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あじさいや色めく赤の核の雨
紫陽花の季節だった。紫陽花の写真は毎年撮っているような気がするがこれというものがない。これは西洋紫陽花だった。最近白い紫陽花がアナベルと呼ばれることを去年知って、ポーの『アナベル・リー』の詩から大江健三郎の大江健三郎『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』を書いた花として、有名。
大江健三郎が考えた「アナベル・リイ」は西洋アジサイではなくて、「ノリウツギ」ではないか考えたのだが日本古来からある紫陽花は額紫陽花で目立つ花でもなかったのか?紫陽花の花言葉とかから『源氏物語』にあってもいいと思うのになかった。6月というのが合わなかったのか、万葉集にもあるがそれほど人気の花ではなかったようだ。紫式部がアジサイにそれほど興味がなかったということなんだろう。
NHK聴き逃しで『源氏物語』「若紫」を聞いたのだが「若紫」が山の女で、「明石の君」が海の女として、すでにここに出てきた。「若紫」はアジサイのイメージでもいいと思うが、アジサイの持つ浮気女のイメージがそぐわないのかもしれない。『源氏物語』に詠われなかったのが大きいような。
紫陽花の俳句は多いのは明治には西洋紫陽花が入ってきて観賞されるようになったからか。短歌でも明治時代の歌は多い。
思いきり愛されたくて駆けてゆく六月、サンダル、あじさいの花 俵万智
俵万智だと夏がすぐそこに来ている感じだ。寺山修司の影響のような。
森駈けてきてほてりたるわが頬をうずめんとするに紫陽花くらし 寺山修司
紫陽花は京都よりも鎌倉の山のイメージがするのは、その暗さのためか?縁切寺とか。
今日の一句。
紫陽花や色めくほどに涙かな 宿仮
センチメンタルすぎるか?
アナベルや恋知らず白ただ眩し 宿仮
やばな幼女誘拐犯みたいだ。
紫陽花や
いろづく前に
折らんとす
誘惑犯は
あかきに染める
読書は昼から長時間映画を見たのでそれほど出来なかった。暴風雨だったので早めに帰宅。
そう言えば100分deの途中で北朝鮮の緊急ミサイル警報が入っていた。
紫陽花や緊急警報赤の国 宿仮
あじさいの緊急警報色めくか 宿仮
あじさいや
色めく赤の
核の雨 宿仮