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シン・俳句レッスン180
句会反省会
今月は冒険したのに零点だった。
囀りや透明ランナー三角や 宿仮
三角ベースがわからなかったのだろう。あと、メジロの三角飛びとかの意味もあったんだけど。「や」の重なりか。リズムがあっていいと思ったのだが。
「レンチン」が駄目だったか。今風だと思ったのだが。
これは難しと思った。鴨が泳ぐ時に波紋が出来て、その中を抜け出せないで泳ぐ姿を見て自分と重ねたのだった。つまり鴨の波紋のなかにワープしたという句だった。まあ突飛と言えば突飛の歌だな。
今回一点も入らなかったんで悪いもいいもわからない。自己流ということだから。まあ、点を入れたのは読めているということで満足するか。でも新しさがないよな。
NHK俳句
題「コーヒー」
兼題「コーヒー」。中西アルノが無季俳句に再挑戦。季語なし俳句の是非が問われる。リベンジできたのか!?中学生の自分に戻って作ったという古坂大魔王の俳句とは。
そうだ、今日はNHK俳句句会だった。
珈琲やなんにもうまくいかない日 あるの
特1並3の5点。この句のような気持ちだったけど、だからか選ばなかった。無季で挑戦的だという。「珈琲や」の切れ字も効いているという。あるのちゃんかよ。なんか順調に育ってきている感じややんけ。
我に珈琲君に煙草があり霧氷 若林哲哉
特2並1。最後に霧氷を置いたのがいいという。なんか巧すぎというか、プロの句という感じがする。
缶コーヒーごくごく冬銀河がぶがぶ 高野ツトム
特1。これはオノマトペのおもしろさで特にした。冬銀河がミルキーウェイという読み素晴らしい。
恋コーヒー苦み多きや年忘れ 大魔王
「年忘れ」は忘年会。恋が掛詞なんだな。詰め過ぎだという。
なんか珈琲と雪が多いな。色で対句にするのか?
<兼題>木暮陶句郎さん「田楽」、高野ムツオさん「スリッパ」
~2月3日(月) 午後1時 締め切り~
<兼題>堀田季何さん「アスパラガス」、岸本尚毅さん「海」
~2月17日(月) 午後1時 締め切り~
こっちは岸本尚毅だった。定評の伝統俳句か。
芭蕉の風景
小澤實『芭蕉の風景上』より「第四章 更科紀行」から。芭蕉が歌枕の地『おくのほそ道』へ至る予行練習だとする。木曽への名月を愛でる旅から始まる。
木曽のとち浮世の人のみやげ哉 芭蕉
「みやげ」は橡の実だという。浮世とはこの世ではない場所というような意味。木曽は木曽義仲を訪ねる旅のようだ。中山道のどこかで作った句だという。狩人「コスモス街道」とは違うのか?中仙道はやはり中山道だった。
狩人や仙人の翁通る道 宿仮
俤や 姨ひとりなく月の友 芭蕉
「姥捨山」は名月で有名な場所だった。「姥捨山」が歌枕なのは西行の歌から。
我が心なぐさめかねつ更級やをばすて山に照る月を観て 詠み人知らず
姥捨や名優演じ紙の月 宿仮
映画『姥捨山』でも月が輝いていたが、もしかして紙の月かもと思って。あれは『楢山節考』だった。オールセットなら「紙の月」かもしれない。
吹けとばす石はあさまの野分哉 芭蕉
「あさま」は歌枕で浅間山。
いつとてかわが恋ひやまむちはやふる浅間の獄の煙絶ゆるとも 読み人知れず
そうだ、鬼押出しというような溶岩地域があったような。追分を野分に掛けているのか。追分というと後藤明生の小説にあった。避暑地だったよな。
『吉野大夫』だったか。けっこう文化人が集う場所になっているのだな。
働き蜂の吉野大夫の一刺に 宿仮
吉野大夫は遊女なんだが、政治家と避暑地でよろしくやっていたとかと思うと暴露されて。
叡慮にて賑ふ民の庭竈 芭蕉
難解句だなあ。仁徳天皇の和歌の本歌取り。
高き屋にのぼりてみれば煙たつ民のかまどはにぎはひにけり 仁徳天皇
実際は仁徳天皇の歌ではないのだが、炊事の煙が上がってないので民は苦しんでいると感じた天皇が良政をしたという歌。その結果芭蕉の句になったということだろうか?
天災も煙立つ日は行けません 宿仮
いつまでも被災地に行かない政治家がいたとか。
菊鶏頭きり尽くしけり御命講 芭蕉
これも難解句だな。「御命講」は季語で日蓮の忌日。菊も鶏頭も秋の花なのだが句の中心は「御命講」ということだった。花は献花なのか。「御命講」は芭蕉が初めて使ったとされる。しかし、これも調べてみると他に使って詠んだ者がいたとかで、新季語でもなかったが、それは「日蓮御影講」という九音もある言葉だったので芭蕉が短縮して季語に認定されたということだった。新季語を探すというのも重要なのだ。
試験には御命講という御名答 宿仮
元日は 田毎の日こそ恋しけれ 芭蕉
最近は正月でも休んで働くという人は多いと思う。それを恋しいと思う気持ちも失せているのかな。この歌は西行の和歌や古歌で詠まれた姨捨山と月の関係を田畑と太陽の関連で詠んでいるという。これから西行詣に向かう『おくのほそ道』の予行練習だという。
元日も太陽見ずとも月恋し 宿仮
やっぱ月の方が恋しいかもという句。たいした意味はなかった。そろそろ疲れた頃かも。
西行の庵もあらん花の庭 芭蕉
芭蕉が江戸に帰ってきて詠んだ句だが花の庭より西行なのかと思う。違った花の庭が西行庵のようだという意味だった。「花の庭」は桜の庭ということで吉野を懐かしんでいる。「江戸六本木小屋敷絵図」がその再現画だという。
芭蕉庵いくいく詐欺の都鳥 宿仮
今年は絶対に行くぞとおもっているのだが。
江戸川柳で読む平家物語
安倍達二『江戸川柳で読む平家物語』が面白い。俳句ではなく川柳なのだが(助平川柳)、こういう川柳で『平家物語』のストーリーがよくわかるというのも面白い。下ネタ歴史館みたいな。
院の落胤
清盛は祇園女御(白河院の妾)から生まれたとするのだが、それを承った忠盛(実の父)とのやり取り。
忠盛が手柄の跡を犬がなめ
院を暗殺しようとした坊主が油と火を持って近づいて来たのだが忠盛がが未然に防ぎ褒美として祇園女御を貰い受けた。
喰いかけの芋忠盛に下さるる
院の子院の子と忠盛は抱き上げる
院を犬と掛けている。子供を寝かす時の御呪いで「犬の子 犬の子」とあやしたらしい。
義朝最期
義朝は義経の父なのだが、風呂場で殺されるのだった。
末期の湯呑んで義朝最期なり
長田忠致が平家に寝返って風呂場で義朝を殺した。しかし重盛は自分の主人を殺すなんてと褒美を与えなかった。
胸算用のちがったは長田なり
常磐
常磐は義経の母で義朝を殺されたあとに清盛の元へ出る。
子ゆえの闇にあかるみへ常磐出る
常磐は藤原伊周が千人の美女の中から選んだ女だった。
千人に一人の後家を入道せしめ
義朝とおれはどうだなどと濡れ
川柳はここまで詠むんだ。