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短歌レッスン38
今日の短柵
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今日は寺山修司ではなく、穂村弘講師です。次回から新任講師になるので、花を持たせる感じで(日記の方に自分と入れ替えたので、せっかくなのでここに再アップ)。
模範十首
女兵士(アパッチ)はねむるラジオのアンテナに風呂で洗ったパンツ掲げて
犬のためのミルク沸くまで真夜中のウェイトレスのシャドーボクシング
オリオンの上半身が沈む頃パジャマの帽子で拭く写真立て
わざわいは夏降りて注ぎママレードの中にのたうつオレンジの波
査定0の車に乗って海へゆく誘惑犯と少女のように
「海にでも沈めなさいよそんなもの魚がお家にすればいいのよ」
バタフライ・ドルフィン・キックで切ってゆく水と光のバウムクーヘン
なきながら跳んだ海豚はまっ青な空に頭突きをくらわすつもり
塩を抱く者はいのるないのるなとくるぶしをなめつづける波
砂の城なみうちぎわにたてられてさらわれてゆく門番ふたり
「アパッチ」は、ベトナム戦争時代の米軍だろうか?映画的な短歌。アメリカ映画にありそうな反戦映画かな『M★A★S★H マッシュ』(これは朝鮮戦争だった)とか。
「シャドーボクシング」がいい。『青春の殺人者』で原田美枝子のシャドーボクシングのシーンを思い浮かべた。
オリオン座の角の星のペテルギウスは、消滅していると言われているのだが、消滅しても光は地球に届くから(地球とは何万光年とか離れている)消えるのはかなり先らしい。星占いとかどうすんだろう?
「ママレード」から母を想像する。のたうつオレンジは子供?
直喩の例えがいいんだけど、実際は本当に海水浴に行ったのかもしれない。「査定0の車」が効いている。
「うたの日」お題
「霜」
霜降りのかぼちゃ泥棒参上しハロウィン騒動 渋谷に足跡
「蕪」(千枚漬け)
嫁入りの母の秘伝の千枚漬け惚れ薬か毒を垂らすか
改)母の秘伝クレオパトラの千枚漬け惚れ薬だめなら毒を盛れ
「小春日和」(インディアンサマー)
アパッチの上陸作戦決行はインディアンサマーにモンロー・ウォーク
「返り花」
ゴミ捨てに夜空を仰ぎ無月なり返り花に金木犀の匂い
改)二度咲きの金木犀の花集め手紙出す返るコール
イマイチだな。このお題はロマンが試されるな。
改)無月の夜(よ)金木犀の返り花塀を超えて握る君の手
「焼き芋」
焼き芋に落ち葉集めて灰の中ほくほく顔の嬰児か
いまいち美味しさが伝わらない。
落ち葉掃きばあばの芋は灰の中ほくほく焼き芋ほくほく笑顔
センチメンタル路線だな。
「焚き火」
液晶の焚き火を見ながら沈黙す寒い寒いよ部屋の二人
「蠍」
カラオケでオヤジ殺しの「蠍座の女」双子の姉は今日はお休み
「士」
消防士火事を消さずに恋に燃え妻にも言えぬ不出金
「下ネタ」
下ネタは得意じゃない。
結果
母の秘伝クレオパトラの千枚漬け惚れ薬なら百発百中
♪一つの最下位でした。イメージの膨らませ過ぎか。毒薬にしなかったのは、寄り添ったんだけど。実質最下位だった。このへんが良くわからないのだよな。最下位はないと思うんだけどな。それも自惚れだろうか?この結果を糧にもっと精進しなければ。プロになっちゃうよ。
「千枚漬け」の短歌はもう一首あって、やっぱそっちのほうが格式があって上手かった。
喪失の奥に踏み込まれ秋深し純白にひかりし千枚漬け
でもこれもそれほど評価は高くないんだよな。♪3つの❤一つだから。リズムかな?
異教徒のような気持ちで聖護院かぶらに添えるクリームチーズ
トップ。よくわからんがイメージなのか?「蕪のクリームチーズ」という料理の上品さ。なんで「聖護院」なのかはわからん。「聖護院かぶ」という特産品だ。異教徒というのは仏教系だからだろうか?