峠三吉『原爆詩集』
毎年のように行われる「平和の式典」もいいのだが先日ナチスをパロディ化する映画を観て、そろそろ日本もそういう映画が出てもいいのではないか?と思った。
『はだしのゲン』の実写化はそれに近かったのだろうか?
例えば泉鏡花の『夜叉ケ池』での妖怪たちの行進という形で広島巡礼に行くというのはどうだろうか?
峠三吉『原爆詩集』は序から始まる。そのコトバはひらがな書き(原民喜の原爆後の描写がカタカナ書きであった)で難しさはない。
原爆の凄まじさはそれが人の形を止めないということだとこの詩から知った。例えば盆踊りは共同体の中心にある仏を求める供養だとしたら、その中心を喪失したものたちが乾いた心を潤すように水を求めるのだった。もとは雨乞いという儀式から始まった祭りを水の癒やしを求める人間でないものの姿と重なるのかもしれない。
ひとのこころを失ったもののけは声だけの存在。そんな存在に妖怪たちが同調する(水木しげるの妖怪たちのイメージ)。
最近流行りの「虹のパレード」。虹の中には蛇も姿を表すだろう。
七色の妖怪を率いるのは、コスプレ女王の雪白姫かもしれない。
「雪白姫」はバーセルミのポストモダン小説が参考になるかも。修羅雪姫だと思っているのだが。
ちょっと長い引用だったか?なかなか切れないのだ。しかし、ただ言葉を羅列するのではなく表現としての工夫が観られる。その中にリアルなコトバたち。