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短歌レッスン41
近くの橋から開けた風景。遠景に山が見える。丹沢の山でしょうか?秋の徒歩旅行も大山に行きたいと思っていたのですが鎌倉の海もいいなあと。田村隆一『ぼくの鎌倉散歩』を読んだ影響です
今日の指針
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テキスト、藤田湘子『新板20週俳句入門』。
俳句のテキストを使って短歌をやるのか。その方法を学ぶということです。20週ということなんですが、俳句の知識はあるものとして、1週を1日でやります。チェック機能的な。
第1週「自分のために」
初めからそう言ってますけど、投稿するとなると読まれる為に寄り添わなければならない。今の悩みがこれですね。
それでもあくまでも「自分のために」がここでは基本だと言ってます。
入選したいがために、選者の好むような素材や表現をしよううとする邪念がはたらいて「自分の俳句」ではなくなってくる。つまり「自分のために」ではなく、選者の傾向に合わせるための俳句作りになってしまうわけですね。こうなったらもう一巻の終わり。
今日のお言葉。「自分の俳句を作る」
それで今週の暗唱句として高浜虚子が上げられているのだが、虚子色には染まりたくないんでパス。もっともこれは俳句だった。勘違いして俳句を作らないよう注意しなければ。
模範十首
それでは今日の模範十首。笹井宏之『てんとろり』からです。
レントゲン室に取り残されたまま誰かを待っているような午後
部屋中が夏草で覆われる日に私は旅を終えるつもりです
寂しさでつくられている本棚に人の死なない小説を置く
切り株のはじっこあたりから生えてしまった女学生をひきぬく
飛べなくてもかまいせん その背の骨にからだをゆだねさせてください
太陽と月と砂しかない場所でひっそりと震えだすコピー機
夜ごと夜ごとのゆめが解凍されるときトウモロコシ畑を走る波
雨のことばかりがのっている辞書を六月のひなたに置いてみる
みずいろの旗が焼かれてしまうまで戦争をつづけてるのか人は
ぜつぼうが萌葱色していることにどうしてだれも気づかないんだ
「うたの日」お題。
その前に薔薇句を研究しよう。
ギターに嫉妬しているうたですかね。ギターが女性名詞だというのはフランス語なのでしょうか。日本人にはよくわからないけど、そのボディがふくよかなところですかね。相聞歌でエロさを秘めているのがエモさなのか。
「いいよ」
秋の空 無口な君は「いいよ」と「よせよ」で裕次郎よ
これは私の短歌ではないな。流行歌か。それも時代遅れの。でも時代が巡って裕次郎あたりが流行っている気がする。
「何も」
何もないことなどなくてやった結果はきみの歴史だ 秋の風
不調だな。こんな当たり前の短歌を詠まねばならないのか?
「いいよ」
短歌などどうでもいいよとうそぶく君はどこにも飛んではいけない
今日は説教臭くなるな。具体的な言葉が浮かんでこないのだ。「いいよ」と言われたことは数多くあるような気がする
「笑」
寂しさで笑っていろよ笑っているのもいまのうちだ
からぼくは翔ぶ
今日もお題が難しい。こういうときは韻律だけの短歌を作ろう。練習としての短歌。
「いいよ」
諦めてきみは「いいよ」と沈黙し 分かれ道は中島みゆき
多少ブルースっぽくなっていくのか?中島みゆきをいろいろ変えられる。
「好」
酒好きの震える手で酌されるもう一杯できみは詩人になる
全然出てこない。ポジティブさなんだよな。
「いいよ」
三日目の それは「いいよ」と きみがいう その日きみの命日当たり
三回目になると出て来ない。そのあたりの語彙の貧しさ。
「感」
感謝するこころをどこへ今の世よマネーと権威馬鹿の世界で
だいたいこのあたりでダレてくる。「いいよ」で一首浮かんだ。この「いいよ」は肯定とも否定とも取れる。その違いは文脈とかアクセントとか感情なんだろう。
よく聞いて、「いいよ」と「いいよ」の違いはね ブライアン・イーヨは駄目だから
「ええねん」
東京できみはあきらめて「ええねん」と夜行バスで別れを告げた
こっちのほうがいいかな。真面目なのはこっちだよな。今日は結果が遅いんだ。翌日の1時だから、その間に次の日のお題が出てしまった。もうレッスン42も準備中。深夜タイムはなかなか結果がでないからやきもき。
なんかツイッターで「#名刺代わりの推し短歌3選 」が流れてきてやってみたくなる。最近だと。
葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり 釈迢空
錆びてゆく廃車の山のミラーたちいっせいに空映せ十月 穂村弘
海を知らぬ少女の前に麦藁帽子のわれは両手ひろげていたり 寺山修司
もう結果が出ただろう。1時半になっても結果が出ないとは、どうなってんのか?選句はこれ。
ええねんと酔ったときだけいうきみのグラスの氷ばかりみつめる
なんとなく似ているっぽい。ブルースを感じる。
結果
結局、♪一つだった。ネガティブ短歌は受けない。ここからポジティブに持っていくのが腕のみせどころだったのかもしれない。「墾田永年私財法」とかに負けているとか。わけわからん。トップ短歌は、
ええねんと君が言うときその胸に青く澄みきる海があること
ネガティブからポジティブの情景なんだ。難しい。次はその手で行くか?