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五行詩は短詩だけど俳句や短歌に比べて規則もないのでもっとも作りやすい詩かもしれない。目指せ五行詩の芭蕉? 五行詩だけでなく他の多行詩も加えました。
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#春と修羅

シン・現代詩レッスン10

シン・現代詩レッスン10

今日も『春と修羅』から「小岩井農場(パート九)」。

「小岩井農場」は賢治の地元にある酪農農場。

『春と修羅』の中に「小岩井農場」と題の詩は「パート1」から「パート9」まであるのだが、5,6,8が欠落している。賢治が小岩井駅から小岩井農場までを歩いた歩行詩であり、その中に回想や心象スケッチが含まれる。例えば5.6は欠落しているのだが、後の別の形で「第五綴」「第六綴」と題されて宮沢賢治の学校(教師

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シン・現代詩レッスン9

シン・現代詩レッスン9

今日も『春と修羅』から「原体剣舞連(はらたいけんばひれん)(mental sketch modified)」。

今日はAIに絵を描いてもらった。現代の地獄絵図をリクエストしたら出てきた。今野勉『宮沢賢治の真実、修羅を生きた詩人』を借りてきたがこれは参考になる本だ。まだ二章まで読んだだけなのだが、『春と修羅』は『銀河鉄道の夜』に繋がる重要な作品で、妹トシを追悼した詩であるのは間違いないようだ。

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シン・現代詩レッスン8

シン・現代詩レッスン8

今日も『春と修羅』から「青い槍の葉(mental sketch modified)」。

宮沢賢治『春と修羅』は「心象スケッチ(mental sketch modified)」という詩なのだが、同じように(mental sketch modified)で示されている詩は三篇ある。

宮沢賢治の最愛の同志というべき妹の宮沢トシが亡くなったことによってそれまでの賢治の信じていた宗教(法華経)が危うくな

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シン・現代詩レッスン7

シン・現代詩レッスン7

今日も『春と修羅』から。

本当はこの後に続く行が面白いのだが長くなるので、ここまで。「mental sketch modified」というのが心象スケッチということだった。

「心象のはいいろはがねから」は妹トシが亡くなって喪の気持ちというようなことか。宮沢賢治は「青」の使い手なのだが、それはモダニズムの青で、憂鬱な色というような灰色がかっているのだった。けっして明るい青空のイメージではないのだ

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シン・現代詩レッスン6

シン・現代詩レッスン6

梯久美子『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』を読んで宮沢賢治の詩が良かったので『春と修羅』から。『春と修羅』は妹の死から当時宮沢賢治が信仰していた日蓮宗の教義が信じられなくなって、そこから立ち直っていくサハリンまでの旅をする中で、膨大な詩を書くのだけど、一番有名なのは、「永訣の朝」で、梯久美子の本で感動したのは「青森挽歌」「オホーツク挽歌」なんだが、妹の死とある程度の長さがあって難しいので、

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