シン・短歌レッス124
王朝百首
「やなぎさくら」は柳とさくらなのか?枝垂れ桜を「やなぎさくら」と称しているのか、よくわからないが、塚本邦雄は詩でやなぎとさくらをそれぞれ別の色に喩えているから柳と桜なのだろう。素性法師という風狂な人だから桜より柳が最初なのかとも思う。どちらも街路樹としてよりもやはり庭木なんだろうな。広大な宮廷の庭がにしきなりけるというような。
NHK短歌
NHK俳句の第4週は句会で面白いのだけど、短歌の第4週はあまり面白くないと感じてしまうのは岡野大輔のやる気のなさもあるのだが、仲間内だけの語らいみたいな内輪性かな。ゲストがいつもよくわからない人というのもあるな。まあ、世代の違いなんだろうけど。10FEETと誰なんだよ、10ccなら知っているがとなるのだった。
今月はゲストが梯久美子だった。硫黄島の栗林中将の最期の軍人短歌。
来月からは4月から俵万智になるのかな?
俵万智は流行に乗るのが早いし上手いな。あざとすぎる感じもするが。
齋藤史
『記憶の茂み: 齋藤史歌集 和英対訳』から。「魚歌」。
このへんから2.26関係になっていくのだろうか?主題が重い感じだ。「うたもなし」という無力感も感じる。コルトは拳銃か?コルトを磨くとは自分自身のことを言っているのか。
まだ唄が歌えた頃なのか、そういう時期も忘れしまう。
まだ華やいでいた時代なのか?
意味深の句だな。
このへんの歌は重い。
これは絶叫だな。
代表歌。ここだけ切り取ると軍国主義の歌かと思うが時代に翻弄された齋藤史の青春はそこで終わってしまったのだ。もう子守唄しか歌えない時代へと。
西行
辻邦生『西行花伝』
「九の帖」
堀川局(待賢門院堀河)が語る女院(藤原璋子)の最期。後鳥羽院が新しい后を娶り過去の后となって、いろいろな陰謀も渦巻く世界に出家を決意する。堀川局も出家する。そして女院が亡くなり堀川は最期まで看取った女御だった。
十の帖
再び、西行の語りで、女院が出家したときに堀川の妹の兵衛は出家せずに女院の娘の統子(むねこ)内親王の女御になった。そのあっけらかんな性格が西行に好かれる。また歌人としても姉に劣らず歌も上手かった。
統子(むねこ)内親王は歌会が開かれ西行はそこに誘われることも多かった。
その頃に崇徳院とも出会う。崇徳院に対して策略が行われていたのだった。鳥羽院と崇徳院の争いは崇徳院の母(女院)も絡んでの政権争いでもあった。そして女院が亡くなる。
そして西行はまた旅立っていくのである(みちのく一人旅か?)
『現代にとって短歌とはなにか』まとめ
現代短歌史
篠弘『現代短歌史Ⅱ前衛短歌の時代』から「塚本と岡井の相互影響」。
現代短歌の二大巨匠だな。「アララギ」から短歌を始めた岡井隆は、「アララギ」の主張するリアリズムということにこだわり続ける。それは初期の短歌から岡井隆はモノローグ的な世界観をしめしており、岡井隆は学生短歌運動に関わっていく。そして、そのことが短歌を作ることだけではなく、批評家として先人たちの短歌を考えていくのだ。
「『写生』をめぐる断片」では、リアリズムが写生として生きるのは写実という社会的立場によって写生するという。そこに当時の社会状況の中で変化していく運動を「アララギ」のなかでも見出そうとするのだ。
しかし、そのリアリズムも「アララギ」の狭い意味での写生とは相容れなくなってくる。そのときに当時新しい短歌として登場した塚本邦雄と出会うのだった。それは短歌のモダニズム(現代性)の問題として塚本邦夫を無視出来ないと知るのであった。
『短歌研究 2024年3月号』作品
笹川涼「柚子のゆうれい」
上句は写生から内面の韻という感じか。
動物は比喩だと思うのだが、それが葉書とどう繋がっているのか?単に犬好き猫好きということなのかな。恋人が犬好きで猫は好みじゃないとか。
「グリッサンド」は音楽用語。なんかこういう専門用語使うやつは好かん。たいしたことを言っているわけではない。マンボウのように怠惰に寝ているというだけなんだが、意味深に詠んでいる。
失恋の歌なのかな?
物欲女か?さっさと別れてしまえ!
料理は上手いのかな。柚子使いとか?韻を踏んでいるのは最初の句の通りだな。つまり青鷺はハーンなんだ。それで幽霊なのか?映画『きみたちはどう生きるか』だった。
石畑由紀子「平野の波」
なんかXのリンクが貼れなかった。人物紹介だから何でもいいのだが。ちょっとインスタだとオシャレ系歌人かと思ってしまうかも。
動物は比喩として見ればそれほどわからないこともないが「白き欠落」とは?ピュアな精神かな。
「ピラカンサス」がダメ出し。普通に花壇にある赤い実なのだが、「百年を狂(ふ)れずに在れる」はわかるような気がする。水玉の魔女の系譜かな?
普通に生活詠なんだが「おいしい生活」的な。
モダニズム短歌の系譜かな。北海道なんだよな。未来短歌会はそんな感じがする。
千葉優作「鳩がゐる」
よくわからないが「塔短歌会」だった。「未来短歌会」との違いを見極めよう。
写生句かな。伝統短歌か?比喩とかよりも言葉そのものの存在感というような。
鳩は象徴でもあるのかな。でもここでは写生なんだろうな。平和的な情景があまりにも生きにくいという感じか?
怒りの感情を短歌にすることで癒やしているのかな。諧謔性みたいな。
世代間ギャップの歌なのか?怒りの感情を歌で癒やしている感じがする。
マスクで韻を踏んでいる。面白い歌かな。
怒ってもしかたがないから笑って過ごそうという感じなのか。最初の「木」と次の「樹」は何か意味があるんだろうな。「じゅ」という音かな。
魚は象徴か、意志みたいなことかな。よくわからん。怒りを鎮めろということか?
難解歌だな。鮭は怒りの象徴だと思う。紅鮭とか。さかのぼるは怒りじゃないのかな。そうして眠ることで感情を鎮めるということか?
映画短歌
『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』
本歌。齋藤史でおちゃらけにならないようにモダニズムで。
できちゃった婚だったみたいで、中絶されたら今の人生は無かったのが良かったのか悪かったのか?あまり齋藤史は関係なかったかもしれない。「濁流だ濁流だ」を使いたかったけど、それだとパクリになってしまうかな。