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百人一読(海外文学編)

海外文学も読まれないというよりも売れないから日本人中心となっていくのか?新潮100冊では16/100だった(ドスト『罪と罰』は上下巻含む)。新作はマルケス『百年の孤独』で売れているというが、マルケスは昨日やって『エレンディア』に決定した。マルケス『百年の孤独』を読むなら他の作品をというところだろうか?



21フォークナー『八月の光』

まずフォークナーが入ってないのがけしからん!新潮文庫には『八月の光』があるじゃないか!『八月の光』は牧師が語るジョー・クリスマスの悪人伝と平行してリーナ・グローヴという若い女が男にたぶらかされて妊娠してしまう経緯が平行して描かれる。二人は出会うことはないのだが、同じ時間を共時的に生きている。

いろいろと解釈はあるがジョー・クリスマスが黒いキリスト的なイメージでアイラーを連想して、リーナ・グローヴの方はジャニス・ジョプリンで「サマータイム」にすれ違うみたいなことをイメージしていた。ジョー・クリスマスがジミ・ヘンでもいいんだけど、それだと出会ってしまうから「サマータイム」でズレている感じがいいと思う。いま読まずしていつ読むのかという夏の読書一番手でしょう。『百年の孤独』はそれからでもいい。まずフォークナーでマジックリアリズム的な手法に慣れてきてからでいいと思う。

フォークナーの影響は大江健三郎が指摘するように、その後のフォークナーの息子たちというラテンアメリカ作家を産んでいく。村上春樹もその傾向がある。『納屋を焼く』はフォークナーの短編にもあるし。『世界の終わり~』もフォークナーの影響が見られる。それと「新潮文庫の100冊2024」にはもしかして、村上春樹も入ってなくない。ツイッターで見たのは過去のことだったのか?あった『納屋を焼く・蛍』の短編集が入っていた。


22  カフカ『変身』

カフカは『変身』が入っていた。そうだ私も昔「新潮文庫の100冊」で一番薄いほんだからと思って夏休みの感想文を書こうと玉砕したのだった。ワンコインで買えないのか(消費税のせい)。カフカは不条理文学というけど感想文が書けない不条理文学かもしれない。その不条理さが書けたら君は天才だ!



23 カミュ『異邦人』

「異邦人」は久保田早紀の名曲から。

カミュも久保田早紀もこれ一作という気がしないでもないが、カミュは『シーシュポスの神話』とかサルトルとの論争『革命か反抗か』も続けて読んだな。カミュも一時期取り憑かれたけど『ペスト』当たりがわかりにくかった。まだ坊やだったから。

『異邦人』で話が盛り上がった子を好きになったけど、日本を脱出して(小笠原だった)絵はがきに「まだムルソーの夢をみますか?」と書いてあったのが刹那い夏の思い出。


24 ゲーテ『若きウェルテルの悩み』

ヘッセとかもかぶれるよな(最初ヘッセ『車輪の下』を選定したのだが似たよな話かなと思ってゲーテに変えた)。でもこれを勧めるか?最後自殺するんではなかったっけ?そうだ列車事故というと『アンナ・カレーニナ』とか文学的主題に成りやすいのか?列車は近代化の象徴でもある。でもなんで自殺したのかがよくわからん。失恋だっけ?列車事故で自殺したんじゃなかった。今だったら『若きウェルテルの悩み』の方が面白いような。こっちにしよう。


25 ドストエフスキー『罪と罰』

ドストはやっぱ『罪と罰』かな。それで面白いと思ったら『カラマーゾフの兄弟』まで行くんだろうな。ドストエフスキーの面白さは新聞小説のような次はどうなるのかというミステリー性とその語り口にある(奥さんへの口述筆記で太宰の語りともつながる)。あと新聞記事のような都市の事件性とか。トルストイが田舎の金持ちの話ならば、ドストエフスキーは都市の貧困層の小説か?いきなり金持ちの老婆を斧で殺害とか、これはネタバレじゃなく最初からそういう話なのだ。それなのに面白い。ネタバレがあっても面白い小説は面白いのだ。だからくり返し読むことで新たな発見がある。

そうだ、太宰がドストエフスキーの影響を受けているのは『人間失格』で「罪と罰」のアナロジーで反語なのかと問うところがあり、そのコトバから愛人が強姦されるという描写になるのが、エロスだと思った。


26  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生物から見た世界』

『フェルマーの最終定理』理科系の本は読んでもさっぱりだった。哲学の本も苦手で世界観の見方のようなユクスキュル『生物から見た世界』が面白かったのは人が観る世界と動物では違っていて、それで「環世界」というような共通の場である地球に生きているのだ。やっぱ細かいところは忘れていた。


27 レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー 』

レイチェル・カーソンだと『沈黙の春』だと思ったけど、そこに行く前に                  自然観察をして自然の驚異に感動しようという本なのか。それで先日観た映画『アニマル ぼくたちと動物のこと』の目的が理解できた。まず脅威より驚異という感動から始めるということだった。『沈黙の春』よりも『センス・オブ・ワンダー 』ということだった。そのセンスが無かった。



28 ラブクラフト『アウトサイダー』

ラブクラフトは怖くて読めなかったのだが精神世界の小説という感じ。『アウトサイダー』と言えばコリン・ウィルソンだが、精神世界からオカルティズムになっていく。オカルト的要素が強いのか?この年になれば怖いものなしだから読んでみるか。ハマったら大変だな。壺を売っていたりして。


29 コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』

小学生の時、少年文庫みたいな本でルパンシリーズを読み漁っていたが、ホームズ好きな子がいて、どっちが凄いか争っていた。ルパンには対ホームズの話があって有利なんだが、あれはモーリス・ルブランがホームズを尊敬して書いたのかもと今では思える。

シャーロック・ホームズを読む人は頭がいいように思える。ルパンとか隕石が人を殺したとかそんな世界だったと思った。まあ、アニメもあるんで楽しいが。ホームズを読まないのでミステリーに深入りすることはなかったと思う。


30 ロバート・L・スティーヴンソン『ジキルとハイド』

これも読んでなかった。買ってはあるんだが。薄い本なので、探して今日中に読んでしまおうか?新潮の100冊でも読んでない海外文学があった。


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