ジャンヌ・ダルク的聖女伝説
『ベネデッタ』(2021年/フランス=オランダ)【監督】ポール・ヴァーホーベン 【キャスト】ヴィルジニー・エフィラ,ダフネ・パタキア,シャーロット・ランプリング,ランベール・ウィルソン,オリヴィエ・ラブルダン,ルイーズ・シュヴィロット,エルヴェ・ピエール,クロチルド・クロー
女神といより狂信者として描かれているような気がする。それはベネデッタと粗野な娘バルトロメアとの関係で、同性愛的に描かれていた。しかし彼女はそれを認めずイエス・キリストとの関係だと思っている。イエス・キリストの幻覚(映画でも幻覚として描かれているような)を見るのだが、そのベネデッタの奇跡はダーク・ファンタジー的なエロスとバイオレンス。
それは権威的な教会も腐敗したスキャンダラスにまみれた世界だった。そのような終末観の世界にやってきたジャンヌ・ダルクというヒロインの映画になっている。
ベネデッタを支持していく民衆もまた革命運動のような反乱だった。バルトロメアの存在がユダのような描かれ方なのかな。
修道院長はシャルロット・ランプリングだった。かなりヘビーな映画に出ている。女性の同性愛裁判で有罪になり魔女だとされるのだが、そこから民衆が彼女の奇蹟を信じて立ち上がる。監督は『氷の微笑』の監督だった。悪女の聖女という感じの映画だ。
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