煙たい話
『源氏物語 32 梅が枝』(翻訳)与謝野晶子( Kindle版)
明石の姫の裳着の儀のために薫物を調合する薫物比べを六条院の女たち(紫の上・花散里・明石の上)と朝顔、光源氏も参加して、判定を兵部卿宮(蛍宮)にお願いする。「絵合」の帖と同じような話だろうか?
こういう話は箸休め的エピソードだが各人物の個性(性格)が出て楽しめる。秋宮中宮は参加しなかったのだが何故だろう?冷泉帝の妻だからか?
光源氏は中国などの渡来ものを取り寄せる(通常なら光源氏が勝ちそうだが)。紫の上は、光源氏にも隠れて天皇家秘伝の調合を試みる(競争心が激しい性格、また薫物爭いはニ種類でいいのに三種類も作ったのは性格が出ているような)。
そしてく朝顔から梅の枝に結んだ手紙が届く。
香物の入った箱に添えられている。兵部卿宮に関係を怪しまれるが、それをかわして返事を書く。
花の枝にいとど心をしむるかな人のとがめむ香をばつつめど
花散里は、どうせ選ばれるのは上のものだと一種類しか調合しなかったが、奥ゆかしい方だと。明石の上も工夫を凝らして調合するが………。
そこに朧月夜(人ではなく月だった)が出て管弦楽が催されて催馬楽「梅が枝」が詠われたりした。男たちの和歌披露に薫物爭いはいつのまにかうやむやに煙に巻かれた。
明石の姫のやっかみが酷いので入内を延期することにした光源氏だったが、光源氏の娘なら誰も敵わないと思い知らされて、一人悲しむのが雲居雁だった。そこで光源氏は夕霧をけしかける。
夕霧は雲居雁の気持ちも知らず首を傾げるほど鈍感男。
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