ライナー・マリア・リルケ『秋』富士川英郎訳
『リルケ全集』が古本屋で100円で買ったのだが積読のまま忘れていた。たまにページを捲るといい詩に出会える。
翻訳でも木の葉がくるくるまわっているように落ちる感じだ。次々と休みなく、そうして秋は過ぎていく。「否定の身ぶりでひるがえり落ちる」はどういうことだろう。まだ散りたくはないと思いながら落ちていく木の葉なのだろうか?
第二連と第三連でガラッと変わる。落葉が普遍であるかのような、しかしそれは堕天使としての我の孤独なのだ。神に見放された者、その落下は砂時計のように完全なる神の世界から崩壊していく時間なのかもしれない。
あまり変化はなかった。ほぼなぞるだけのような。
これはイエス・キリストだろう。ただ上手いよな。こうはなかなか書けないな。神を信じるものではないから。