影響もあるのかもしれない。谷川俊太郎の詩はことばあそび的な詩も多い。とりあえず自分の好きな詩を見つける。そしてその詩から言葉を借りて自分なりの詩を作ってみる。そうした方法はその元となった詩を丁寧に読み込むことにもなる。詩は書く前に読めということなのかもしれない。
レッスン4 どう並べる?
最初は自分の好きな詩や言葉を抜き出して、それを並べるのだが、その並べ方でその人の特徴や文脈が出来てくる。最初は無意味な並びでもいいのだが、次第に意味性を考えて並べる。
レッスン5 なにが見えてくる?
いままでのレッスンから見えないものが見えてくるという。それが詩の力で読者に言葉でイメージの世界を伝えることになるのだ。それは体験的なものもあるが、偶然に目にしたものや拾ったものかもしれない。それを散歩で見つけ出すのが吟行という行為で観察ということになる。ここでは言葉からの連想なので観察とは違うかもしれない。それも写生だという歌人の斎藤茂吉は「実相観入」という。とりあえずそんなものでいいと思う。心の中を見てみることだ(意識化するという)。
レッスン6 ランチタイム―街角のことばあそび
とりあえず意識化するとなると急にハードルが高くなるので、街かどの言葉を収集してくること。それは好きな言葉や気になる言葉。それも5つぐらいか。例えば季節感があるものだとストーリーに時間的なものが加えられるかもしれない。あと感覚だと色とか匂いとか。それらの言葉をリフレインさせたりしてなんとなく詩を装う。
レッスン7 言葉でわたしは変わる?
最終的にここまで行かないと駄目なんだ。他者の言葉で別人格の自分(意識)が出てくるということなのだろう。それは仮想という世界なのかもしれない。もう一つ別の詩の世界が出来上がったということだ。