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義経もギケイと呼ばれると怪しい人になる

『ギケイキ: 千年の流転』町田康 (河出文庫)

はは、生まれた瞬間からの逃亡、流浪――千年の時を超え、現代に生きる源義経が、自らの物語を語り出す。古典『義経記』が超絶文体で甦る、激烈に滑稽で悲痛な超娯楽大作小説、ここに開幕。

「義経記」の音読みだった。これはまだ前半なのか。東国の武士が打倒平家で立ち上がってくるまで。なかなか弁慶が出てこないと思ったら結構長い話だった。『平家物語 2019年5月 (NHK100分de名著)』の義経しか知らないので興味深い。町田康の騙りの面白さ。義経の早業(瞬間移動)と弁慶のハチャメチャな性格。町田パンク流騙りの『義経記』。まだまだこれからだと期待する。

源氏方の武士が関東あたりから立ち上がってくるところまで。映画『翔んで埼玉』の野合のシーンを思い出した。義経の早業じゃないけど速読出来ないおもしろさ。なかなか弁慶出てこない。義経は京育ちだから服装の流行には敏感でいつか清盛・重盛を殺すべく早業の鍛錬をし、美少年で絶えず菊門を狙われるがそれを逆手に取り、平家打倒を誓って東北・関東に旅立つ。(2019/06/03)

騙り部としての町田康文学は赤丸急上昇中である。『宇治拾遺物語』や最新作『ギケイキ:千年の流転』。『付喪神』は鬼太郎の妖怪大戦争を町田康節でパンクやフリージャズのようにシャウトしている。付喪神を退治する為に神社が下請けの下請けに出して回ってきた先が数珠つなぎの付喪神だった。(2019/06/12)



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